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光害関連ニュースまとめ

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地上の光害や衛星コンステレーションによる天文学への影響など、インターネットに公開されている様々なニュースを毎月まとめていきます。
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光害関連ニュースまとめ 2024年3月

2023年3月の光害関連ニュースです。3月上旬はニュースが少ないかなと思っていましたが、後半にどっと増えました。光害と野生動物、光害とアストロツーリズム、衛星コンステレーションをめぐる動きなど、話題はさまざまです。 地上の光害に関するニュースボン条約第14回締約国会議、移動性野生動物種の保全を目指す多くの決定をして閉幕 2024年3月6日、EICネットに掲載された記事。ボン条約(移動性野生動物種の保全に関する条約)の締約国会議がウズベキスタンで2024年2月に開かれ、保護

光害関連ニュースまとめ 2024年2月

2024年2月の光害関連ニュースです。 地上の光害に関するニュース星空保護区になったはいいものの…目立つ観光客のマナーの悪さ 福井県大野市、対策いかに 2024年2月13日、福井新聞の記事です。2023年にダークスカイ・インターナショナルが認定する星空保護区となった福井県大野市南六呂師地区。観光PRもできて観光客が増えているようですが、それに伴って駐車場で車のライトを消さない人がいたり、駐車場に寝そべって星を観る人がいたり、という問題が起きているとのこと。観光客が増えれば

光害関連ニュースまとめ 2024年1月

2024年1月の光害関連ニュースです。地震や事故と重苦しい幕開けとなった2024年。夜空を眺めてゆっくりできるときが来ることを願っています。 ※このシリーズのヘッダ画像は毎回Midjourneyで作っています。 地上の光害に関するニュースみんなで取り戻す、美しい夜空 2024年1月5日、国立天文台広報ブログに掲載の記事。私が室長を務める周波数資源保護室の特別客員研究員である、星空公団の小野間さん執筆の記事です。昨年9月に開催した星空環境保護研究会の報告と、環境省の令和5

光害関連ニュースまとめ 2023年12月

2023年12月の光害関連ニュースです。2023年は福井県大野市南六呂師地区が日本で4番目の星空保護区に認定されたり、衛星コンステレーションからの天文学の保護に関する国際天文学連合のシンポジウムが開催されたり、世界無線通信会議で衛星コンステレーションからの電波天文学の保護が検討課題になったりと、様々な話題がありました。 光害に関する研究もいくつも発表されました。世界の夜空の明るさが年10%ずつ明るくなっているという報告、ハッブル宇宙望遠鏡の撮影画像の数%に人工衛星が写りこんで

光害関連ニュースまとめ 2023年11月

2023年11月の光害関連ニュースです。 地上の光害に関するニュース『暗闇の効用』 2023年11月11日、久元喜造 神戸市長のブログに掲載された、横尾忠則氏による『暗闇の効用』(ヨハン・エクレフ著)の書評についての記事です。子どものころに親しんだ暗い夜空が失われてしまったことを嘆いていることを受けて、市長は以下にように記しています。 市長が暗闇の重要性を理解されているというのは街づくりの観点からもたいへん重要と思います。一方で神戸市は2023年2月の光害関連ニュースで

光害関連ニュースまとめ 2023年10月

2023年10月の光害関連ニュースまとめです。 地上の光害に関するニュース大野市南六呂師地区が「星空保護区」に認定 市に認定証書授与 2023年10月2日、NHK NEWS WEBに掲載。8月に「星空保護区」に認定された福井県大野市南六呂師地区、その認定証が国際NPO「ダークスカイ・インターナショナル」から発行され、日本支部「ダークスカイ・ジャパン」の越智代表から大野市の石山市長に手渡されたというニュースです。大野市、福井工業大学、ダークスカイ・ジャパンなどの関係者が協力

光害関連ニュースまとめ 2023年9月

2023年9月の光害関連ニュースです。福井県大野市の星空保護区認定に関するニュースや衛星コンステレーションのニュースが目立ちましたね。 地上の光害に関するニュース大野・星空保護区認定 「稼ぐ観光」へ知恵結集を 2023年9月12日に福井新聞ONLINEの論説記事として掲載されたものです。福井県大野市南六呂師地区の星空保護区認定を受けて、また北陸新幹線の福井延伸や高速道路の開通というタイミングを前に、星空保護区を観光振興に活かそう、というものです。「稼ぐ」というと天文サイド

