見出し画像

10−1:仕事と労働

あなたは何のために仕事をしていますか?

こう聞かれると、一人一人異なる想いが浮かぶでしょう。「たくさんのお金を稼いで家族を幸せにしたい。」「あまり働かずに最低限生きられるお金があれば良い。」「自分のビジネススキルを磨きたい。」などなど。「会社のために身を粉にして働きたい」という考えだけを持って働いている人は少ないと思います。

一方、会社はどう考えているのでしょうか。真っ当なビジネスを行う会社であれば、「より多くの顧客の欲求を満たし、会社の発展をしていきたい」と考えています。

ここで言いたいことはつまり、個人と会社の仕事に対する目的は全く異なるということです。

画像1

個人は「自分の目的のために」仕事がしたい。会社は「顧客の欲求を満たす目的のために」仕事がしたい。この相反する目的のために、2つの解決困難な問題が発生します。


①個人の欲求を満たすだけでは会社は目的を果たせない

会社だって自社の従業員には幸せになってほしいもの。でも、「今日は働きたくないから休みます。」「給料が下がってもいいから休みを増やします。」「今月はお金がないから残業多くします。」なーんて個人個人の欲求ばかり満たしていては、会社の目的を果たすことができません。お客さんが従業員に連絡したら、無断欠勤だった!なんてあると信用に関わりますからね。

画像3


②会社の欲求を満たすだけでは個人は目的を果たせない

では、会社の欲求だけを考えれば良いのか。それも違います。会社の仕事を行うのは「人」があってこそです。働いてくれる「人」がいるから業務は回ります。もし仮に「人」のことを全く無視して、会社のためだけに業務を行ったりしたらどうなるでしょう。恐らくその会社から従業員はいなくなります。ブラック企業やブラックバイトと呼ばれる会社には人が集まらないはそのためです。

画像2


▼目的の交差点を見つけるための「マネジメント」

個人と会社の欲求は決して交わりません。でも、だからこそ、2つの目的のバランスを取る必要があります。会社の目的を果たし、個人の目的を果たす、その交差点を見つけることこそマネジメントを行う者に求められています。

思えば、私の上司はそれを実践していました。面談では、まずはじめに私個人の要望をヒアリングします。そして、その一部を認めた上で、「でも組織のためにこの業務はやってもらいたい」という提案をするのです。つまり、個人の目的を許容するが、組織の目的も理解してほしいという交差点を探っていたのです。

画像4

これは何もビジネスに限定した話ではありません。世の中の出来事のほとんどがこの交差点の上に成り立っています。

恋愛で、一方的に自分のわがままを押し付けるだけでうまくいくことはありません。相手の目的を聞いた上で、自分の目的を伝える。お互いの目的のバランスを取ることで恋愛は発展します。友達関係も同様です。自分が好きな話ばかりするのではなく、相手が好きな話も聞くようにする。そんな2つのバランスを取ることでより良い関係を築くことができます。

まとめます。

ビジネスを行う組織において大切なことは、「個人の目的」と「企業の目的」のバランスを取ることです。どちらかに偏ってもいけないし、どちらも満たそうとしないといけません。

働く者が満足しても、仕事が生産的に行われなければ失敗である。逆に仕事が生産的に行われても、人が生き生きと働けなければ失敗である。

サポート頂いた方にはコメントを返させていただきます。サポート頂けますと幸いです✌️