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ビーチ用アウター

日本の服屋で見かけた記憶があまりないのは、私の海水浴への興味が薄かったから?パレオとかタオル地のフーディーが売られているのはもちろん知っていたけれど、薄いコットンのコートとかジャケット風の羽織りって、水着売り場にあったっけ?

今年に入って2着も買ってしまったのだが、ヴィンテージのビーチ用アウターが街着としてこんなに優秀だとは思わなかった。

なかでも1970年代のMicMac St.Tropez(女優ブリジット・バルドーと半年だけ結婚していた富豪のプレイボーイGunter Sachsが1968年に創業したブランド)のビーチコートを、とくに気に入っている。

浴衣とガウンの間を取ったようなデザインで、袖は七分丈。
共布でベルトがついていたはずだけれど、私が入手した時にはすでに紛失していた。大きなポケットがついているのがうれしい。

コットンニットやデニムジャケットを着るには暑いけれど、半袖1枚で出かけると寒いかも、という微妙な気温のときにこれを羽織る。薄くてかさばらないから、暑くなったら畳んでバッグにしまえばいい。

この形で無地の地味な色だと魅力を感じないところだが(スターウォーズのジェダイのコスプレみたいになりそうだし)、薄紫、珊瑚色、山吹色、空色、墨色の組み合わせの大胆なモチーフに心を射抜かれた。

試着する前から似合うという確信があって、鏡の前に立ったときには体じゅうの全細胞が拍手喝采した気がしたものだ。親しくしている売り主にも「絶対にこれを買うだろうと思っていた」と言われた。こういう出会いはうれしい。


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