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【 最終回 】 スキマ的風景 vol.5 by NATUMI

日常のスキマに挟まったちょっと気になる場面、ほんの少しの「切なさ」「おかしさ」を含んだ瞬間。そんなスキマ的景色。連載『スキマ的風景』では、私 NATUMI が惹かれる「スキマ的」なものごとを紹介していきたいと思います。


8年くらい前、20年ほど過ごした実家が引っ越すことになりました。
その頃私は一人暮らしをしていてほとんど手伝わず
最後に実家に帰ったのは引越後、空っぽの状態になってからでした。

この部屋はもう次に住む家族が決まっていて「私たち家族の部屋」から
誰かの「これから住む部屋」になりかけていました。
変化のタイミングで現れる「スキマ的景色」は
元の状態と次の状態がどちらも長いほど、
一瞬であることが強調されて魅力的だなと思います。

でも、もしかしたら一瞬ではなくて
「私たち家族の20年」と「次の家族のX年」のスキマに現れた空っぽの部屋は
「私たち家族」と「次に住む家族」どちらにも属さない
ただのからっぽの部屋として今でも時間のスキマに存在し続けていたりして。

そんな部屋に現在の私が愛犬が連れて遊びに行き、
こっそり過ごしているところを想像して描かきました。

今回の個展ではこんなエピソードが含まれている作品たちを集めていますので、
会場で想像しながら観ていただけたら嬉しいです!


連載は全5回、これにて最終回です。
ご覧いただきありがとうございました。

NATUMI
1990年生まれ、女子美術大学卒業。
2021年 パレットクラブスクール イラストコース卒業後、デザインの仕事と並行してイラストレーターとしての活動を本格化。空想を織り交ぜた日常の景色を得意としています。最近では愛犬をモチーフにした作品も。
2021年 第17回 TIS 公募 金賞受賞。
https://natumiillustration.tumblr.com
https://www.instagram.com/natumi_illustration

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