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【 ZINE REVIEW 】 COLLECTIVE エントリー ㉑ ぴゅるりんこよしだ。 『MOYAMOYA FLOWER』(東京都杉並区)

これからイラストレーターや写真家になりたいといってパークに来てくれるひとたちによく聞かれるのは、「何を描けばいいですか」、「何を撮ればいいですか」という質問。こればかりは正解は存在しないですし、イラストや写真の中でもさらに細分化されている世界なので、一概には言えないけれど、「それを探すために1つのテーマで作り続けてみるといいかもしれない」ということは言うようにしています。

興味の赴くままあっちゃこっちゃにいかないで、テーマでターゲットを絞って、でもとにかくそのテーマのモチーフは毎日描くか、撮る。そうすると、いつか、これ好きかも、または、これいやかも、って思うかもしれないし、ほぼ反復して感じるような制作の、連続の中に得体のしれない歪みを発見したりする場合があったりします。アスリートが自分の体調不良に気づくためのルーティンと言えばわかりやすいですかね。『てぐせ』というやつが見えてくるので、自分の『向き不向き』が見えてきます。それがたまったら人に見せて、その人が分けてくれる言葉が、『作家』を形成していくように思います。

ZINE の制作に取り掛かるのも、上の話によく似ています。1つのテーマで1冊の本を作る過程で、見えてくるものはおんなじようなことだと思います。オススメです。

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日頃から感じるもやもやを架空の花で表現

今回紹介するのはイラストレーターのぴゅるりんこよしだ。さんによる ZINE『MOYAMOYA FLOWER』は、「なんかかわいくてちょっぴしへん」をコンセプトにするよしださんならではの青がまぶしい1冊。日頃から抱えている頭の中の『もやもや』を、架空の花に変身。メドューサでいうところの蛇のごとく、「もやもや」と咲き誇る花というのも変な表現ですが、言い得て妙。いつしか花が自分の意思を持って、持ち主を支配してしまいそうな不安げなところも、もうもはやもやもやを通り越してこれはもう怒りだろうと思えるような感情の起伏がみていて面白い。

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1つのテーマで連続した花の作品を描いてみて、彼女が自分の絵の中に何を見つけたのかがとても気になる。いつも寄せてしまう好きなラインやシルエットがきっとありそう。もしくはポップだけではない少しダークでサイケデリックな面も見ただろうか。

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ZINE を「自分の好きなもの、表現を詰め込んだ缶詰のようなもの」と表現する彼女。アルミの帯にくるまれたこの ZINE『MOYAMOYA FLOWER』もまさに、ぴゅるりんこよしだ。という少し変わったペンネームのおいしさがギュッと詰まった缶詰のような作品です。彼女のインスタにも好きが詰まってます。ぜひ見てみてください。


レビュー by 加藤 淳也(PARK GALLERY)


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作家名:ぴゅるりんこよしだ。(東京都杉並区)
【なんかかわいくてちょっぴしへん。 】をコンセプトにネガティブなこと、もやもやした感情をポップに表現した作品をおもに作っています。
https://www.instagram.com/pyururinko123
【 街の魅力 】
アットホームな雰囲気で商店街なども活気があってとてもいい街です。
【 街のオススメ 】
① 喫茶店gion ... レトロな雰囲気のとても可愛い喫茶店で置いてあるインテリアや小物がとても可愛いです。こちらのワッフルとミルクティーがおすすめです。中にはブランコがあってゆらゆら揺れながら満喫できます。
https://npty.nomaki.jp/coffee

② キッチン男の晩ごはん(定食屋) ... 大盛りで安く美味しく食べれるご飯屋さんでとても好きです。 
https://tabelog.com/tokyo/A1319/A131905/13058609




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