たかまつなな氏が枝野幸男氏に尋ねるべきだった事を考えてみる
最近ちょっとスランプ気味だな~と思うことが多いこの頃。皆さんお元気でしょうか?
ここのところ、大臣会見出たり山田太郎参議院議員の取材などをしていて、「やっぱ政治取材むずかしい」と改めて感じているわけなのですが。たかまつなな氏が立憲民主党の枝野幸男代表へのインタビューを「失敗だった」という記事を見て、いろいろと考え込まされた。
YouTubeも視聴したけれど、たしかにこの対談は「失敗」だったと個人的にも感じる。まずもってなぜ「政権交代」がテーマの中心なのか、というところに疑問が残る。
立憲民主党といわれると「野党」という枕詞がついてまわる。だが、それ以前に「リベラル政党」であるはずだ。なにせ、民主党→民進党を経て、新自由主義的な色の強い議員たちと決別してきた経緯があるのだから、まずは立憲民主党や枝野氏が「リベラル」をどのように定義しているのか、意外と彼らの口からは語られていない。
ちなみに「政治活動においてのリベラル」の姿勢は何か、と問われた時の自分の答えは簡単で、「困っている人が社会的にひとりでもいれば解決法を探り続ける」だろう。可能か否かは別として、現在の「リベラル」はそこが揺らいでいるように思える。例えば、非正規雇用の問題でも、支持母体のひとつでもある労働組合が充分に機能しているとは言い難い。彼らのいうところの「弱者」がどういった層を指しているのか、そこからこぼれ落ちている人の事をどのように考え、どういったアプローチを探っているのか、自分には彼らがどういった社会を目指しているのか、さっぱりわからない。
また、前述したように、党が分裂する過程で都道府県や区市町村レベルの組織も未だに混乱しているように見える。枝野氏は折に触れて「草の根」という言葉を強調しているし、まずは「地盤」を立て直すことが急務だろう。政権・与党批判によって起こした「風」によってうっかり政権を取ってしまった失敗が2009年からの民主党政権だったと考えれば、「政権交代の戦略」というのは「党が考えるリベラルのあり方」を語り、それに共鳴した人たちを結集させて「支部」を拡充・強化していく、という「ありふれた」ものに以外にないように思える。それは地味で一朝一夕にできるものでもないし、キャッチーでもないし、メディアで出したところで多くの人には響かない可能性が高いけれど、それを「やっている」ということを示す必要は不可欠だろう。
だから、「政権交代」以前にそこを問う必要が絶対にあったのではないだろうか。結局のところ、選挙での与野党逆転といった事は「政局」に過ぎないし、そういった報道は溢れかえっている。自分もそうだけど、大手メディアの外の人間が似たような事をしてもあまり意味がないように感じる。
個人的には、「政策」ベースで取材をしていきたいし、しているつもりなのだけど、そうなるとどうしても政府・与党寄りの発信になりがちなのが悩みではある。なので、野党の国会議員にも取材をしたいところなのだけど、これがハードル高い。思わずTwitterで愚痴るくらいには邪険にされる。地方議員レベルだとそうでもないんですけれどね……。
今なら給付金の問題みたいな、個別の政策に関する議論はもちろん大事ではある。とはいえ、その前の「大きな物語」が立憲民主党に限らず圧倒的に不足している。それを引き出せるようなメディアやジャーナリストがないというのは、ある意味でアンラッキーな面ではあるけれど、発信の手法や「聞き手」の選別が絶望的に下手だと言わざるを得ないだろう。
まあ、結局何が言いたいかというと……。「野党各党は電話やFAX以外の取材依頼を受け付けて、広報の対応どうにかしてください」っていうこと!!
(ちなみに、画像はある冬の日の霞が関の夕暮れ前です)