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新・<人工知能>開発ロマン Vol.5

執筆:ラボラトリオ研究員  杉山 彰

「遺伝的乗っ取り」がすでに起こっている・・・

 この時点で、遺伝子データを支配しているDNAと、文字データを支配している人間文化との間に、遺伝的乗っ取りである “ジェネテック・テイクオーバー” は起こり得ないだろうか。

 じつは、ジェネテック・テイクオーバーは起こっているという説がある。この説に関してもフリーマン・ダイソンは、次のように記述している。

“あらゆる種は、その遺伝子たちの定める枠に閉じこめられ、それらの遺伝子たちが生き残れる確率を最大限にすることを前提として成長し行動することを強いられている。生物の個体は、それらの遺伝子が命令することをしなければならない。これを遺伝子が行う専制システムという。しかし、この専制システムは数十万年前からホモ・サピエンスという、ただ一つの種によって打破されてきた。我々、ホモ・サピエンスである人類の行動パターンは、今では、かなりの程度まで遺伝よりは文化によって決定されている”

さらに次のように記述している。

“たとえば、この事実を証明する現実として、我々のDNAである遺伝子が血友病の子供を死なせることを告げても、我々の文化は、この子どもを死なせるべきではないと告げれば、結果的には、その血友病の子供は遺伝子の命令に反して生存し続けるという事実が存在する。この場合、我々の専制者は、すでにDNAである遺伝子ではなく、文化遺伝子(ミーム)である”

 ちなみにこの文化を象徴するモノとして存在するのは文字や言葉によって生成される知識(経験知)であることは言うまでもない。

 ここで、以上の話をさらに飛躍させるのならば、DNAの遺伝子を構成しているモノは炭水化物合成物体であり、その象徴として存在する原子記号はCの炭素である。文化の文字を蓄えているモノは既に紙ではなく、USBやSDカードやハードディスクを内部・外部記憶装置とするLSIであり、その象徴として存在する原子記号はSiのシリコンである。

(つづく)

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【杉山 彰(すぎやま あきら)プロフィール】

◎立命館大学 産業社会学部卒
 1974年、(株)タイムにコピーライターとして入社。
 以後(株)タイムに10年間勤務した後、杉山彰事務所を主宰。
 1990年、株式会社 JCN研究所を設立
 1993年、株式会社CSK関連会社 
 日本レジホンシステムズ(ナレッジモデリング株式会社の前身)と
 マーケティング顧問契約を締結
 ※この時期に、七沢先生との知遇を得て、現在に至る。
 1995年、松下電器産業(株)開発本部・映像音響情報研究所の
 コンセプトメーカーとして顧問契約(技術支援業務契約)を締結。
 2010年、株式会社 JCN研究所を休眠、現在に至る。

◎〈作成論文&レポート〉
 ・「マトリックス・マネージメント」
 ・「オープンマインド・ヒューマン・ネットワーキング」
 ・「コンピュータの中の日本語」
 ・「新・遺伝的アルゴリズム論」
 ・「知識社会におけるヒューマンネットワーキング経営の在り方」
 ・「人間と夢」 等

◎〈開発システム〉
 ・コンピュータにおける日本語処理機能としての
  カナ漢字置換装置・JCN〈愛(ai)〉
 ・置換アルゴリズムの応用システム「TAO/TIME認証システム」
 ・TAO時計装置

◎〈出願特許〉
 ・「カナ漢字自動置換システム」
 ・「新・遺伝的アルゴリズムによる、漢字混じり文章生成装置」
 ・「アナログ計時とディジタル計時と絶対時間を同時共時に
   計測表示できるTAO時計装置」
 ・「音符システムを活用した、新・中間言語アルゴリズム」
 ・「時間軸をキーデータとする、システム辞書の生成方法」
 ・「利用履歴データをID化した、新・ファイル管理システム」等

◎〈取得特許〉
 「TAO時計装置」(米国特許)、
 「TAO・TIME認証システム」(国際特許) 等


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