キラッ✨メンタルDNA・CELL・BODY 情報伝達-物質伝達 〜創造と消滅と境界線〜
執筆:ラボラトリオ研究員 きむら真
前回の記事
<キラメンタル✨DNA・BODY〜>では
器官、臓器がちがえば
それを構成する
細胞の中の遺伝子発現パターン
(DNA設計図からRNAへと転写されるパターン)
がちがう
というお話をさせていただきました。
細胞の活動は
・ある司令を持った情報または刺激が細胞に届く
・情報に基づいたDNA設計図情報をもとにした
RNAの創造
・RNAは分子として機能を果たすと
RNase(アールエヌエース)という酵素で
消化され細胞内から消滅
つまり、
・創造の司令〜伝達
・創造
・消滅のプロセス
という3つによって
人の体の役割を果たすように
細胞内の遺伝子発現パターンが調整されます。
皆さんは
転んで膝を擦りむいた時に
傷口の細胞に
「さあ、今、細胞分裂するために
DNA複製酵素の設計図から
RNAに転写して!」
とイメージしたり、口にして
細胞に命令したことがありますか?
たいていの場合
自然に傷口は治っていたでしょう。
遺伝子発現のパターンの中には
イメージしたり、口に出したりしなくても
私たちの体の中、細胞の中で
コントロール・制御されています。
細胞外からの司令としては、
・生体内で創られたホルモンなどの物質
・生体外分子
・物理的な力
などがあげられます。
皮膚に傷口ができる
↓
物理的な変化
細胞の破壊による生化学的変化を検出
↓
細胞分裂を開始させるホルモンの合成
RNA合成-タンパク質合成
↓
ホルモンを細胞外に分泌
↓
細胞表面(境界線)にある
受容体(レセプター)がホルモンと結合
↓
増殖司令ホルモン信号が
細胞内から細胞核の設計図
DNAへ届けられる。
具体的には
転写因子と呼ばれるタンパク質が
特定のDNAに結合し
RNAが合成される。
↓
細胞分裂をスタートするタンパク質の合成
細胞と外と中を分ける境界線には膜があり、
その表面には細胞外にある
特定の情報や物質を中に取り入れる
「受容体」や「チャンネル」と
呼ばれる分子があります。
図のように細胞は
細胞内・外を分ける膜、
細胞内の部分を分ける膜、
細胞質と核を分ける膜、
境界線が存在しています。
膜を物質が通過するかしないかが
情報の伝達のオン・オフの
制御の第一段階となります。
司令のスタート
リガンド物質が細胞の外に現れる
↓
細胞の膜をリガンド物質・情報が通過し中に入る
↓
情報を伝達する物質が細胞質から核内へ移る
↓
情報伝達複合体が、転写因子と呼ばれるタンパク質複合体が
特定のDNA配列に結合し
指定する遺伝子の転写量を増やす。
これが遺伝子スイッチ オン・オフのサイクルの一つです。
遺伝子スイッチのオン・オフは
生物現象全てに関わっているようです。
意識はしていないけれども、
たくさんの分子の反応、移動がありますね。
「細胞の膜・境界線を分子が通過すること」は
顕微鏡を使わないと目に見えないサイズで
私たちの体の中でおきている現象ですが、
境界線を越えることは
細胞のような小さなミクロレベルだけでなく
日常生活にもあるようです。
・家の境界線から外に出て、
そして、家戻って中に入る。
・「できないかもしれない」という限界の外に出て挑戦して、
行動の結果の中に入る。
最近、外に出れなくて
体の境界線が膨らんで「太る」という現象があるような。。。
このような物理的な境界線もあれば
太ることを気にする
筆者の心にも境界線があるかもしれませんね。
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【きむら真(生命科学博士)プロフィール】
鳥取大学医学部卒業、同大学院博士課程修了。
理化学研究所、長寿医療研究センター、ロズウェルパークがん研究所研究員。
日本大学医学部助教を経て、細胞、遺伝子検査、自律神経系、心理調査測定からエビデンス・科学データ解析結果を提供し、健康・心・意識をよりよくするサポートを提供する、サイエンスコンサルタント。
DNA研究~意識科学研究を日常生活や企業活動に実践することで、一人一人の能力を発揮できるストレスフリー、制限フリーな個人、組織づくりをお手伝いをしています。
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