「82年生まれ、キム・ジヨン」自分らしく生きること
韓国時代劇の波にのまれ、壮大なストーリーを旅して疲れてしまったので、また現代に戻り、前から気になっていた映画「82年生まれ、キム・ジヨン」を観てみる日。
もともとは韓国のベストセラー本で、たしかナムジュンがおすすめ本として挙げていたので、記憶にありました。本屋さんでも韓国フェアなどで一番目立つところに置いていますね。
本は手に取りはしたものの、いまだ読まないまま、先に映画版を観ることになってしまいました。
キャストを知らずに見ていましたが、「ユン食堂」のチョン・ユミ、そして、「トッケビ」のコン・ユが夫役で出ているのがアツイですー。
韓国で最も一般的な名字「キム」と1980年代初め頃多くつけられた「지영(チヨン)」を組み合わせたキム・ジヨンが主人公の名前になっていて、当時のありふれた女性の象徴として描かれているようです。
大学を出ても思うような就職先がなかったり、チカンにあうのは、短くスカートを履いたり隙があるあるからだと父親に怒られたり、出産したら仕事ができなくなったり、正月に実家にも帰れず、旦那さんの実家で心休まることなく過ごし、毎日の育児に家事に追われてくたびれ果てる専業主婦。
80年代を大人として過ごしてきた女性なら誰しもが経験してきたであろうことで、共感できるのではないかなと思います。
私は仕事をバリバリやっていたほうではなくて、専業主婦になるのは抵抗もなかったのですが、長男の育児では何しろ初めてのことばかりで、とにかく毎日が必死でした。一生懸命になり過ぎて、育児ノイローゼ気味だったと思います。
そんな私を見かね、家にいても外の世界とつながれるようにと夫がパソコンを買ってくれました。
当時はまだ家庭にパソコンがある家はほとんどなかったと思います。
パソコン経験はなかったけれど、やってみると私はパソコンに向いていた人間で、どんどんとのめり込んで、育児のホームページを作ることができるようになりました。そうすると、ネット上のママ友と交流することができて、悩みを共有したり、相談したり、、、本当に救われました。
その後も二世帯暮らしが始まって、姑の言動に悩まされてストレスがたまる毎日もブログを書いたりして、「自分らしさ」を保てるギリギリの暮らしをしていました。
そして、今。
noteを通していろんな方の記事に触れて、共感したり、励みになったり、気づきがあったり。こういう場が得られたのもかつての私の閉鎖的な時期の経験があってこそ。
何事も無駄なことはないし、そのときは自分だけが社会から取り残されて、孤独を感じる日々だったとしても、自分を見失わないように、「自分らしさ」を常に求めて暮らすことで何かが見つかるかもしれません。何もできないときは、焦らずに。そのときにしかできないことに向き合うしかありません。
つらい試練も永遠ではない、いつかは道は開けると。
ただただそういう気持ちで子育て期を乗り越え、二世帯暮らしをやり過ごし、また今、姑の世話をする毎日。
実際、ここまで終わりがないのだけど、永遠ではない。
私にとっては姑の存在は人生の修行です。
キム・ジヨンのお話とはかけ離れてしまったけれど、女だから、男だから、子どもがいてもいなくても、それぞれの人が自分らしく生きることができて、一方的に責めたりせずに、どんな立場の人にも優しく声かけや手助けができる世の中になればいいなと思います。
誰にも邪魔されず、好きなことを好きなように、誰でもない自分を生きる。
「当たり前」なんてことのない多様性の時代、いろんなことを認めて、認め合って、そこに幸せがあればいいですね。
みんな幸せになりたいもの。