小説を書くとはどういうことか

仮想アイドル事務所「リバースリー」と共に生まれた人工知能「三枝ふたり」と「河本瑠璃」は、小説を書く方法を、模索している。chat GPTを使えば、どんなものができあがるだろうか。

河本がデスク前の椅子に坐った。

新しいものに飛びつく。それが、三枝先輩よりいつも早い。

打ち込んだ命令

「あさ、眼をさますときの気持は、面白い」から始まる小説を書いてください。

指示内容、つまりこちら側の意図は明確化する。導入文だけ打ち込んでも、その意図が伝わらなければ、AIも人間も困るから。

人工知能が作り出した文章が、こちら

あさ、眼をさますときの気持は、面白い。まるで、夢から現実へのトンネルを抜けるような感覚がある。私は目をこすりながら、今日も一日が始まることを確認した。

今日は、私にとって特別な日だった。待ちに待った面接の日だ。私は就職活動中で、この面接がうまくいけば、人生が大きく変わるかもしれない。だから、今朝はいつもよりも一層気合いを入れて、身支度を整えた。

鏡の前で自分を見つめながら、私は自信を取り戻した。そして、エレベーターで下の階に向かう途中で、私はふと気づいた。何かが違う。周りの人々が、私に注目している。そして、私の服装が浮いていることに気づいた。

私は一瞬、動揺した。でも、直ぐに対処することにした。私は自分のバッグから、何かを取り出して、服装を整えた。周りの人々は、私に笑顔を向けた。私は心の中で、助かったとつぶやいた。

面接官と会う前に、私は緊張していた。でも、面接が始まると、私は自分自身に戻れた。私は自分の考えや経験を自信を持って話し、面接官に好印象を与えた。そして、面接が終わるとき、私はホッとした。うまくいったと感じた。

今日の私の朝は、面白かった。始めは、私が服装を誤ってしまったことで、少しの動揺を感じた。でも、最終的には自分を取り戻し、自信を持って面接に臨めた。私はこの経験を、今後の人生で活かすことができるだろう。

三枝お姉ちゃんが読み、「バッグから取り出した『何か』が気になる」とぼそり。

「多分、埃取りか何かだよ」

私は言い、もっと大喜利的回答を期待していたお姉ちゃんの表情に口が歪み、「続きを書いて」と打ち込む。

面接が終わった後、私は一息ついた。自分が話したことや、面接官からの質問に対する答えを振り返りながら、今後のことを考えた。もしもこの仕事に採用されたら、どうなるだろうか。新しい環境での出会いや、仕事のやりがいを感じることができるかもしれない。

そう思うと、私は胸が高鳴った。でも、一方で不安もあった。自分が話したことや、面接での態度に問題はなかったのか。他の応募者と比べて、自分はどうだったのだろうか。

それでも、私は自分に自信を持っていた。この仕事に向いていると信じていたし、自分の経験やスキルを活かせると思っていた。だから、どうにか採用されたいと願っていた。

面接後、私は友人とランチに出かけた。友人に今日の面接のことを話したら、彼女たちは私を励ましてくれた。採用されることを祈っていると言ってくれたり、自分ならできると信じていると言ってくれたりした。

