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58_異物・溺水【救急救命士国家試験対策】

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国家試験・定期試験出題内容のまとめ

【異物】

  1. 気道完全閉塞の症状

    • 会話、咳、呼吸が不可能。

    • 喉を両手で掴む「チョークサイン」を示す場合がある。

  2. 気道異物の好発例

    • 高齢者(嚥下反射、咳嗽反射の低下)。

    • 小児(反射が未熟)。

  3. 誤認に注意

    • 食事中に胸をかきむしる→急性冠症候群と誤認しやすい。

  4. 異物の種類

    • 体腔内異物、組織内異物。

  5. 処置の流れ

    • 意識あり・完全閉塞:背部叩打、腹部突き上げ、胸部突き上げ。

    • 意識喪失:仰臥位で直ちに胸骨圧迫開始。

    • 意識あり・不完全閉塞:高流量酸素投与。

  6. 異物の位置と症状

    • 上気道(咽頭・喉頭):吸気困難。

    • 下気道(気管・気管支):呼気困難。

  7. 意識喪失時の異物除去

    • 視認できる場合はマギール鉗子または吸引を実施。

    • 心肺停止時には、口腔内の異物を吸引または指拭法で除去。

  8. 処置によるリスク

    • 腹部突き上げや胸部突き上げ→内臓損傷や骨折の可能性。

  9. 異物停滞しやすい部位

    • 咽頭食道接合部、気管分岐部直下、食道胃接合部。


【溺水】

  1. 溺水の定義

    • 身体全体や気道入口部が液体に浸かり、呼吸障害を生じた状態。

  2. 溺水のメカニズム

    • 平均3〜4ml/kgの液体を誤嚥→溺水の可能性。

    • 溺水の本質:低酸素血症。

    • 肺胞内液体流入→サーファクタント障害、無気肺、肺高血圧、肺内シャント→低酸素血症の悪化。

  3. 潜水反射

    • 小児、特に2歳以下で起こりやすい。

    • 徐脈や末梢血管収縮を引き起こす場合がある。

  4. 低体温症のリスク

    • 長時間の冷水による浸水・浸漬→偶発性低体温症を発症。

    • 溺水者の低体温症確認には呼吸・脈の確認に30〜45秒を要する。

  5. 心肺停止後の対応

    • 速やかな心肺蘇生が必要(明らかな死の兆候がない限り社会復帰の可能性があるため)。

    • 心拍再開後は低酸素脳症や肺水腫などの治療のため集中治療室へ。



問題

  1. 気道の完全閉塞では、会話、咳、________が不可能となる。

  2. 気道の完全閉塞では、両手の指で喉のあたりをつかむ________サインを示す場合もある。

  3. 気道異物は________反射や咳嗽反射などが低下している高齢者や、反射が未熟な小児で生じやすい。

  4. 食事中の気道異物で、突然胸をかきむしって苦しがる傷病者を________と誤認する場合がある。

  5. 異物には、________内異物と組織内異物がある。

  6. 意識があり、気道の完全閉塞と判断したら________叩打、腹部突き上げ、胸部突き上げを行なって異物の除去を行う。

  7. 処置中に意識を失った場合は________位にして直ちに胸骨圧迫を開始する。

  8. 意識があり、気道の不完全閉塞と判断した場合は、まず________酸素投与を行う。

  9. 異物が咽頭・喉頭(上気道)部位での症状は、________困難である。

  10. 異物が気管・気管支(下気道)部位での症状は、________困難である。

  11. 処置中に意識を消失した場合、心肺停止による適応ではないので、________の触知を行う必要はない。

  12. 処置中に意識を消失した場合、異物を視認できる場合は、________鉗子、または吸引を行なって異物を除去する。

  13. 心肺停止の場合、口腔内に異物を視認できる時は、吸引または________法で異物除去する。

  14. 腹部突き上げと胸部突き上げを行った場合、________または骨折の危険がある。

  15. 食道の生理狭窄部位である________接合部、気管分岐部直下、食道胃接合部では異物が停滞しやすい。

  16. 酸・アルカリが眼に入った場合は、________で洗浄する。

  17. 角膜異物は感染による________や虹彩炎を起こしやすい。

  18. 潜水反射は、成人よりも________、とくに2歳以下で起こりやすい。

  19. 溺水とは、身体全体や________部が液体に浸かって呼吸障害を生じた状態である。

  20. 浸漬とは体全体が液体に沈んで________した状態である。

  21. 浸水とは気道入口部が液体に浸かっている状態である。

