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パラリアは優しいので、詰めが甘い質問には答えません

パラリアは質問し放題です。ですが、ずっと質問対応していることはあまり多くありません。


理由は簡単です。

質問とは本来、とても難しいものであり、ただそれに真摯に向き合っているからです。



普通の塾が提供しているのは「答え製造機」


私がいくつかの塾でアルバイトをさせていただいていた時、ほとんどの質問はすべて「先生、これがわかりません」でした。

これに違和感を覚える人は、少数派ではないかと思います。

先生は当然そういう質問が来ると思って待っていますし、生徒もこれが質問だろうと信じて疑わない、保護者がそれ以外の認識を持っている場合はもっと少ないと思います。


この状況が意図することは、とても単純です。

塾とは、わからないことを教えてくれる人がいる場所。塾が提供するのは、難しい問題の答え。

一方お客様である生徒は、わからない問題を質問に行く、わからない問題を教えてもらうことで、価値を享受している。


つまり、オブラートに包まずに書いてしまうと、「塾の先生=答え製造機」です。質問に行けばなんでも教えてくれます。塾の先生も、それが仕事だと思っていますし、それ以上に、塾長や保護者から期待されているのがそういった行動です。

そうなると、先生は学歴が高くないといけません。答えを製造できませんので。


こういった状況に対して、良し悪しを述べるつもりはありませんが、問題はこの先にあると考えています。


先生を「答え製造機」扱いする中高生

私がアルバイトの現場で散々受けた「先生、これがわかりません」。これこそまさに、「先生、答え教えて」です。一番ひどいのは、「先生、この問題解いてみて」です。

もちろん、直接そんなことはあまり言われませんでしたし、本人もそうは思っていないと思います。


しかし、いろいろ質問してみるとわかります。

どこまで答えを理解したのか聞いてみても、何がわからないのか聞いてみても、どこまでわかったのかを聞いてみても、まともな返事は返ってきません。


もちろん全部ではありませんでしたが、大抵の場合、そもそも答えを熟読していないのです。答えを理解するのが面倒だったり、文字が一杯でそれだけでやる気をなくしてしまったり、または学校の教材で答えがもらえていなかったり、、

頑張ろうとは思っているけど、様々な理由で一人で取り組むのは限界なのでしょう。大変なのは痛いほどよくわかります。


この辛さを緩和するために、先生という名の「答え製造機」を使います。先生が答えを勝手に解説してくれます。「ふむふむ、なるほど、そうだったのか」等の相槌を打っていれば、どんどん答えを教えてくれます。それを聴いている自分は、勉強しているような感覚になります。


こうすることによって、辛い問題をクリアしたことにしています。こんな必殺技を無限回使うことができるのが「塾」というわけです。なんと便利なことでしょうか。


こうしたサービスによって経済が回っていますが、それについて何かを言いたいわけではありません。当事者同士が満足していればそれでいいと思います。


パラリアのスタッフは「答え製造機」ではありません

一方、パラリアではどのような対応になるかをお伝えします。


「この問題がわかりません」という質問に対し、「何がわからない?」と返します。

パラリア歴が浅いパラリア生は、これだけで返事が出来なくなってしまいます。何がわからないのかがわからないからです。渋々戻っていきます。


「自分は何がわからないのか」を理解できてしまったら、大抵の疑問は解決してしまいます。

「自分は何がわからないのか」を理解して、それでもわからない場合に、初めて我々の存在価値が出てきます。


何がわからないのかは理解できて、それでも自力で解決不可能な場合に、我々に質問に来ます。そこで初めて、何につまづいているのかを聞き、その内容によって対応を変えます。


その解決方法は多岐に渡ります。

単なる問題の読み間違いの場合もあります。使っている教材に分かりにくい表現があり、わからなくても仕方ない場合もあります。その疑問に至る以前の基礎の部分を間違えて理解しており、それが原因でわからなくなっている場合もあります。理系科目に限っていえば、理由を追求した結果、大学の範囲になってしまうこともあります。


このように、つまずきの種類を把握した上で、その子が理解しやすいように伝えるのが、我々の役目です。


「何がわからない?」以外にも、様々な逆質問があります。「何がわかったら今の疑問は解決する?」、「私は何を教えればいい?」、「google先生は何ていってた?」等々。


これを続けることによって、ほとんどのパラリア生は自力で疑問を解決できるようになります。



何もわかっていない人が外からこの状況を見た時、「怠慢だ」という印象を持つかもしれません。これは当然のことです。


考える必要があるのは勉強している中高生であって、我々ではありません。むしろ、我々がどんどん解説して、中高生が考えなくてもいい状況を作り出してしまう方が怠慢であると考えています。


これは我々の対応のたった一事例であり、他にも多くの対応があります。また、質問がなぜ難しいか等の問いにも答えていませんが、

長くなってしまったのでここで一度締めさせていただきます。

●まとめ:パラリア流質問対応
「何がわからないのか」を明確にできていない人の質問には、真っ直ぐ答えない。なぜなら「答え製造機」ではないから。

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