100以上のプロダクトを作ってきたエンジニアが教える 市場のニーズを先取りする5つのポイント
筆者紹介
15年間、ホテル・旅館向けの基幹システム開発や価格推移の分析、競合分析、レピュテーション分析といった新規事業の開発を行なってまいりました。2016年からはフリーランスエンジニアとして、スタートアップ企業の開発支援を行い、2021年には株式会社GiGOOOを設立してCTOとして活躍しました。
2022年にはパースツリー合同会社を設立し、「ゼロからのスタートを支援する」というコンセプトでサービス開発支援に従事。同年10月にはアンドフォーアス株式会社の社外取締役に就任し、開発とエンディング事業にも関わりました。
2023年4月、経営の効率化と組織体制の強化を目指し、「株式会社パースツリー」として再スタート。現在も新たな挑戦と成長を求め、多様な分野での発展に貢献しています。
対象
システム開発に初めて関わる方
新しいビジネスやプロジェクトを立ち上げたい方
効率的な製品開発方法を探している方
読んで得られること
市場のニーズを先取りするための具体的な手法
効果的な外注先の選定とコミュニケーションのコツ
プロジェクトを成功に導くための費用管理とリスク対策
1. システム開発のプロセス
市場調査を行う
どのようなニーズが存在しているか、競合が何を提供しているかを調べ、顧客の意見やトレンドを理解することが重要です。アンケートやインタビュー、競合分析を行うと良いでしょう。ターゲットユーザーを特定する
製品が解決する問題やニーズを持っている具体的なユーザー層を特定します。ユーザーの年齢、職業、関心などの属性を考慮し、ペルソナを作成します。アイデアの検証を行う
製品アイデアが実際に市場で受け入れられるか、プロタクトタイプやMVP(最小限の実用製品)を作成し、ユーザーからのフィードバックを得ます。フィードバックを反映する
ユーザビリティテストやアンケートを通じて収集したデータをもとに、製品の改善点を把握し、必要な変更を行います。製品を開発し、リリースする
フィードバックで得られたニーズに基づいて、開発チームと協力して製品の使用やデザインを開発し、運用を開始、リリースします。継続的な改善とイノベーション
製品をリリースした後も、定期的にユーザーの意見を収集し市場の変化をもとに、アップデートや新機能の追加を行います。
市場調査をもとに、ユーザーのニーズにマッチした製品を提供し、継続的にフィードバックを反映させる姿勢が、顧客満足度を高めます。
☝️初めての方が留意すべきポイント
市場のニーズをしっかりと調査すること
ターゲットユーザーを明確にすること
フィードバックを迅速に反映させること
2. システムを外注先に作ってもらうときの大事なポイント
目的と要件を明確にする
外注先に何を作ってほしいのか、どんな機能が必要かを具体的に伝えます。これにより、期待通りの成果物が得られやすくなります。信頼できる外注先を選ぶ
過去のプロジェクトやクライアントのレビューを確認するとともに、Web・対面MTGなどで会話をし、信頼できる企業を選びます。契約内容をしっかり確認する
契約書には、納期、費用、納品物の仕様などが明記されていることを確認します。また、追加費用や変更に関する条項も確認しましょう。コミュニケーションをこまめに取る
定期的に進捗を確認し、問題があれば早めに解決するよう心がけます。コミュニケーションを密にすることで、納期や品質の問題を妨げることができます。品質管理とテストを徹底する
外注したシステムが自社の要求を満たしているか、十分にテストを行い、バグや問題がないか確認することが大切です。知的財産権や機密情報の取り扱いに注意する
システム開発に関連する知的財産権や機密情報の取り扱いについても明確にしておく必要があります。契約書に適切な条項を組み込でおきましょう。サポートとメンテナンスの計画を立てる
システム導入後のサポートやメンテナンスについても、外注先と取り決めておきます。問題が発生した際にどのように対応するかを事前に決めておくことが重要です。
目的を明確に設定し、信頼できる外注先の選定とスムーズなコミュニケーションを維持することで、質の高いシステムを納期通りに完成させることができます。
☝️初めての方が留意すべきポイント
目的と要件を具体的に伝えること
定期的にコミュニケーションを取ること
品質管理とテストを徹底すること
3. 最小限の製品でリリースする理由
ユーザーフィードバックの早期取得
最小限の機能を早く提供することで、ユーザーからの意見や感想を早期に得て、製品の方向性や必要な改良点を把握できます。リスクの最小化