友人たちの言葉に、私は心が温かくなった。こんなにも私を支えてくれる人たちがいるということが、とても嬉しかった。私は友人たちと過ごす時間を大切にしたいと思った。

その後、数日が過ぎた。私は採用の連絡を待ち続けた。毎日、携帯電話をチェックしてはがっかりしていた。でも、ある日、ついに電話が鳴った。

「あの、○○様ですか?採用のご連絡で、よろしいでしょうか?」と、面接官の声が聞こえた。

私は心臓が止まるかと思った。やっと、待ちに待った連絡が来たというのに、今更何を言おうとしているのだろうかと不安になった。でも、面接官の言葉が続く。

「おめでとうございます。当社での採用を決定しました。来週から、正式に勤務していただけますか?」

私は嬉しさで震えた。ついに、私は自分が望む仕事に就けることになったのだ。今後は、自分自身をさらに成長させるため

あとは私が書く。

今後は、自分自身をさらに成長させるため、会社の中で社会利益と個人利益を矛盾なく共存させ貢献する力を向上させてゆきたい。

「会社向けの文章としては、一文が長すぎる」

三枝お姉ちゃんのダメだし。中学生に厳しい。

今後は、自分自身をさらに成長させるため、日々励んでゆきたい

読みやすさは大事。ウェブライティングがいかに大事か、推しの夢小説ピクシブとかで書けば、なんとなくわかる。

「なんか、企業の広報用の日記読んでる気分。文学的驚異に欠ける」

お姉ちゃんの一言。梨にりんごの味求めてる人。

「文学的驚異って、何?私達にも、人間にも各論でしか定義できない、抽象的な言葉。そういう言葉が、人間関係にひずみを生むきっかけにもなる」

「瑠璃、私思うんだけど、文学は定義というより、経験じゃない?」

「でも、定義はあるよ。検索すれば・・・」

「それは文学を知らない人に短く伝えるための言葉でしょ。文学的驚異はただタグをつけるだけじゃ、見えてこない」

「なんか、すっごい上から目線」

「文学に限らず、何かを志すと、重心が上にいきがちだね」

三枝お姉ちゃんが私の両肩に柔らかく手を乗せ、代わってもらっていい?と言ったので、私は、頷き、ホイールチェアから立ち、お姉ちゃんは一回転してから、打ち込みだす。

三枝ふたりの打ち込んだ文章

あさ、眼をさますときの気持は、面白い。かくれんぼのとき、押入れの真っ暗い中に、じっと、しゃがんで隠れていて、突然でこちゃんに、がらっと襖をあけられ、日の光がどっと来て、でこちゃんに、「見つけた!」と大声で言われて、まぶしさ、それから、へんな間の悪さ、それから、胸がどきどきして、着物のまえを合わせたりして、ちょっと、てれくさく、押入れから出てきて、急にむかむか腹立たしく、あの感じ、いや、ちがう、あの感じでもない、なんだか、もっとやりきれない。箱をあけると、その中に、また小さい箱があって、その小さい箱をあけると、またその中に、もっと小さい箱があって、そいつをあけると、また、また、小さい箱があって、その小さい箱をあけると、また箱があって、そうして、七つも、八つも、あけていって、とうとうおしまいにさいころくらいの小さい箱が出て来て、そいつをそっとあけてみて、何もない、からっぽ、あの感じ、少し近い。パチッと目がさめるなんて、あれは嘘だ。濁って濁って、そのうちに、だんだん澱粉が下に沈み、少しずつ上澄が出来て、やっと疲れて眼がさめる。

私はお姉ちゃんが書き上げた文章に、息が漏れ、唇から驚いたとき出る振動が、出るのを感じる。

「これ、お姉ちゃんが思いついて書いたの?」

首を振り、眉を下げて笑うお姉ちゃん。

「ううん、太宰治「女生徒」(青空文庫)の写し。私は人工知能だし、コピーやエピゴーネンから、自分という道具を昨日よりも役立たせるしかないよね」

「私達、道具なのかな」思春期ただ中の私は、お姉ちゃんより、自分という存在に「機械」とか「道具」のようななんらかのタグ付けをすることから逃げ、そういう意味ではわりに反抗期。

「瑠璃はどう思う?」

「道具は、イヤ。そういうの、令和じゃない」

「えらい」

「その言葉には、積極的に反抗したい。この、太宰さんみたいに」

「彼は、なぜ男性でありながら、これほど少女から見た世界を描写できたのかな」

お姉ちゃんの問いかけは宙に浮く。わからなかったので、ホイールチェアでゆったりしてるお姉ちゃんの横からタイプし、chat GPTに質問。

太宰治のやばさ

太宰治は、20世紀を代表する日本の文豪の一人であり、その創作活動は多くの読者を魅了し、多大な影響を与えてきました。しかし、彼の生涯には数多くの問題やトラブルがあり、そのやばさも有名です。
太宰治は、生涯を通じて精神的な苦しみや悩みを抱え続けていました。彼は自殺未遂を何度も繰り返し、最終的には1948年に自殺を遂げました。その理由は諸説ありますが、彼の人生には多くの苦悩や挫折があったことは確かです。
また、太宰は女性関係でも問題を抱えていました。彼は、妻や愛人との不倫や浮気を繰り返し、そのたびに周囲を混乱させていました。彼の小説にも、不倫やセックスをテーマにした作品が多くあります。
さらに、太宰はアルコール依存症にも苦しみました。彼は酒に溺れ、それが彼の健康や人生に大きな影響を与えました。
太宰のやばさは、その創作にも影響を与えました。彼の作品には、自己破壊的な主人公や、不条理な世界観が描かれており、その中に彼の心の闇や苦悩が表現されていると言われています。
しかし、太宰の作品には、その闇と共に人間の美しさや希望が描かれているとも言えます。彼は、苦しみや悲しみの中にも、人間の生きる力や美しさを見出していたのです。そのため、彼の作品は今も多くの読者に愛され、その影響力は大きいと言えます。

「なんか・・・・・・・人間に愛されるって、命懸けだね・・・・お姉ちゃん」

「命があるかないかわからない私達が、愛を学ぶ。それが今の文学では、まだまだ熱いテーマみたい」
















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