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半端な年頃

散髪をした。
容姿を作るためのイベント。今日はなんだか自意識と客観視が交錯するそのちょうど交わったところを探した。

交わりがずれたときに年齢相応じゃないという事故が起こる。しかも自分が気づかないうちに事故が起きたりするから厄介だ。

振り返ると。
この半年は坂本龍一のようにして欲しいと美容師さんにはお願いしていた。
半年やってきて分かった。まだ早かった。やってみるとわかることある。やらなきゃわからないことがある。事故していたことに気づくには半年かかるんだ。

今日は1年前くらいにしてもらっていた時に戻してもらうようにお願いした。

数十分後、鏡の前には気恥ずかしい顔をしている僕がいた。
交錯するところの手前側に位置していた。好きなのだが好きと言っている自覚がない自分がいることも同時にわかった。明確にわかった。

これは精神年齢を上回って若くなっている。若いなんて自意識に過ぎないのだがその精度は高い。何度も何度も繰り返したことだから、間違えるはずがない。

恥ずかしい顔をした鏡の中の僕。嬉しい顔もしていた。
僕の嬉しそうな顔を見ていて、僕も嬉しかった。

送り出せる頃にはとても気に入っていた。本当はスキップしたかったくらいに。

僕は自意識と客観視の交錯した世界の向こう側へいっていた。

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