17_医薬品の基礎・重要な医薬品【救急救命士国家試験対策】
国家試験定期試験出題内容のまとめ
【医薬品の基礎・重要な医薬品】
1. 薬物と毒物の定義
薬物: 生体に対して何らかの生理的な作用を起こす化学物質の総称。
毒物: 少量で生体に有害な作用を引き起こす物質の総称。
2. 医薬品と医薬部外品
医薬品: 有効性、安全性、実用性、品質が認められたもの。
医療用医薬品: 処方せん医薬品が大部分で、医師の処方せんに基づいて薬剤師が調剤する。
一般医薬品: 大衆薬、市販薬、家庭用医薬品とも呼ばれる。
医薬部外品: 育毛剤、染毛剤、ビタミン剤などが含まれる。
3. 危険ドラッグと違法薬物
危険ドラッグ: 薬機法で指定薬剤として規制されている。
違法薬物: 麻薬、覚醒剤、大麻など、依存性薬物の原因となる。
4. アドレナリン製剤
アドレナリン: 心筋に対して心収縮力と心拍数の増加をもたらす。
交感神経のα1、α2、β1、β2受容体を刺激。
エピペン: アナフィラキシー反応に対する補助治療。
用途: ショック(筋注)、心停止の際に静脈内投与される。
5. 薬物の体内動態(ADME)
ADME: 薬物の吸収、分布、代謝、排泄の一連の過程。
血中濃度の分類: 無効濃度、有効濃度、中毒濃度、致死的濃度。
静脈内注射: 血中濃度を急速に高める最も有効な投与方法。
6. 薬物アレルギーと薬物中毒
薬物アレルギー: 薬物に対するアレルギー反応による症状。
薬物中毒: 急性中毒と慢性中毒に分かれる。
7. お薬手帳
救急隊にとって有用な情報源: 傷病者の服用薬、既往歴、受診歴を把握できる。
お薬手帳の重要性: 救急搬送時、本人や家族から受け取ることが望ましい。
8. 静脈内投与の注意事項
アドレナリン投与の副作用: 自己心拍がある状態での投与は、急激な血圧上昇、不整脈、心不全、肺水腫などのリスクがある。
乳酸リンゲル液の過剰投与: 心不全、肺水腫、浮腫、凝固系障害などの副作用が発生することがある。
9. 血糖値と糖尿病管理
血糖値: 血液中のブドウ糖濃度。50mg/dL未満ではブドウ糖溶液の投与が必要。
高濃度ブドウ糖溶液の副作用: 強い血管痛を伴うことがある。
高血糖のリスク: 糖尿病ケトアシドーシスや高浸透圧高血糖症候群の発症があり得る。
10. 抗凝固薬
ワルファリン: 血栓の進行防止や再発防止に用いられる。
問題
薬物とは生体に対して何らかの________的な作用を起こす化学物質の総称である。
毒物とは少量で生体に有害な作用を起こす________の総称である。
医薬品とは、患者に投与された場合における________性とともに、安全性、実用性と品質が認められたものである。
医薬部外品には、________や染毛剤、ビタミン剤などが含まれる。
危険ドラッグは________法で指定薬剤として規制されている。
依存性薬物などの原因となる違法薬物には主に________、覚醒剤、大麻がある。
医薬品は医療用医薬品と________医薬品に大別される。
医療用医薬品の大部分は「________医薬品」といい、医師などの処方せんに基づいて薬剤師によって調剤される。
一般医薬品は________薬、市販薬、家庭用医薬品、OCT薬とも呼ばれる。
アドレナリン製剤は________薬であり、また処方せん医薬品である。
お薬手帳とは救急隊が傷病者の________中の薬剤を知るのに有用な情報源となる。
お薬手帳は救急搬送の際に________歴、服用歴、受診歴が把握できるので、傷病者本人や家族から受け取ることが望ましい。
薬物の体内動態は4つの過程に分けられ、吸収、________、代謝、排泄の一連の過程(ADME)を薬物動態という。