光害関連ニュースまとめ 2023年8月

2023年8月の光害関連ニュースです。 地上の光害に関するニュース福井県大野市南六呂師地区、星空保護区に認定 2023年8月21日、国際NPO団体「ダークスカイ・インターナショナル」が福井県大野市南六呂師地区を「星空保護区」に認定しました。星空保護区としては日本では西表石垣、美星町、神津島に次いで4番目です。申請は今年4月でしたので、4か月で認定ということになりました。認定されたカテゴリは「アーバン・ナイトスカイプレイス」で、近隣の明るい都市の影響を受けながらも、暗い夜間

光害関連ニュースまとめ 2023年7月

2023年7月の光害関連ニュースです。 夏前は、星や天文の話題がよくニュースになる時期のようです。長期休暇もあるし、夜でも寒くないし、星を気軽に見るにはよい季節といえます。その傾向を反映してか、星空保護区に関するニュースが7月は特に多かったですね。 地上の光害に関するニュース星空保護区登録を目指す福井県大野市 国際ダークスカイ協会が認定する「星空保護区」には、日本では現在3か所(沖縄県西表石垣国立公園、東京都神津島、岡山県井原市美星町)が登録されています。4か所目となるべ

光害関連ニュースまとめ 2023年6月

2023年6月の光害関連ニュースです。 地上の光害に関するニュース 台北植物園、環境にやさしい照明具採用 光害から植物守る 2023年6月3日にフォーカス台湾に掲載された記事です。台北植物園は台北の街中にある植物園ですが、「園内の夜間照明で、花の開花時期が乱れたり、木の幹から側枝が出たりする現象が見られたことから、同園は5、6年前から照明器具の高さの調整にとりかかった。」とのこと。光害は、単に星が見えなくなるだけではなく、動物にも植物にも影響があります。新しい照明の様子

光害関連ニュースまとめ 2023年5月

2023年5月の光害関連ニュースです。なんだか最近忙しくなってしまって月刊まとめ以外の記事を出せていませんが、引き続きよろしくお願いします。5月もいろいろありましたね。 地上の光害に関するニュース東京の繁華街、戻らぬ光 コロナ前比1割減 2023年5月7日に日経新聞に掲載された記事。人工衛星による観測をもとに都市の夜の明るさの変化を調べたコロラド鉱山大学(Colorado School of Mines)によれば、コロナ前と比較してパリは+3.2%、ロンドンは+1.9%、

光害関連ニュースまとめ 2023年4月

2023年4月の光害関連ニュースです。 地上の光害に関するニュース南六呂師に光害対策照明 大野市星空保護区認定へ点灯 2023年4月2日、中日新聞ウェブサイトに掲載された記事です。星空保護区認定を目指す福井県大野市南六呂師(みなみろくろし)地区に、光害対策照明が取り付けられたということです。 大野市が南六呂師地区を世界的な「星空保護区」に申請 そして、大野市が正式に「星空保護区」の申請を国際ダークスカイ協会に提出したというニュースが4月26日のNHK News Web

光害関連ニュースまとめ 2023年3月

2023年3月の光害関連ニュースです。今月もたくさんありましたね。 地上の光害に関するニュース人工衛星多すぎ「星が見えない!!」 2023年3月2日に毎日小学生新聞に掲載されました。2月7日に毎日新聞に掲載された記事「宇宙のかなたの画像に無数の光跡 天文学者を悩ます「人工星座」」の子ども版です。図版も子ども向けにわかりやすく変更されています。 パナソニック、まぶしさ抑えつつ広範囲照らす屋外照明 2023年3月7日にインプレスの家電Watchに掲載。パナソニックは岡山県

光害関連ニュースまとめ 2023年2月

地上の光害に関するニュース星空の危機?市民科学者5万人が示した「光害」の深刻 2023年2月11日 、毎日新聞ウェブサイトに掲載された記事です。執筆者の青野さんは科学系の取材をずっとされてきた方。今回の記事は、このnoteでも2月9日に公開した、夜空が毎年10%のペースで明るくなっているという調査報告を紹介するものです。LEDによる影響、動植物への影響、光害対策ガイドラインなどバランスよく紹介されています。宇宙ステーションから見える地上の明かりに対して、『「まあ、きれい!」