  22. 溺水によって死亡することを________という。

  23. 溺水は平均________ml/kgの液体を誤嚥すると溺水の可能性がある。

  24. 溺水の本質は________である。

  25. 肺胞内へ液体が流入すると________機能を障害するため、無気肺による肺高血圧及び肺内シャントを生じて________が悪化する。

  26. 冷水による浸漬・浸水では、潜水反射と呼ばれる________と________を生じる場合がある。

  27. 長時間の浸水・浸漬では、温水による場合を除いて________を生じる。

  28. 溺水傷病者が________をきたしている場合は呼吸、脈の確認のためには________秒を要する。

  29. 心拍再開後は________、________などの治療が必要なため、集中治療室に収容する必要がある。

  30. 溺水の________傷病者では社会復帰をする可能性があるため、明らかな死の兆候がなければ速やかに________を行う。

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解答

  1. 気道の完全閉塞では、会話、咳、呼吸が不可能となる。

  2. 気道の完全閉塞では、両手の指で喉のあたりをつかむチョークサインを示す場合もある。

  3. 気道異物は嚥下反射や咳嗽反射などが低下している高齢者や、反射が未熟な小児で生じやすい。

  4. 食事中の気道異物で、突然胸をかきむしって苦しがる傷病者を急性冠症候群と誤認する場合がある。

  5. 異物には、体腔内異物と組織内異物がある。

  6. 意識があり、気道の完全閉塞と判断したら背部叩打、腹部突き上げ、胸部突き上げを行なって異物の除去を行う。

  7. 処置中に意識を失った場合は仰臥位にして直ちに胸骨圧迫を開始する。

  8. 意識があり、気道の不完全閉塞と判断した場合は、まず高流量酸素投与を行う。

  9. 異物が咽頭・喉頭(上気道)部位での症状は、吸気困難である。

  10. 異物が気管・気管支(下気道)部位での症状は、呼気困難である。

  11. 処置中に意識を消失した場合、心肺停止による適応ではないので、の触知を行う必要はない。

  12. 処置中に意識を消失した場合、異物を視認できる場合は、マギール鉗子、または吸引を行なって異物を除去する。

  13. 心肺停止の場合、口腔内に異物を視認できる時は、吸引または指拭法で異物除去する。

  14. 腹部突き上げと胸部突き上げを行った場合、内臓損傷または骨折の危険がある。

  15. 食道の生理狭窄部位である咽頭食道接合部、気管分岐部直下、食道胃接合部では異物が停滞しやすい。

  16. 酸・アルカリが眼に入った場合は、流水で洗浄する。

  17. 角膜異物は感染による角膜炎や虹彩炎を起こしやすい。

  18. 潜水反射は、成人よりも小児、とくに2歳以下で起こりやすい。

  19. 溺水とは、身体全体や気道入口部が液体に浸かって呼吸障害を生じた状態である。

  20. 浸漬とは体全体が液体に沈んでした状態である。

  21. 浸水とは気道入口部が液体に浸かっている状態である。

  22. 溺水によって死亡することを溺死という。

  23. 溺水は平均3〜4ml/kgの液体を誤嚥すると溺水の可能性がある。

  24. 溺水の本質は低酸素血症である。

  25. 肺胞内へ液体が流入するとサーファクタント機能を障害するため、無気肺による肺高血圧及び肺内シャントを生じて低酸素血症が悪化する。

  26. 冷水による浸漬・浸水では、潜水反射と呼ばれる徐脈末梢血管収縮を生じる場合がある。

  27. 長時間の浸水・浸漬では、温水による場合を除いて偶発性低体温症を生じる。

  28. 溺水傷病者が偶発性低体温症をきたしている場合は呼吸、脈の確認のためには30〜45秒を要する。

  29. 心拍再開後は低酸素脳症肺水腫などの治療が必要なため、集中治療室に収容する必要がある。

  30. 溺水の心肺停止傷病者では社会復帰をする可能性があるため、明らかな死の兆候がなければ速やかに心肺蘇生を行う。



練習問題

問題1

気道の完全閉塞が発生した場合の主な症状はどれか?
A. 会話が可能
B. 咳が可能
C. 呼吸が不可能
D. 呼吸音が聞こえる
E. 胸部の膨隆

答え: C
気道の完全閉塞では、呼吸が不可能となる。


問題2

気道完全閉塞時に示す典型的な動作はどれか?
A. 両手を振る
B. 喉を押さえるチョークサイン
C. 胸を押さえる
D. 足を踏み鳴らす
E. 顔を覆う

答え: B
気道完全閉塞時には、喉を押さえるチョークサインを示すことがある。


問題3

気道異物が生じやすいのはどのような人か?
A. 健康な成人
B. 嚥下反射や咳嗽反射が低下している高齢者
C. 中年者
D. スポーツ選手
E. 胃腸障害のある人