薬物を________内に投与した場合、血中濃度は急激に上昇し、最高血中濃度(Cmax)に達する。
薬物の体内動態において、血中濃度は________濃度、有効濃度、中毒濃度、致死的濃度の4段階に分類される。
血中濃度を急速に高める必要がある場合に最も有効な投与方法は________内注射である。
薬物中毒は、________中毒と慢性中毒の2つに分けられる。
薬物に対する________反応によって引き起こされる症状が薬物アレルギーである。
血管内で________を生じる主な要因には、血管内皮の異常、血流の異常、血液性状(凝固能)の異常がある。
アドレナリンは心筋に対して心収縮力ならびに________数の増加をもたらす。
エピペンはハチ毒、食物および薬物などに起因する________反応に対する補助治療である。
アドレナリンは________神経のα1、α2、β1、β2受容体の刺激作用を持つ。
アドレナリン製剤は、筋肉内もしくは________内投与によりショック、気管支喘息、心停止などに用いられる。
『救急蘇生法の指針2015』では、アドレナリン________mgを直接静脈内へ急速投与し、3〜5分ごとに追加投与する方法が推奨されている。
自己心拍が存在するときにアドレナリンを投与すると急激な血圧上昇、不整脈、心不全、________などの重大な副作用が生じることがある。
乳酸リンゲル液の過剰投与による心不全、肺水腫や________、希釈による凝固系の障害また血管外漏出による局所腫脹、組織障害などの副作用がある。
血液中における________濃度を血糖値という。
血糖測定の結果、血糖値________mg/dL未満の場合に血糖値に応じて必要量のブドウ糖溶液を投与する。
ブドウ糖投与時、50%ブドウ糖溶液など________濃度溶液では浸透圧が高いため、強い血管痛を伴う。
インスリンの効果が十分でない場合には________状態となり、糖尿病ケトアシドーシスや高浸透圧高血糖症候群を発症することがある。
抗凝固薬として古くより血栓の進行防止、予防・再発防止に________が用いられている。
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解答
薬物とは生体に対して何らかの生理的な作用を起こす化学物質の総称である。
毒物とは少量で生体に有害な作用を起こす物質の総称である。
医薬品とは、患者に投与された場合における有効性とともに、安全性、実用性と品質が認められたものである。
医薬部外品には、育毛剤や染毛剤、ビタミン剤などが含まれる。
危険ドラッグは薬機法で指定薬剤として規制されている。
依存性薬物などの原因となる違法薬物には主に麻薬、覚醒剤、大麻がある。
医薬品は医療用医薬品と一般医薬品に大別される。
医療用医薬品の大部分は「処方せん医薬品」といい、医師などの処方せんに基づいて薬剤師によって調剤される。
一般医薬品は大衆薬、市販薬、家庭用医薬品、OCT薬とも呼ばれる。
アドレナリン製剤は劇薬であり、また処方せん医薬品である。
お薬手帳とは救急隊が傷病者の服用中の薬剤を知るのに有用な情報源となる。
お薬手帳は救急搬送の際に既往歴、服用歴、受診歴が把握できるので、傷病者本人や家族から受け取ることが望ましい。
薬物の体内動態は4つの過程に分けられ、吸収、分布、代謝、排泄の一連の過程(ADME)を薬物動態という。
薬物を静脈内に投与した場合、血中濃度は急激に上昇し、最高血中濃度(Cmax)に達する。
薬物の体内動態において、血中濃度は無効濃度、有効濃度、中毒濃度、致死的濃度の4段階に分類される。
血中濃度を急速に高める必要がある場合に最も有効な投与方法は静脈内注射である。
薬物中毒は、急性中毒と慢性中毒の2つに分けられる。
