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【上級者向け】数学の「やや難」問題で注目すべき3つのポイント

理系でも、数学を使う文系でも

偏差値50前後から、努力で65あたりまで上げてきた方の多くが行き詰まる「やや難」問題の考え方についてお伝えします。

こんな方に向けた記事です

●小問がなく2、3行しかない問題で手も足も出ない方
●パッと見で見たことない問題だった時に思考停止してしまう方


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「やや難」問題で注目すべき3つのポイント

1:分野だけで連想する
2:求めるものだけで連想する
3:基本情報だけで連想する

勉強すればするだけ成績が上がる人は、無意識にやっていることの可能性も高いです。

一方で、努力で上げてきた人は次のレベルでの頭の働かせ方も先に理解する必要があります。


これから解説する3つのポイントは、すでにある程度無意識にやっていることだと思います。


数学は突き詰めると、「問題文からどれだけのことを発想できるか」につきます。

詳しくはこちらの記事にまとめてありますので、まだ読んでいない方はこちらから。


つまり、どれだけ少ない手がかりから解法に結び付けられるかが勝負です。


1:分野だけで連想する

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入試標準レベル(偏差値50~60)の問題は、典型的な問題に対して「見たことある」と気が付き、学んだ通りの解法を当てはめることができれば解くことができます。

今回の記事は、上記の状態を当然と体感している方を対象としています。


分野だけで連想するとは、より一般的なキーワードから、上記の感覚を得ることを指しています。


例えば、「ベクトルの問題」という情報だけで、問題と解法のセットが何問思い浮かびますか?

数学は、問題文から「分野」が特定できるものが少なくありません。

数列、ベクトル、整数等はその典型です。


当然、やや難レベルの問題は、一見するとその分野とはわからない出し方をしてきたりもします。

例えば図形の問題に見えて、ベクトルを使うと解ける等の問題です。


分野が特定できた時に、その分野の問題と解法のセットをノーヒントでいくつ思い出せるかが重要です。



2:求めるものだけで連想する

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「●●を求めよ」から解法を連想するパターンです。

例えば、「最小値を求めよ」という問題は、面積だったり長さだったり変数の値だったり、色々なものに対して要求されますが、

最小値を求めるには、①平方完成、②微分して増減表を書いてグラフを描く、③相加相乗平均、、

といった形で、要求されていることだけから解法を列挙することができれば、

この中から一つずつ問題に当てはめていって、上手くいくものを見つけることができます。


上記の最小値の例で解説すると、①平方完成は、問題が二次方程式でないと使えないので、すぐに判別できると思います。

③相加相乗平均は、2変数であることor逆数であること、その2変数or逆数が共に正であること等の条件があるので、これもすぐに判定できます。


こういった流れで、求められていることから解法を限定していくパターンです。


持っている問題集の「最小値を求めよ」という問題だけを一気に、問題文だけ見ていくのはいい練習です。

「毎回微分しているな」とか、「平方完成が多いな」とかが感じ取れれば十分です。



求めるものを意識することについては、別の記事で詳しく解説していますので、読んでいない場合は参考にしていただければと思います。




3:基本情報だけで連想する

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最後が最も厳しく、研究が必要なパターンになります。


これまで見てきたように、「問題文からどれだけのことを発想できるか」と考えると、

最終的には、一般的な基本情報からも連想できるようになれることが理想です。


基本情報とは例えば、「変数が2個」、「実数」、「∑」、「lim」(数Ⅲ)等です。


「実数」が解法の糸口になる問題と解法を、ノーヒントで思い出せますか?

ある程度質の高い問題集を使っていれば、おそらく判別式を使う問題を練習しているかと思います。


こういったように、普段だったら読み飛ばしてしまうような基本情報からも連想できるようになると、やや難問題でも積極的に解いていくことができます。


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最後に一つ重要なこと:問題ごと思い出せるかどうかが勝負


やや難レベルが解ける人と、標準レベルまでしか解けない人との差は、「問題ごと思い出せるかどうか」です。


問題文に反応できれば標準レベルですが、やや難レベルを解く場合は、その分野の問題まで、ノーヒントで連想できなければいけません。


記憶力が良い方は別ですが、問題も解法も、覚えようと思って取り組んでいても限界があります。


「どんな問題で、何を求める時に、どんな考え方でどの解法を選ぶか」を常に考え続けながら、標準問題に何度取り組んだかで勝負が決まります。


ノーヒントで、問題ごと思い出せるかどうか

です。日頃から意識できるようになれば、やや難レベルは射程圏内です。


まとめ:

1:分野だけで連想する
2:求めるものだけで連想する
3:基本情報だけで連想する


本日も最後まで読んでいただきありがとうございました。


==書いた人==


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