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パラ水泳選手の引退後を考える。

パラリンピックに出場を機に、選手を引退する者も多い。

競技から退いた後、それぞれ多様なキャリアを歩んでいる。

伊藤(野村)真波さん。ヴァイオリニストとして有名な元パラリンピアンである。

パラリンピックは2008北京、2012ロンドン大会に出場している。

北京大会では,女子100m平泳ぎで決勝で4位であり,後半になっても落ちないピッチ,力強いキックが印象的であった。

平泳ぎのSB8クラスというと,女子の中でも花形種目である。その100m種目でパラリンピックという大舞台で戦える選手であったことがレース映像でもよく分かる。

その後,ロンドン大会では女子100mバタフライS8では決勝に進出し1:31.19で8位という成績を残している。

さて,ここまでがいわゆる水泳キャリアであったのだが,水泳を引退した後にも新たな挑戦を行っている。

それはヴァイオリニストとしての活動である。
音楽という道でもさらに活動の幅を広げ,義手を用いて演奏する姿に人間の可能性や希望を感じる。

体を義手と連動させて動かし,繊細な音を奏でている映像を見ながら,水泳だけでなく音楽でも練習を入念に重ねていることが十分に予想できる。

まさに,様々な分野で多彩に活躍できることは人生を豊かにする重要な要素であると思う。

この姿こそ,パラ水泳選手がキャリアを考える上で目指す一つの理想になるかもしれない。

伊藤さんの場合は音楽であったが,パラリンピックに出場し,メダルを獲得した選手は引退後どのようなキャリアを歩んでいるのか。

一般的にパラリンピック出場した選手は,パラ水泳の大会時の解説,大学や協会での講演,大学院への進学が多いような印象である。

順調にやりたいことへ挑戦できるキャリアが待っていることが,パラリンピック出場選手,特にメダル獲得者には多い。

しかし一方で、順風満帆とはいかない選手もかなりいると思う。

パラリンピックに出場できなかった選手に関しては,就職から引退後のキャリア形成が非常に難しい現状である。

ほとんどのパラ水泳選手が,大学卒業後に雇用される形態はアスリート雇用である。ということは,パラ水泳活動を続けるうちは活動費用の負担を会社が担ってくれたり,給料がもらえたりとそれなりに満足のいく生活が送れる。

しかしながら,引退したその翌月から会社に所属できない場合もあり,そうなると転職のための会社探しが必須となる。

アスリート時代の時のように,給料が一定もらえるわけでもないかもしれない。アスリートとしての働き方しか知らず,会社組織で働くことに慣れず勤務が続きにくいかもしれない。満足のいく生活ができず,引退後はかなり苦労してしまう可能性は大いに考えらえる。

つまり,引退後に自らのキャリアを考えるのでは少し遅いのではないだろうか?という編集長なりの意見なのである。

伊藤さんのように,キャリアをうまく形成できる方もいる一方,多くの人はそううまくはいかないであろう。

デュアルキャリアといわれるように,アスリート活動をしながら新たにやりたいことは何なのか,仕事としたことを模索し,チャレンジし始めておくことが非常に重要であろう。

私も一緒になって選手とキャリアについて考えながら、引退後の選択肢を増やす、あるいは企業や機関に繋いで選手のキャリア形成に貢献できればと思う。

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編集長

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