ぱらるび

Paralluby 🐰🦆🐖 火曜日更新

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最近の記事

7. 月陽の石

ゆ ら り 取るに足らない足元が、いくら揺れようと歩いた このまま どこに辿り着こうか 高台で 空を見上げる人々は、太陽が泣いていると心配そうに声をあげる 太陽は 群れを愛しているだろうか? 人々は、太陽を愛した誰の涙も知りはしない 向かいの月は 涙どころか誰がいて、誰が去ったのかも知り得ない すると地面は、なお揺れた だから私は、取るに足らない者のまま それは、"ひずみ" 太陽と月と人々 人知れず泣いたあの子の狭間で私の地面は ゆらり、割れた 悲観

    • 6. 恋ではなく

      犬は散文 猫は詞である Jean Burden 猫がタイプだ 動物とか雰囲気かもしれないし 犬もタイプだ 動物とか性格のことである 猫を強く抱き締めて犬を軽く撫でたが 猫なら適度なケンカを、犬なら適度にあしらうだろう では、人間は? 犬のような散文で、猫のような詞を好む人 想像もつかない人 始まりでは抱き締めないし、撫でたりしない 疑いの心を向けながらたまに目を合わせるのかも? まだ見ぬ人へ このお話がわからなくてもどうか教えて? 一方通行では、悲しい

      • 5. 今は窓から

        少し前のこと 扉が開くのを待ってみたり、開け方を思い出そうとしてみたり、足掻いていたよ まるで子供だったけれど、今は窓から見える景色へ好きな靴を履いて逃げ出してみる でも、その前に 取りに行かなきゃ 今まで無くても平気だった、今だから必要な 鍵付きの証明を その帰り道、足掻いた扉を反対側から開けて 怖いもの知らずな自分を取り戻そう

        • 4. 用法と用量

          怒りは 見ないフリをしよう 心のなかで みっともないね 大人だからね 我慢するよ 冷静でいたいよ 目を閉じたのに怒りを思い出している 怒りこそ 正しく その怒り、見逃し続ければ、いつか大切にするべきだった怒りを逃すことになる 慣れていいの? 容易いけれど 怒りは 私を肯定することの続きでありますように 感性が効くうちに 正しく 守られますように

        7. 月陽の石

          3. 泣きたい話

          あなたは、驚いた瞬間に 声が出るタイプ? 声を呑むタイプ? 私は、後者です 生きていれば誰しもが"言う"ことを我慢して、"言わない"メリットを取って、言葉を呑みこむことがある 躊躇いだ その幾つかは、呑んでも呑んでも、戻ってきて吐き戻したり、爆発したりで 人を苦しくさせる そういう想いは大抵、面と向かっては、"言いづらい" こんなものをどうやって伝えよう? そこに現れるのは "送信ボタン" メールでも、チャットでも、snsのコメントでも押してしまえば顔色、

          3. 泣きたい話

          2. トリノユクエ

          🕊️ 籠の中の鳥を放した。いや、逃げ出したのかもしれない あそこは、怒りも悲しみも、好きも不都合も、籠の中で全部ごちゃ混ぜ。 あらゆる鳥が一つの籠にすし詰めで、さえずりなんて可愛いものとは思えなかった。 言葉でどれ程の気持ちが伝わるだろう? チャンスは、1回。あらゆる理解が雪崩れ込んで壁も無いのに翼が折れそうだ。 やがて鳥は鳴くのをやめた。 気になって籠から出すとうんと伸びをして羽ばたいた。 心をどこまで正確に書き起こせてる? 足りる言葉は用意できた? 言葉に

          2. トリノユクエ

          1. 雲の1滴

          モヤモヤすれば言語未満の気持ちが漂う それが、絵に描けなくても、人には、言えない怖いものでもモヤをすくえるなら それでいい モヤが雲なら 落ちてくるのは、雨だろうか? 1mm足りないグラスを満たす 1滴の水 雲は、誰の空にもあるらしく君が満たしてくれる日も少なくない 何故だろう? 私ではない誰かの言葉がストンと落ちる "同じモヤを持っている" 共感が質量を増して 降ってくる 言語化って "人の渇きを癒すこと" かもしれないね