答え: B
気道異物は、嚥下反射や咳嗽反射が低下している高齢者や反射が未熟な小児で生じやすい。


問題4

食事中の気道異物で誤診されやすい疾患はどれか?
A. 胃潰瘍
B. 消化不良
C. 急性冠症候群
D. 肺炎
E. 胆石

答え: C
食事中の気道異物で、急性冠症候群と誤認されることがある。


問題5

酸・アルカリが目に入った場合の最初の対応はどれか?
A. 目を押さえる
B. 流水で洗浄する
C. 目薬を使用する
D. ガーゼで拭く
E. タオルで覆う

答え: B
流水で洗浄することが最初の対応として重要である。


問題6

気道の完全閉塞時に意識が消失した場合、最初に行うべき処置はどれか?
A. 高流量酸素投与
B. 気道確保
C. 胸骨圧迫
D. AED使用
E. 背部叩打

答え: C
意識を失った場合は、胸骨圧迫を直ちに開始する。


問題7

咽頭・喉頭(上気道)に異物がある場合の主な症状はどれか?
A. 吸気困難
B. 呼気困難
C. 咳嗽
D. 痛み
E. 胸部の痛み

答え: A
咽頭・喉頭に異物がある場合は、吸気困難が主な症状である。


問題8

処置中に意識を失い、異物を視認できる場合の対応として正しいものはどれか?
A. 背部叩打を継続する
B. AEDを使用する
C. マギール鉗子または吸引を行なう
D. 腹部突き上げを行う
E. 胸骨圧迫を中止する

答え: C
異物を視認できる場合は、マギール鉗子または吸引を行なって異物を除去する。


問題9

食道の生理的狭窄部位として異物が停滞しやすいのはどれか?
A. 口腔
B. 咽頭食道接合部
C. 小腸
D. 胃
E. 盲腸

答え: B
咽頭食道接合部は異物が停滞しやすい部位である。


問題10

溺水の主な原因はどれか?
A. 低血糖
B. 低酸素血症
C. 高血圧
D. 高酸素血症
E. 心筋梗塞

答え: B
溺水の本質は低酸素血症である。


問題11

溺水によって引き起こされる肺の障害として正しいものはどれか?
A. 気胸
B. 無気肺
C. 肺高血圧症
D. 肺内シャント
E. 胸水

答え: B
溺水により、無気肺が発生し、肺内シャントや低酸素血症が悪化する。


問題12

長時間の浸水・浸漬によって引き起こされる病態はどれか?
A. 熱中症
B. 偶発性低体温症
C. 心筋梗塞
D. 高血糖症
E. 胸膜炎

答え: B
長時間の浸水・浸漬では、偶発性低体温症が生じることがある。


問題13

溺水傷病者で心肺停止が確認された場合の対応として適切なものはどれか?
A. 体温が回復するまで待つ
B. 心肺蘇生を開始する
C. 浮力を確保する
D. 水分を与える
E. 高流量酸素を投与する

答え: B
心肺停止が確認された場合、心肺蘇生を速やかに開始する。


問題14

気道完全閉塞の処置中に意識が消失した場合の確認項目として適切でないものはどれか?
A. 呼吸の確認
B. 脈の触知
C. 意識の確認
D. AEDの使用
E. 胸骨圧迫の継続

答え: B
処置中に意識を失った場合、心肺停止ではないので脈の触知は行わない。


問題15

潜水反射が特に起こりやすいのはどの年齢層か?
A. 成人
B. 高齢者
C. 小児
D. 中年者
E. 新生児

答え: C
小児、特に2歳以下で潜水反射が起こりやすい。


問題16

中毒物質の吸収経路のうち、最も速いものはどれか?
A. 経口
B. 経皮
C. 吸入
D. 経静脈
E. 経鼻

答え: D
中毒物質の吸収経路のうち、最も速いのは経静脈である。


問題17

メタノール中毒で蓄積する物質はどれか?
A. 酢酸
B. グルコース
C. ギ酸
D. 尿酸
E. アンモニア

答え: C
メタノール中毒では、ギ酸が蓄積し、代謝性アシドーシスを引き起こす。


問題18

中毒物質の状態で吸収速度が最も速いのはどれか?
A. 固体
B. 液体
C. 気体
D. 粉末
E. 結晶

答え: C
中毒物質の状態で吸収速度が最も速いのは気体である。


問題19

ベンゾジアゼピン系睡眠薬の拮抗薬はどれか?
A. ナロキソン
B. フルマゼニル
C. アトロピン
D. ドパミン
E. エタノール

答え: B
ベンゾジアゼピン系睡眠薬の拮抗薬はフルマゼニルである。


問題20

覚醒剤取締法で規制されている薬物はどれか?
A. モルヒネ
B. アスピリン
C. 覚醒剤
D. アルコール
E. ニコチン

答え: C
覚醒剤は覚醒剤取締法で規制されている。


参考文献:救急救命士標準テキスト



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「聴いて学ぶ」救急救命士標準テキスト

58_異物・溺水
 ①音声解説
 ②聞き流し1問1答

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