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給料を3倍にしたフォード社なりの『社会問題の捉え方』

環境問題、人権問題、差別、ウイルス、社会には様々な問題があります。それらは一見悪に見えますが、歴史を振り返ってみると意外な事実に気づきます。

それは…

新しいモノやサービスはいつも『社会問題』から生まれる

と言うことです。

ネガティブなものとして捉えられがちな『社会問題』を、逆にチャンスと捉えることで新しいモノやサービスは生まれてきました。


▼「社会問題」を活かしたフォード社

車で有名なフォード社は、そんな『社会問題』を活かすことに成功した企業です。同社は『低賃金に悩むアメリカの労働者という社会問題』を活かし、彼らに高収入を提供することで大きく成長しました。

同社がこれを行なったのは第一次世界大戦前のアメリカ。当時、過酷な労働環境と低賃金のために失業率が極めて高く、人を雇ってもすぐに辞めていくばかりでした。特に同社はベルトコンベア式の単純作業ということも相まって、6万人雇っても1万人しか残らないような労働環境です。

この問題に対して、同社は当時のアメリカの平均給与の2倍から3倍の給与を支給することを決めました。

結果、辞めるものはほとんどいなくなり、新規の就職希望者も押し寄せるようになりました。そうなると新人を教育するコストを抑えることにもつながります。異例なまでの賃金の引き上げが、結果的に総労働コスト節減につながったのです。

もっと言えば、これを見た他者がフォード社の真似をして賃金引き上げを行います。そうした連鎖によって『アメリカの低賃金という社会問題』が根本から解決されることになったのです。

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▼世の中のサービスの多くは『社会問題』から生まれた

フォード社の例が伝えているのは、『社会問題は活かせる』ということです。『失業率が高いという問題』を問題のママ終わらせるのではなく、問題の原因を冷静に分析し、どうすればそれを活かすことができるのか考えること企業は成長します。

世の中のモノやサービスは『社会の問題』を解決するために生まれてきました。

ガスは『生産性の低い問題』を解決するため
電気は『暗闇という問題』を解決するため
電車は『移動時間の問題』を解決するため
新聞は『情勢がわからない問題』を解決するため
デパートは『物が溢れた問題』を解決するため

『社会問題』と聞くとネガティヴに捉えられがちですが、それをポジティブに捉えてみる、機会と捉えてみる、そうすることで新しい可能性を過去の偉人は見つけてきました。


▼補足 かつてのフォード社のようなユニクロ

2013年、ユニクロが「世界同一賃金」を採用したのは大きなニュースとなりました。柳生社長は『国籍によって給与が異なるという問題』に着目したと考えています。

どれだけグローバルに展開していても、国籍や生まれによって給与には差が出てしまうもの。特にアジア圏にも事業を拡大するユニクロであればそれは顕著だったと思います。同じ働きをしても国によって給料に違いが出るとどうなるか。

高い給与が貰える人は満足しますが、実力があっても給与が上がらない環境で働く人にとっては嬉しくない。

『そんな問題』を解決するためユニクロは世界同一賃金を採用しました。

結果、それは社員の意識を向上させました。社員にとってライバルは世界中となるからです。ローカルでの戦いでなく、グローバルで成果を上げなくてはならないという意識が一人一人を成長させ、ひいてはユニクロという企業が成長するきっかけとなったのでしょう。

フォードもユニクロも『社会問題』を『悪』と捉えずにチャンスと捉えることで、さらなる成長を実現したのだと思います。


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