読むラジオ耕耕 #11 『サボることすらコンテンツ』
💁 こんなひとにオススメ:歳の離れた人付き合いが苦手、何かをやりたいけれどなかなかがんばれない⋯。
歳の差なんて関係ない?
加藤:前回の放送では Instagram のストーリーズでリスナーの方にも意見をもらいましたね。「結局、年上と言ってもひとによりけりだよね」みたいなところが大きいという話に。ただキャットカフェさんが抱えているトラウマに対してぼくらがかんたんにアドバイスを送るのは難しいと思うんですね。
星野:確かに。
加藤:なので今週は似たような立場になった時、例えば星野くんだったら10歳も20歳も年上のぼくらおじさんたちとどう接してきたのか、そして逆にぼくらおじさんは、どういう風に若者を受け止めているのかっていうのを、ぼくらの言葉で話していこうと思います。そもそも星野くんは年上、嫌いじゃない?(笑)
星野:嫌いって言った瞬間、このラジオが成り立たないですよ(笑)。
加藤:ぼくが20代の頃は年上すごく苦手だったけどね。説教くさいというか。まぁ今でも得意ではないかな。それは同性だろうと異性だろうと苦手。異性の方がまだ話しやすいかなって感じで。
星野:ぼくはどちらかというと年上の人はすごくラクというか、年上の人の話には興味がありますね。
加藤:うん。好きそうだよね。きっかけは?
星野:年上の人としゃべることのおもしろさに気付いたのは、成人式の日に初めて行ったバーでマスターと話したのがきっかけでした。接客の得意なマスターとカウンター越しに会話をすると、結構『年上慣れ』できると思います。カウンター越しに話しているので、波長が合わなかったら店を出ればいいし、カウンターの他のお客さんに絡まれそうになった時はマスターが助けてくれたりしますし。お店にもよると思うんですけどね。何よりバーのマスターは、話がおもしろい人が多いと思います。
加藤:話おもろくないマスターの店で飲みたくないなー(笑)。でも、年上と話をするメリットって、話がおもしろいっていうのと、知識や経験を学べる以外にあるのかな⋯? 気は使うし、えらそうなひと多いし⋯デメリットの方が多い気が⋯。
星野:厳しいですね(笑)。でも確かに言われてみるとそうかもしれません。あとはおごってもらえるとか⋯。
加藤:そうだね(笑)。まぁ何が言いたいかっていうと、おじさんがイヤというわけではなく、年上と話すことが大事とも思わないし、年齢の差はあまり関係なくて、話していると学びになって、おもしろいなって思える人なら、年齢に関わらずコミュニケーションしたいよねっていう。年下だってフィールドが違えば見えている世界も知識量もちがうわけで。それに経験則があるからって話がおもしろいわけでもなく。逆に年下の方が、ぼくらおじさんが知らないことを知ってるよね。
星野:年齢はそんなに関係ないかもしれませんね。
加藤:例えばこのラジオの場合は、少なくとも星野くんが、年上のぼくの話を聞いて栄養を得ていて、ぼくもこうやって若い人に話を聞いてもらうことで、自分のことを客観的に見たりできるから、歳の差があっても成り立っていると思うんだよね。損得勘定や利害関係て言ったら寂しく聞こえるけど、付き合いの長い友人とでもいかない限り、少なくともそういったギブ&テイクな関係はあるじゃんね。これ、録音しているからいいけれど、録音していなかったらただの飲み友達のおじさんだから(笑)。
星野:年上のひとと話すのって好きですけど、結構気は使いますからね。
加藤:ぼくの経験で言うと、20代の時は自分より10歳も離れた大人の言うことなんかひたすら聞かなかったね。気を使わないどころか、仲間とスクラム組んで自分たちの世界を大人から守ろうと必死だった。言い合いのケンカもした。18歳上のひととラジオするなんて当時は考えたことなかったね。
星野:ケンカ(笑)。向き不向きもあるかもしれませんね。