薬物に対するアレルギー反応によって引き起こされる症状が薬物アレルギーである。
血管内で血栓を生じる主な要因には、血管内皮の異常、血流の異常、血液性状(凝固能)の異常がある。
アドレナリンは心筋に対して心収縮力ならびに心拍数の増加をもたらす。
エピペンはハチ毒、食物および薬物などに起因するアナフィラキシー反応に対する補助治療である。
アドレナリンは交感神経のα1、α2、β1、β2受容体の刺激作用を持つ。
アドレナリン製剤は、筋肉内もしくは静脈内投与によりショック、気管支喘息、心停止などに用いられる。
『救急蘇生法の指針2015』では、アドレナリン1mgを直接静脈内へ急速投与し、3〜5分ごとに追加投与する方法が推奨されている。
自己心拍が存在するときにアドレナリンを投与すると急激な血圧上昇、不整脈、心不全、肺水腫などの重大な副作用が生じることがある。
乳酸リンゲル液の過剰投与による心不全、肺水腫や浮腫、希釈による凝固系の障害また血管外漏出による局所腫脹、組織障害などの副作用がある。
血液中におけるブドウ糖濃度を血糖値という。
血糖測定の結果、血糖値50mg/dL未満の場合に血糖値に応じて必要量のブドウ糖溶液を投与する。
ブドウ糖投与時、50%ブドウ糖溶液など高濃度溶液では浸透圧が高いため、強い血管痛を伴う。
インスリンの効果が十分でない場合には高血糖状態となり、糖尿病ケトアシドーシスや高浸透圧高血糖症候群を発症することがある。
抗凝固薬として古くより血栓の進行防止、予防・再発防止にワルファリンが用いられている。
練習問題
問題1
薬物とは何を引き起こす化学物質の総称か?
A) 物理的作用
B) 精神的作用
C) 生理的作用
D) 化学的作用
E) 自然的作用
答え: C) 生理的作用
問題2
毒物とはどのような物質を指すか?
A) 大量で無害な物質
B) 少量で無害な物質
C) 大量で有害な物質
D) 少量で有害な物質
E) 無害な物質
答え: D) 少量で有害な物質
問題3
医薬品が持つべき性質として認められているものはどれか?
A) 安全性と信頼性
B) 有効性と安全性
C) 有効性と実用性
D) 実用性と品質
E) 有効性、安全性、実用性、品質
答え: E) 有効性、安全性、実用性、品質
問題4
医薬部外品に含まれないものはどれか?
A) 育毛剤
B) 染毛剤
C) ビタミン剤
D) 鎮痛剤
E) 栄養補助食品
答え: D) 鎮痛剤
問題5
危険ドラッグが規制されている法律はどれか?
A) 薬事法
B) 薬機法
C) 麻薬及び向精神薬取締法
D) 覚醒剤取締法
E) 医薬品医療機器法
答え: B) 薬機法
問題6
依存性薬物として規制されている主な違法薬物に含まれないものはどれか?
A) 麻薬
B) 覚醒剤
C) 大麻
D) アルコール
E) コカイン
答え: D) アルコール
問題7
医薬品は何と何に大別されるか?
A) 医療用医薬品と一般医薬品
B) 一般医薬品と処方せん医薬品
C) 処方せん医薬品と大衆薬
D) 市販薬と調剤薬
E) 市販薬とOTC薬
答え: A) 医療用医薬品と一般医薬品
問題8
「処方せん医薬品」を調剤する際に必要なものは何か?
A) 処方せん
B) 処方箋薬
C) 医師の許可
D) 薬剤師の判断
E) 患者の同意
答え: A) 処方せん
問題9
お薬手帳が救急搬送の際に有用な情報源となる理由として正しいものはどれか?
A) 傷病者の住所を知るため
B) 傷病者の過去の服用薬を知るため
C) 傷病者の保険状況を知るため
D) 傷病者の医療費を確認するため
E) 傷病者の家族歴を知るため
答え: B) 傷病者の過去の服用薬を知るため
問題10
薬物の体内動態において「吸収、分布、代謝、排泄」といった過程を何と呼ぶか?
