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日本の方が下克上を起こしやすい環境【北欧教育とパラリアの比較ー①】

直接ご要望をいただきましたので、北欧の教育システムとパラリアを比較してみます。


このブログでは、「堅苦しい話をできるだけ無くし、できるだけラフに行こう」、ということで、敢えてアカデミックな要素は気にせずに書いていこうと思います。

また、どちらが良い・悪いを言うつもりもありません。比較することによって、「パラリアとはどんな学び場か」という問いに対して、また別の捉え方ができるようになることが目的です。


ひとまず「北欧 教育」と検索し、一番最初に出てきたこちらの記事をもとに、北欧の教育とパラリアを比較していきたいと思います。


(※本当はこの記事自体にも多くのツッコミどころがあります。出典がほとんど書いていないため、情報の信頼性は未知数です。しかし、そのあたりには一度目を瞑って進めます。)


こちらには、フィンランドの特徴が11にまとめられています。(2019年3月12日)

特徴1:全員への給食の提供
特徴2:教育費はタダ
特徴3:フィンランドの学校は公平
特徴4:教師という職業が尊敬されている
特徴5:指導法に厳しい基準が無い
特徴6:最適なタイミングを強調
特徴7:教育学の研究が重要視されている
特徴8:やる気を重要視
特徴9:学校内の特別教育
特徴10:遊んで学ぶ
特徴11:宿題は少なくて授業日数は短め(本文ママ)

これらについて、一つずつ比較していきます。


国レベルの問題を騒ぎ立てるには、それなりの地位と力が必要である

特徴1:全員への給食の提供
特徴2:教育費はタダ

これらについては、一私塾であるパラリアと比較するものではないと考えています。

一方こういった話を受けて私が思い浮かぶものは、パラリア創業前にいくつかの教育系のイベントに行って、そこで出会った大きなビジョンを持った大学生たちです。

「貧困問題を解決したい」・「日本の教育を変えたい」等々、素晴らしいビジョンをお持ちでした。しかし、パラリアを始める前にも個人で仕事をしていた私からすると、地に足がついていない発言はどうしても冷めた目で見てしまうことが多かったです。

私からするとそういった大学生は、

「若いのに良いビジョンを持っていてすごいなー」と、周囲の大人からチヤホヤされたいのだろう

と思ってしまうタイプでした。


夢を語ることは良いことですが、発言する場によっては「リアリティがないなら本気ではない」と私は思ってしまうからです。本当に実現させたいなら、たとえ今はできなくても、リアリティが後からついてくるはずだと考えます。


気を取り直して北欧との比較に戻ります。


公平の恐ろしさを自覚したら、日本はラッキーだとも考えられる

特徴3:フィンランドの学校は公平

記事によると、フィンランドは学費が高い進学校やエリート学校がなく、すべての生徒に同じレベルの教育が提供されるようです。


まずはパラリアとの比較ですが、提供しているものとしてはパラリアもまさに同じものです。

上の記事には書いてありませんが、一人一人のペースで学習を進めます。各自が自分の課題をクリアできたかどうかが目標となるため、学力レベルが異なる場合は、当然取り組むものも異なります。


パラリアでも、パラリア生一人一人のレベルや学習の癖に合わせて、教材の選定からスケジュール策定、進捗管理までを行います。

それぞれの課題が異なり、自分の課題をクリアしていくことが日々の目標です。


パラリアは一私塾なので問題にはなりませんが、フィンランドのように国全体がこういった教育を行うことに対して、上の記事によると「エリートが育たない」という指摘があるようです。


エリートが育つかどうかは置いておくとして、私は日本の受験という制度にとても可能性を感じています。


可能性とは具体的には「正当に下剋上できるシステムである」ということです。


もし国全体で「その子の目先の課題をクリアできればOK」という教育が行われたとすると、成長スピードの早い子はどんどん成長し、遅い子はどんどん遅れていきます。

比較することに価値をおかないため、皆成長しているから皆ハッピーなのですが、これはつまり、成長スピードが遅い子は、成長スピードが早い子とどんどん差がつくことを意味します。


すると、最終的には才能がある人、生まれつき基礎学習能力が高い人が目立つようになります。

才能が乏しかったり、基礎学習能力が突出していない子の場合、上位層に食い込むチャンスが著しく低下します。普通の子は、才能溢れる子に絶対に勝てなくなります


一方日本には、受験戦争という謎の制度があります。

受験という仕組み自体には、当然私も色々と疑問があります。理不尽だと思う点、ゆがんでいると思う点、闇が深いと思う点等をたくさん感じています。


しかし、こうした不完全な制度があるからこそ、準備や戦略次第で、普通の子が天才と肩を並べることができると考えています。

周囲より勉強ができないのであれば、周囲より早く準備し、周囲より上手に勉強することで、一定の人数には勝ることができます。


私自身、一浪して大学に入ってから、周囲のスペックの高さには驚きました。私が1週間かかってやっと理解した内容を、周囲は前日の夜だけで完璧にこなしてくることが何度もありました。


しかし、私がそんなスペックの高い人を目の当たりにできるのは、受験という制度のおかげだと思っています。


パラリアでなぜ下克上が起こせるのかという点については、この後に出てくる「やる気を重要視」等とも関連するため、一度保留とします。


最後にフィンランドの教育とパラリアとの比較の話に戻しますと、

「公平」という観点では、パラリアはフィンランドの教育と同じものを提供しています。各人が自分の課題をこなしていく、それを支援するものです。


特徴の4つ目以降は、次回となります。


●まとめ:北欧の教育とパラリアの共通点
パラリアは北欧の教育と同じく、一人ひとりに課題を設定し、各自が自分なりに成長することを目的としている

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