給食の裏側

学校や企業、老人ホームなどの食事を提供する産業給食の物流センターでの仕事は、体力勝負です。

この仕事に関わってみようと思った理由は2つ。

1つめは、86歳の父親の影響。

父は、79歳まで現役で洋食店を営んでいた。
食材、素材に拘った職人肌で、プロのアスリートや芸能人も地方公演で食べにくる地元では人気の有名店で、食べることが大好きな食いしん坊です。

今年4月に、背骨に入っているボルドを取りだす手術と、首に見つかったヘルニアの手術を受けることになり。家族としては、高齢でそういう手術をすることの後遺症などのリスクを考え手術には反対でしたが、手術したら痛みが軽減すると信じる父は、深く物事を考えずに、手術に挑みました。

1度目の手術は首のヘルニア、検査で首にヘルニアが見つかり、このままにしていたら、数年後に寝たきりになるところだった、見つかって良かったと、軽い主日だからとついでに受けることになりました。

スケジュール的には2週間後に腰の手術の予定でしたが、首の手術で大きな胃潰瘍が出来て、食欲もなく、痛みで24時間眠ることも出来ず、血便検査を行って、2回目の手術は潰瘍を治してからと、1ヶ月後に延長になりました。首も痛い腰も痛い食欲はない。こんな状態で腰の手術をしたらと、父の不安とストレスはピーク。
今更手術をやめても要介護、高齢の母や近くにいる家族にも迷惑が掛かるだけと、腰の手術をやめる選択は出来ず、2度目の手術を行いました。

手術は大成功、リハビリを頑張れば歩くようになれます。と主治医の先生はおっしゃいました。

しかし、手術後の痛みは前よりも酷くなり、トイレも自力歩行が困難で介護用オムツをするようになりました。リハビリを頑張れば良くなると言われ、手術は大成功と。
3ヶ月、病院でリハビリを続け、リハビリが出来る老人施設に転院しました。
実家の近くの施設に移り、私も帰省して、姉妹で面会に行きましたが、差し入れは持ち帰させられ、アクリル板越しの面会です。
手術した病院にいた頃よりは、精神的には安定していきました。
食欲が戻り、リハビリもするしお腹が減ると
ご飯が足りないと、食事の時間だけを楽しみに生きています。

一度、施設に入院すると、病院への定期通院以外の外出なども許可されず、食べたい物を食べられる幸せ。当たり前の日常は、振り返ると、とても尊い時間で、有難く幸せなことだということを、失ってみて初めて気付かされるものなのだと、父の姿を見て改めて、気付かされます。

グルメで食通、食べることが大好きだった父。
食欲はあるので、老人ホームの食事の時間が一番の楽しみです。そんな父を想っている時に、
老人ホームや学校や企業の日々の食を提供する
産業給食の物流スタッフの求人を見て、自宅から近いこともあり、働いてみることになりました。

2つ目の理由は、産業給食の食事場を知りたいという好奇心もありました。

私の好物は父の作ったハンバーグで、お肉が大好き。社会人になって一人暮らしを始めると、ホテルバイキングや焼肉の食べ放題、外食ばかり。
料理は面倒(苦手)だし、誰かが作ってくれた美味しい食事を食べるのが大好き。

デパートに勤務していた頃は、デパ地下の惣菜か社員食堂で、食費は1食500円以内。
その後、教材の営業、広告会社の営業、営業時代のランチはコンビニのおにぎりと唐揚げが定番でした。

その後、健康食品の会社員時代、農薬や添加物、経費毒など、健康に対する知識を学び、デトックス出来る食品が必要、社員特典で飲み放題だから安心。と、安心安全な食事を自分で作るというよりも、解決策を健康食品に依存する考えで、簡単、便利に楽したい、仕事中心の生活で家事は手抜き。

だから、結婚して注文住宅で家を建てる時にも、家庭菜園とか、庭を作るような発想はなく、コンクリートで駐車場2台分のスペース作り、草取りをしなくてもいいように家の周りは砂利で敷き詰めました。
そんな、私の価値観が変化したきっかけは、加工食品診断士の学びでした。

ベストセラーの「食品の裏側」著書、安部司氏は、健康食品会社に勤務していた時に講演会などで知っていましたが、当時は、だからデトックスが必要と、○◯ジュースがあるから安心。と、自社製品に依存していました。
健康食品の会社を辞めて、住宅会社で勤務して環境アレルギー問題を学び、遺伝子組換えとアレルギー問題に関心があった時に、
安部先生が自分の弟子を全国に育成する加工食品診断士協会を立ち上げ、養成講座で学べることを知り
受講することにしたのです。

作るよりも買う派、仕方なく家事をする、料理が苦手な私が、1人分の食事でも自分の為に自炊する。
料理を楽しめるようになったのです。

生産性、効率性、安さが求められ代高度成長期からら、暮らしは便利になりましたが
失われる伝統、文化、家族の絆。

その食品が、何から、どうやって作られているか
知らせず不都合な情報は隠し、売る為の情報
プロパガンダで溢れています。
一方、見たくない真実は見たくない、
知りたくないという消費者心理

7人に1人が貧困、
生きるのが困難な方達がいふ一方で、

東京オリンピック開催時
弁当の発注ミスで30万食が食べられずに
廃棄されていました。

食品の裏側

1食300円の弁当なら、原価は100円以下

一番高いのは人件費。
原価を抑え、利益を出す為には
原材料をいかに安く抑えるか

食品業界に求められる
安全、安心は、
食中毒を出さないこと
食品廃棄ロスを減らすこと

消費者のニーズも
安くて、日持ちして、簡単で美味しくて便利が一番

その為には、
遺伝子組換え作物や技術、農薬や化学肥料、食品添加物は魔法のクスリ。
いつでも、どこでも、安く、簡単に食べることが手間きるのです。

産業給食の物流センターで働きはじめて
改めて、
裏側を知ると
自分では口にしたくない
業務用冷凍食品のオンパレード

でも、世の中に必要とされる食事です。

添加物講座の内容に、実体験が組み込まれていきます。表も裏も、実体験から得られる真実はすべて
ネタになるものです。

食べることが大好きだった父。
父の日や誕生日に毎年贈っていた越前蟹
毎年届く蟹が美味しかったと
食べ物の話しをすると、元気になる父。
外出が出来ない、外食が出来ない父に
父の好きなもの、食べたいものを
好きなだけ食べさせてあげたい。

高齢ではなくとも、身体にメスを入れる事のリスク
問題の解決策を外に求める生き方
日々の食事で何を選ぶのか?
一つ一つの洗濯が今の自分を作っている

取り返しの付かない状態になってみて
初めて気づく

医者は完璧ではない
医療は完璧ではない
病気になって病院に行く
病気にならない為に
予防接種を受ける

ポットの中の茹でガエル状態から
抜け出して

自分を大切に生きよう

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