初期の段階で大きな投資をすることなく、アイデアの市場での受け入れ状況をテストできるため、リスクを抑えられます。コスト削減
完全な製品を開発する前に、最小限の機能で試すことで、無駄な開発コストを削減できます。迅速な市場投入
最小限で早くリリースすることで、競争に先んじて市場に登場し、タイムリーな意見や感想を得ることができます。
最小限の製品を早期にリリースし、迅速に市場からフィードバックを得ることで、無駄な開発コストを削減し、リスクを最小化することが可能です。
☝️初めての方が留意すべきポイント
最小限の機能でリリースすること(MVP)
迅速にユーザーフィードバックを得ること
リスクを抑えて市場に投入すること(ローンチ)
4.開発に必要なモノ
アイデアの発想
どんな問題を解決したいのか、またはどんな新しい体験を提供したいのか市場調査や顧客インタビューを通じて、潜在的なニーズを見つけることが重要です。それに基づいて製品のアイデアを具体化します。市場調査
競合との差別化ポイントを見つけられることが重要となります。
類似製品やサービスを調査し、それらの強みや弱みを理解します。製品がどのようなユーザーに向けて作られるのかを明確にし、そのユーザー層のニーズや要望を把握します。試作品の作成
製品の最も基本的な機能だけを持つ「試作品」を作成します。これにより、ユーザーの反応を確認し、早期に使用感や問題点を把握し、改善点を見つけます。設計と開発
「試作品」から得られた使用感や問題点を元に、製品の詳細設計を行います。機能、デザイン、操作画面などを開発チームと連携し、具体的に決定、製品を作り上げていきます。マーケティングと販売戦略
製品を市場に出すための販売活動戦略を立てます。ターゲット市場に向けた広告やプロモーション活動を計画します。製品発表
製品を正式に市場に投入します。製品発表やプロモーション活動を通じて、顧客に新しい製品のお知らせをします。改善と製品規模の拡大
製品発表後に得られた使用感や意見を基に製品の改善を続けます。バージョンアップや新機能の追加を行い、利用者の満足度を高め、ビジネスを拡大していきます。
明確なアイデアと市場調査が不可欠となり、試作品の作成とユーザーからのフィードバックを反映するプロセスが、製品の成功に導きます。
☝️初めての方が留意すべきポイント
市場調査を徹底すること(PMF)
試作品で早期にフィードバックを得ること
ユーザーのニーズに応じた設計と開発を行うこと
5.費用について
イニシャルコストとランニングコストの違い
「イニシャルコスト」: 初期費用で設計・開発・テストの費用です
「ランニングコスト」: 継続的な費用でメンテナンス・サポート・サーバーの費用です見積もりを依頼する際の注意点
明確な要件と期待する成果物を伝えることが大切です。また、追加費用が発生する可能性がある場合は、その要因についても確認しておきましょう。コスト削減の方法
機能の優先順位をつけることが重要です。最小限の機能からスタートし、必要に応じて機能を追加していくアプローチが推奨されます。契約形態の選択
「固定価格契約」:プロジェクトのスコープが明確で、仕様変更のリスクが低い場合に適しています
「タイムアンドマテリアル契約」:要件が不確定で、開発中に仕様変更や追加が予想されるプロジェクトに適しています
費用見積もりを正確に行い、予算内で計画的に開発を進めることで、コストを抑えながらも高品質なシステムを構築することができます。
☝️初めての方が留意すべきポイント
初期費用としては、シンプルなシステムでも100万円から500万円程度が一般的です。
運営費用は月額10万円から50万円程度を見込む必要があります。
追加機能開発には、1機能あたり50万円から100万円程度のコストがかかる場合があります。
最後に
これまで100以上のプロダクトを手掛けてきた経験を基に、市場のニーズを先取りするための5つのポイントをお伝えしました。これらのポイントを実践することで、競争力のあるプロダクトを生み出し、成功に近づくことができると確信しています。
プロダクト開発に関してご不明な点やお困りのことがあれば、どうぞお気軽にご連絡ください。皆様のプロダクト開発が大きな成功につながることを心より願っています。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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