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日本と世界のリアルな差。


「パラリンピックメダル有力候補」
「パラ水泳の新星現る!」
「世界ランキング1位」

みたいな報道を目にすることが最近増えた。東京オリンピックパラリンピック前にパラ選手に注目度が集まっていたからだ。指導者として業界がにぎわうことは大変ありがたいな~と正直に思う。

しかし、本当のところ、メディアが選手を持ち上げすぎていると感じることもある。

悔しいが、日本パラ水泳の現状を冷静に判断すると、メダル候補と言われる選手でもパラリンピックに出場できない可能性すらもある。

はっきり言おう。世界との差はかなり大きい。

ほんの一例だが、50m自由形の世界と日本の差をデータで表してみた。

プレゼンテーション1

50m自由形においては、1秒の差ですらかなりの実力差である。となると、どのクラスも世界と差があることが分かる。


しかし、なぜメディアは選手を過大評価しているのだろうか?
理由は二つ考えられる。

 1つ目は選手のクラスが変動的であるため、クラスが下がれば一気にメダル候補にのしあがることがあるからだ。(※クラスについて知らない方は、日本障がい者スポーツ協会のパンフレットが分かりやすいです)

 2つ目は、世界ランキング1位なのだが東京パラリンピック種目でないということ。実は2020東京パラリンピックでは種目数が減らされ、ある種目は選考対象から外されている。そのため、東京パラを目指す世界選手のほとんどはその外された種目に参加しない。つまり、参加母数が少ないため日本選手も比較的世界1位になりやすいということだ。

だがまぁほとんどの人がこの理由に気がつかない。選手にとっては、メダル候補と言われてしまったものの、世界との実力差を埋めることが難しいと感じている選手もいる。選手自身がレベルの差を実感しているだろう。

報道された選手の気持ち的にはうれしさ半分、しかし期待されすぎているという恐怖心を持ってしまっているかもしれない。

選手にはベストを尽くすことだけに集中してほしい。メディアからのプレッシャーはあまり意識せずいこう。

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編集長

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