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若き中国スイマー!JIANG Yuyan。

 2020東京パラリンピックが閉幕し,もう2週間(2021年9月18日時点)。

改めて振り返ると,記録的にもレベルが高いレースが多かった。世界のレベルは2021年時点で格段に上がっている。

その中でも,個人的に特に印象に残ったレースと言えば若き中国の選手,JIANG Yuyan選手の50mバタフライ決勝!

50mバタフライで金メダルを含め,金2個,銀1個,銅1の4つのメダル獲得し,自由形とバタフライで短距離でも中距離でも泳げる選手である。

①成長率がすさまじい

50mバタフライだけではないが,タイムの伸び率がものすごい選手である。2012年の8歳から水泳を始め,50mバタフライに関しては,2018年アジアパラリンピックで1位:37.50,2019年ロンドンの世界選手権で1位:34.86,そして2021年東京パラで1位:34.69 (予選34.56世界記録)である。

わずか,3年で50mを3秒縮めるという圧倒的なスピードで成長している。しかもまだ,JIANG Yuyan選手は16歳である。50mに関してはタイムが伸びにくくなることは予想されるが,34秒台で泳ぐ実力は確かなものだ。

②泳ぎのうまさ

50mバタフライのレースからJIANG Yuyan選手の泳ぎを紐解くと,面白いことが分かった。

①左腕,左脚のタイミングが絶妙である。
②呼吸時の水中でのバランス保持がすごい
③飛び込み後のドルフィンキックの強さ

左腕,左脚のみ機能する選手であることから,片腕と片脚でタイミングを計りながらリズムよく泳いでいる。手足の入水,キャッチのタイミングを合わせるのが難しいし,呼吸時にバランスが崩れそうであるが,うまくタイミングを合わせている。手足のタイミングがずれてきているか,自分でずらしているのかまでは判断できなかったが,手足のタイミングがずれそうな時にうまく呼吸を入れている。

その呼吸に関しては,前呼吸を行っており,体幹の強さがうかがえる。呼吸時にタイムロスしないよう,なるべく呼吸後素早く頭を水に入れるようにしているあたり,技術力が高い。

飛び込みの反応は,片脚のみの蹴り出しなので周りの選手から少し出遅れる。しかし,入水後からのドルフィンキックでぐんぐん周りの選手に追いつく。通常,片脚のみであるとキックは打たず,なるべく速く浮き上がってきて,手と足を使って泳ぐという考えになりそうなのだが,水中でドルフィンキックを長く打っている。キックに自信があり,強みなのだろう。

(Youtube 1:03:20 ~ 1:08:20 あたりで,東京パラ:女子S6クラス50mバタフライ決勝レースが行われています)

③1つ上のクラスでも戦える実力

400m自由形に関しては,S7クラスでも優勝できる実力を持っている。また東京パラでは実際に,100m自由形に関してはS6クラスとS7クラスが一緒に泳ぐ方法で決勝を泳いでいる。そのレースでは,S7クラスの中でも3位に入っている。今後,仮にクラスの変更があったとしても,十分戦っていける実力が今回の大会で証明された。

(Youtube 東京パラDay9ハイライト:女子S6クラ400m自由形の映像少し流れます)


以上,個人的に注目したJIANG Yuyan選手についてであった。

もちろん,これ以外にもたくさんの感動するレース,レベルの高いレースがあった。これから少し振り返りつつ,他のレースも紹介していこうと思う。

それにしても,中国はやはり強いな,と思った東京パラであった。

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編集長

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