熱湯風呂の心理
日本神話の中で、日本国土や森羅万象の産みの親として描かれるイザナギとイザナミ。
イザナミの死後、妻の死を悲しみ、連れ戻そうと冥界(黄泉の国)まで追ってきたイザナギに対しイザナミはその身を隠し、「帰っていいかどうか黄泉の国の神々と相談するから、終わるまで見ないで」と告げる。
イザナギは最初のうちは殊勝に待ち続けるが、結局待ちきれず覗き見てしまう。
そこにはウジにたかられ腐敗した醜いイザナミの姿があった。
恥をかかされたと怒ったイザナミはイザナギを追いかけ、イザナギは間一髪振り切って現世に戻ることができた。
見るなと言われると見てしまう心理
二人の神の壮絶な夫婦喧嘩が、実際にはもっとドラマチックに、古事記には語られています。
アマテラスはじめあまたの神々の祖とされるイザナギも、「見ないで」と言われるとつい見てしまう。
「押すなよ」であえなく押されて熱湯風呂へ落ちてしまう芸人さんの「押すな」はあくまでフリでしょうが、このフリが成立する背景の心理、禁止されると逆らいたくなる心情、分かりますよね?
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