【第0247稿】争点は「安売りの肉を買いに行く高校生たち」が普遍的かどうか。

京アニ放火事件、青葉被告の言い分

要するに、体調も良くなってきたのでそろそろどのあたりがパクられたと訴える部分なのだね?という問いに対し、

「京アニにパクられたのは、ツルネの主人公たちが安売りの肉を買うシーン」

(中略)

青葉被告が言及したとされる場面は、第5話「矢の使いで」に登場するわずか2分半ほどのシーン。合宿中にスーパーマーケットを訪れた主人公たちが、値引きされた豚肉や牛肉などの食材を選びながら会話を交わすという、ごくありふれた描写だ。

まず、私が気に入らないのはこの太字の2か所。

「わずか2分半ほど」「ごくありふれた描写」

2分半ってわずかじゃないと思うよ?その中にどれだけの会話があったのか分からないし、青葉被告がこの会話のどこを「パクリだ」と言っているのかもわからないけど、「わずか」と言って切り捨てて良い尺ではない。30分のアニメなら本編は実質20分前後、2分半はつまり本編の1割強だぞ?

その上「ごくありふれた」というけど、じゃあ他のアニメやドラマで全く同じようなシーンが今までにあったのか?と問いたい。ごくありふれた、と言うのであれば、一定の割合でそういうシーンがアニメやドラマに出てきていてしかるべきだと思う。他の作品にも2分半程度、似たようなシーンがこれだけあります、だからありふれているんです、というのを見せてくれよ。

って思うよね、自分がパクられた側だったとしたら

現状では、一方的に京アニ側が「お前の作品なんぞ1ページたりとも読んではいない。だからパクリはあり得ない」と言っているだけじゃん?

だが、京アニ側は、青葉被告の小説は形式的な1次審査で落選していたとし、中身を確認する前に除外されていて「盗用の余地はなかった」と断言する。

盗用の余地が無かったのは、あくまで青葉被告の持ち込んだ作品に対してであり、アニメ自体が”他の何か”から盗用したのではない、という証拠ではないよね、この言い方では。

もし青葉被告が京アニだけでなく、ネットや他の出版社に持ち込んでいたとして、その作品の一部や独創的なシーンの構想そのものが、人の目に触れる可能性が少なからずあったとするならば、この言い分は成立しないと思う。それは青葉被告がそういうことをしていたかどうか(自分の作品をどこかに・誰かにさらしていたかどうか)が分からないので何とも言えないが…。

ぶっちゃけ、さ。

自分が何かしらの作品を、何かを参考にして書いたとして、だ。その内容が、自分の知らない作品で、あまつさえ自分が作品を投稿した会社が作ったアニメでそっくりなシーンがあったら…?

わぁ、偶然の一致ってすごいなぁ!

で済むわけないよね。私だって「パクられた」と思ってしまう。

その多くは、登下校や授業風景、放課後のクラブ活動、友人との交流など普遍的な枠組みの中で展開する。他の作品と似ている場面が登場するのも、当然と言えば当然だ。

「それにもかかわらず自分の発想を『独創的』と錯覚してしまうと、あらゆる創作物が『盗用』になりかねない」

実際、私はそのアニメを見ていないので詳しくは分からないが、例えば高校生が安売り肉を買う、というシーンが普遍的な枠組みなのかどうか。おそらく青葉被告はそのシーンこそが独創的だと考えているのではなかろうか。

だって高校生が集まって安売りの肉を買うことが普遍的か?ありえないことではないと思うが、自分が作品を投稿したアニメ会社がそのシーンをアニメにしている、と考えたら…パクられた!と思っても仕方がないだろ。

私が知る限り、「ベン・トー」というアニメでは、半額になった弁当を買う(奪い合う)というシーンが多々登場する(というかそれがアニメの主題でもある)が、それをネタに1つの作品が出来上がっているということは、それを普遍的とみるべきなのか、独創的とみるべきなのか…。

合宿で部員たちが食料を買いに行くというシーンも、確かにあり得ると言えばあり得るが…安売りしている肉を買うかどうか、などのシーンになると、それが普遍的かどうかと言われたら何とも言えない。無いことではないが、わざわざそれを描く理由が無ければ、独創的だとも言えなくはない

東京の中堅スタジオは2020年夏、ホームページをリニューアルするのに合わせ、外部から送られてくる「創作物」の取り扱いに関する注意書きを掲載。「開封せずに廃棄する」とした上で、あえて「アイデアの全部もしくは一部が、意図せず一致や類似してしまう可能性がある」と明記した。

人気アニメを手掛ける同社には、郵送やメールで創作物が届けられることも少なくない。担当者は「後々のトラブルを未然に防ぐ手立てが必要だ」と危機感を募らせる。

いやいや。一方的に送り付けるものなら破棄する、で分かるけど、青葉被告のそれは原作公募事業「京都アニメーション大賞」に小説を投稿したんだろ?あくまで今回は「公募」に「応募」しているから。それならそもそも公募なんてするんじゃねぇ、ってことになっちゃうから…。ここで話をすり替えちゃいけないよ。

そしてもう1つ。冒頭にもあったけど、「形式的な1次審査で落選した(中身を確認する前に除外した)」という点についても気になるところ。

中身も確認せず落選するって…どういうことだよ?創作活動を行う人であれば、創作物を一切読まれずに落とされるというのは遺憾に思うどころの騒ぎじゃないぜ?絶対読んでる、仮に全部じゃないとしても、最初の数ページくらいは読むだろ!と思うよね。思いたいよね。

形式的な1次審査が、例えば「紙媒体での提出」なのにUSBとかSDカードで送られてきた、というのであれば、ウイルス感染の危険があるため(あと紙媒体じゃないと改ざんの可能性が生じるため)不可というならばわかる。というか、それ以外で「読まずに除外」はちょっと考えられない

どういう1次審査だったのかを明確にしてほしい。

武田さんがため息交じりにつぶやく。

「アニメやスタジオが有名になればなるほど、この手の『盗作話』は必ず出てくる。でもね、だからと言って『放火する』とか『殺す』とか、それは明らかにおかしいでしょう

確かに、放火するとか殺すというのが明らかにおかしいのは分かるが、逆にだからと言って放火犯で殺人犯の青葉被告が盗作だと訴えているのを鼻で笑って切り捨てるのもおかしい…と思うぜ?

安売りの肉を買いに行く高校生たちの普遍的な会話…


俺の記憶ではそんな作品見たことないし、そんな経験もしたことない。

とだけ言っておく。

仮に京アニ側の盗作が証明されたとしても、青葉被告がおそらく死刑になることは間違いないと思う。そこをどうこう言うつもりはないけど、創作活動を行っている人間を軽んじるような偏向的な報道については異を唱えさせて頂く

結局、私が言いたいのはそこなんだよね。偏向報道で創作活動を行っている人間をすべからく悪者扱いするなと。そういう勘違いな人が多くて困っちゃうんですよねー、じゃねぇぞと。

その後であれば、法に則って死刑にでもなんにでもすればいい。

そこには別に不満は無い。

最後に。

京アニの名作「ヴァイオレット・エヴァーガーデン」も、一般人からの投稿作品であるということをお忘れなく。

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