A) 薬物応答
B) 薬物動態
C) 薬効測定
D) 薬剤評価
E) 薬効分布
答え: B) 薬物動態
問題11
医薬品を静脈内に投与した場合、血中濃度はどのように変化するか?
A) ゆっくり上昇する
B) 急激に上昇する
C) 徐々に減少する
D) 一定に保たれる
E) 変化しない
答え: B) 急激に上昇する
問題12
血中濃度が分類される4つの段階に含まれないものはどれか?
A) 有効濃度
B) 無効濃度
C) 致死的濃度
D) 安定濃度
E) 中毒濃度
答え: D) 安定濃度
問題13
血中濃度を急速に高める必要がある場合に最も有効な投与方法はどれか?
A) 経口投与
B) 筋肉内注射
C) 皮下注射
D) 静脈内注射
E) 点眼投与
答え: D) 静脈内注射
問題14
薬物中毒が2つに分類される場合、該当しないものはどれか?
A) 急性中毒
B) 慢性中毒
C) 半急性中毒
D) 低用量中毒
E) 高用量中毒
答え: C) 半急性中毒
問題15
薬物アレルギーを引き起こす主な原因は何か?
A) 感染
B) アレルギー反応
C) 副作用
D) 免疫抑制
E) 自律神経反応
答え: B) アレルギー反応
問題16
血管内で血栓を生じる主な要因として含まれないものはどれか?
A) 血管内皮の異常
B) 血流の異常
C) 血液性状の異常
D) 酸素濃度の異常
E) 凝固能の異常
答え: D) 酸素濃度の異常
問題17
アドレナリンが心筋に対してもたらす効果は何か?
A) 心収縮力の減少
B) 心拍数の減少
C) 心拍数の増加
D) 血圧の低下
E) 血糖値の低下
答え: C) 心拍数の増加
問題18
エピペンは何に対する補助治療として使用されるか?
A) アナフィラキシー反応
B) 心筋梗塞
C) 脳卒中
D) 高血圧症
E) 気管支喘息
答え: A) アナフィラキシー反応
問題19
アドレナリンが刺激する受容体に含まれないものはどれか?
A) α1受容体
B) β1受容体
C) β2受容体
D) α3受容体
E) α2受容体
答え: D) α3受容体
問題20
アドレナリン1mgの静脈内投与の推奨される時間間隔はどれか?
A) 1〜2分ごと
B) 3〜5分ごと
C) 6〜8分ごと
D) 10〜12分ごと
E) 15〜20分ごと
答え: B) 3〜5分ごと
参考文献:救急救命士標準テキスト
救急救命士試験対策に最適!『救急救命士 基礎から応用まで 試験対策問題集』のおすすめポイント
救急救命士を目指している学生の皆さんに、講義での学習に加えてしっかりとした試験対策ができる問題集をご紹介します!その名も『救急救命士 基礎から応用まで 試験対策問題集』です。
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この問題集の魅力
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主な対象者
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国家試験対策の基礎固めをしたい学生
救急救命士養成課程前の救急隊員
効率的な学習の3ステップ
講義の復習
授業で強調された内容をメモし、理解できなかった部分は講師に質問!参考書や資料を活用して理解を深めましょう。問題を解く
問題を解くことで理論を実践に結びつけ、時間制限を設けることで試験本番への準備が整います。特に間違えた問題を重点的に復習することが重要です。解答と選択肢を見直す
間違えた問題を振り返り、なぜ間違えたのかを理解して次に活かしましょう。微妙な選択肢の違いにも注目し、落とし穴に気づく力をつけていきます。
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「聴いて学ぶ」救急救命士標準テキスト
17_医薬品の基礎・重要な医薬品
①音声解説
②聞き流し1問1答
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