加藤:そうだね。年上にいろいろ教えてもらって自分の人生を切り開いていく人もいれば、同世代とスクラム組んでぼくみたいに意固地になって人の話なんて聞かずに突き進んでいく人もいる。若い時に「もっと大人の話を聞いておけばよかった」と思うこともあるけど、聞いて来なくてもいま好きなことやれているし、さほど問題じゃなかったような気がするというか。知識なら本を読めばいいし、おもしろがりたいなら映画を見ればいいし、『先人たちの教え』はいろんなとこに散らばっているのに、あえて変なおじさんに会う可能性やリスクを自分から高める必要はないのかなと(笑)。
星野:いい年上と出会いたい気持ちはありますけどね。
加藤:うん、もちろん。なのでラジオネーム『キャットカフェ』さんがこのラジオを聞いて、もし年上とのフィジカルなコミュニケーションを求めるなら、まずはいろんな世代のひとが集まる PARK GALLERY とか PUNIO とか、信頼できそうなところから少しづつ遊びにきたらいいよ。そこにもし信頼できる大人がいたら寄りかかってみる(自分の話もしてみる)とか。もちろん星野くんみたいにいきなりバーに飛び込んでみてもいいしね。自分で「帰る」という選択肢ができる空間なら、バーもいいと思う。
星野:危険な目に遭わないために、信用できる大人か見極めるのも大事だと思います。ぼくの中では「利害関係で判断しようとする人」が判断基準な気がします。若者たちが何かやりだしたらそれを利用しようと近づいてくる人とか、自分の舎弟にしたくて近づいてくる人もいます。
加藤:でも確かに見極めは大事だけど、「赤色の服を着てるひとには近づくな!」とか、外見でわかりやすいものじゃないからニュアンス難しいよね。そういうひとって顔つきっていうか、目とかがちがうとは思うんだけど。
星野:感覚的なものですよね。
加藤:それでいうと「一回話を聞いてくれるひと」とかは判断基準になると思うよ。耳を傾けてくれるひとというか。自分の話ばかりしているぼくみたいなひとは気をつけた方がいい(笑)。でも、詐欺師みたいなやつもいるしな⋯。基準やマニュアルがないから、これ以上はもどかしいね。どうでしょうこんな回答で。
星野:言いづらいことだったと思いますが、キャットカフェさんお便りありがとうございます。
何もしないを、する
星野:もう1通お便り届いてます。
加藤:まあ⋯「がんばれ!」ていう(笑)。がんばるしかないよね。お前は丸まっている場合なのか !?
星野:厳しいですね〜(笑)。でも、ぼくもぽこちゃんさんの気持ちはわかるんですけどね。
加藤:もちろん。気持ちはわかるんだけどね。
星野:このお悩みに対する回答も、Instagram で事前にリスナーさんから届いているので紹介していきます。
加藤:このふたりの回答に共通してるのは「何もしないをする」ということですね。何もできてないことでも意味や価値があるということを言ってくれてますね。大事だと思います。
加藤:好きなこととか趣味が見つかると、その時間いても立ってもいられなくなって、いつの間にか動いていたりとか。丸くなってる場合じゃないって気づけたりとかするのかも。
加藤:なるほど。ぽこちゃんさんは何もやっていないんじゃなくて、みんなよりもすごくがんばっているからガソリンが切れちゃってる状態なんじゃないか、ということだね。
加藤:これは同意見ですね。ぼくもよくやります。10分でも20分でもがんばってみる。
星野:引き続きリスナーさんも一緒にお悩みに対して考えていければと思います。
夢に向かって時間と目標を断捨離する
加藤:でも実際、ぽこちゃんさんの悩みに対して星野くんはどうなの。仕事も忙しくなって、PUNIO もあって、ちょっとした休みの時もやらなくちゃいけないことがあるわけじゃん。疲れててできないとか、頭ではやらなくちゃいけなとわかっているのに体が追いつかない時とか、ついつい甘い誘惑に誘われたりすることはあると思うんだけど。何かしなきゃいけないんだけれど何もしたくない時、どうしてる?
星野:実は最近、この問題に関して吹っ切れたんですよね。というのも学生の時はこういうぽこちゃんさんみたいな気持ちにすごくまどわされていたんです。「やるぞ!」って決意した日に、結局1日中 YouTube をみて、すっごい後悔するみたいな。
加藤:スマホの中に世界が収まっちゃう日だね。
星野:そうなんです。でもそれをどうやって変えたかというと『断捨離』なんですよね。それはいわゆる物を捨てる話ではなくて、自分の将来の選択肢とか、人間関係についての『断捨離』を行ったんです。
加藤:気持ちの整理という感じかな。
星野:時間の整理という感じですかね。以前までは、自分の『ひとりの時間』の優先順位が1番低くて、会いたいと言われたり、誘われたら会いに行っていたというか、とにかく空いている時間があればそこに予定を詰めていたんですけど、ひとに会うペースを調整するようになりました。今まで月イチで会ってたひとと半年に一回しか会えなくなったり。
加藤:なるほど。卒業してなかなか会えなくなったひともいるというのもあるのかもね。
星野:それと、前までは自分のやりたいこととか、目指していることがいっぱいあるのでいろいろなことに視野が向いていたんですけど、いくつかの夢や目標は諦めて、「もっとワクワクして夢中になれることだけに集中する!」と決めてからは、丸くなりながら YouTube を見て1日終わるなんてことがなくなりましたね。
加藤:諦めるというとさみしく聞こえるかもしれないけれど「数より質」を選んだってことだよね。時間や目標の断捨離をしていくつかの夢に集中することで解像度があがって見えてくるような。それはいいね。
星野:そうなんです。大切なものをちゃんと見極めて、大切にしようっていうマインドになったんですよね。
加藤:いいねそれ。40代にしてぼくもやってみよう⋯(笑)
星野:ぜひ! 遊びの誘いとか、断るのは結構勇気いることですけどね。
加藤:ぽこちゃんさんがやりたいことがいっぱいあるタイプなのか、あんまりないのかにもよるけれど、『断捨離』試してみるのもいいのかも。もしあんまりやりたいことはなくて、捨てるものもないのであれば、リスナーさんのアドバイスにもあったけれど、趣味を見つけるのがいいと思う。そのためにはやはり立ち上がってみて、いろんな場所に首を突っ込んで、実際に触れてみることは大事だと思う。絵だったら描いてみる。写真だったらカメラを持って外に出てみたりすることが解決につながるかもしれないよね。Youtube で見た映像の感想をブログに書いてみるとかね。
サボることすらコンテンツ
星野:加藤さんは、そういう時どうしていましたか?
加藤:ぼくは、休めるときにまとめて休んで、やるときにまとめてやるタイプです。ただ、単純に切り分けているわけではなく、休むことと仕事をすることの垣根をなくしてるかな。ぼくらが20代の時は Youtube なんてなかったから、1日中録画したお笑い番組をダラダラみていたりするだけなんだけど、テレビ番組だって誰かの作品なわけで、エンタテインメントだから、そこからアイデアが降ってくることもあるし、学ぶことってたくさんある。その代わりじゃないけれど、ダラダラしてる自分をブログに書いて発信したり、見たテレビのレビューを書くことで文章の練習をしたり、Twitter につぶやいて誰かとつながろうとするっていうことはやっていたかな。そうするとダラダラした休みの体験がコンテンツになる。
星野:なるほど! それさえもおもしろがるってことですね。
加藤:例えば町中華に行って、昼間から餃子と瓶ビール飲んで、家に帰ったらテレビ見ながら気持ちよくて寝ちゃったとか、そういうどうしようもない休日があるとしたら、それがいつか小説のワンシーンになるんじゃないか、みたいな考え方にシフトするんだよね。自分の怠惰な生活もメモしておいて、誰かに話したり、自分で脚色して1つのネタにしていくことで『サボることすらコンテンツ』にしていく感覚だね。
星野:めちゃくちゃかっこいい(笑)
加藤:そういう気持ちでやってきたし、ぽこちゃんさんみたいな時期の方が長かった。だからぼくだって常にがんばれていたわけじゃないけど、でもこうして好きなことやれてるし。そんなに嫌な人生じゃないですよー。というわけで、今日はこの辺で終わりたいと思います。またみなさんも気軽にお悩み相談してください(よむ耕耕ユーザーも遠慮なく送ってくださいね!)
\ 今週の1曲 /
ぽこちゃんさんやあの時のぼくの、
休日の堕落したムードが曲になってると思います!
(かとう)
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