コロナ禍のタイ深南部に行ってみた【爆弾テロで危険度3?】①外務省の危険情報
0.1.前置き;外務省の危険情報について
私は、これまで2012年~2013年(※)に「ウズベキスタンのフェルガナ地方」でフィールドワークをするなど、外務省によって「レベル3:渡航は止めてください。(渡航中止勧告)(継続)」とされている地域に、何度か訪問したことがあります。※当時は「イスラム国」が活動活発化し始めたころです。
これにより、「言語や文化・宗教がある程度分かっている場合には、レベル3でも危険に至ることは少ない」、ということがわかっていました。
「言語や文化・宗教がある程度分かっている場合には」としたのは、2017年に中央アメリカをバスで横断した際、ニカラグアやグアテマラあたりで「ちょっとやばいな~^^;」と思った経験からです。ベリーズやパナマやメキシコも、街を歩いていると雰囲気はありましたね汗こわもてのおじさんとか。。
したがって、タイ滞在中には、「コロナでテロも少ないだろうし」ということで、マレー・イスラーム教地域の深南部に行くのが夢でした。それに備えて、duolingoでマレー・インドネシア語を勉強したりしました。
0.2.前置き;懸念点(コロナ以外で)
ただ、一人旅するにあたって懸念が2点。
①手術(SRS)直後である。術後20日目前後。走ったり運動できない。円座がないと座るのも大変。襲われたら逃げられない。朝晩2回、ダイレーションというリハビリ作業を行う必要があり、そのための荷物も必要。
②一応いわゆる「トランスジェンダー」という存在である。声パスしてないので、「ばれたら」危ないのかも?。
結果的に、とくに問題なく旅ができましたので、何回かに分けて記事をアップいたします。
なお、この一人旅は一応、私がイスラームについてのある程度の知識や滞在経験をもち、マレー語をなんとなく習得し、あとはアラビア語の単語でおしきろう、という背景があったから、できたことかもしれません。
何も知らずに行けば、リスクは上がると思いますので、手放しに渡航をおススメするものではありません。
深南部旅行に向け、バンコクからチェンマイ旅行に行って「シミュレーション」をするなど、準備にはぬかりがありませんでした。
1.タイ深南部は危険?外務省情報
タイ深南部(deep south)とは、「ナラティワート県、ヤラー県、パッタニー県及びソンクラー県の一部(ジャナ郡、テーパー郡及びサバヨーイ郡)」が該当します。
「パタニ王国」の末裔とも位置付けられるマレー系住民たちが人口の90%程度を占め、ほとんどの女性は頭巾(ヒジャーブ)をし、マレー語がしゃべられています。
日本国外務省によって、「レベル3:渡航は止めてください(渡航中止勧告)。(継続)」に指定されています。
外務省・海外安全HP引用「南部地域には、タイからの分離独立を標榜するイスラム武装勢力が存在し、これまでに同集団によるとみられる襲撃、爆発事件が続発しており、死傷者は、軍・警察関係者、教員を含む公務員やその他一般市民、外国人まで広く及んでいます。2019年11月には、ヤラー県の検問所が武装グループによる襲撃を受け、自警団ら15名が殺害される事件が発生しました。なお、2004年以降の15年間で、こうした襲撃や爆発事件によって7千人近くが死亡したとされています。
つきましては、これらの地域への渡航・滞在、及び同地域を通過してのマレーシアへの越境等は、どのような目的であれ止めてください。」
コロナ禍でのテロの状況については以下の記事が。
タイ深南部で8月以来の爆弾テロ 2020年10月5日「大塚智彦の東南アジア万華鏡」
以下引用
「新型コロナウイルスの拡大に伴い、4月以降は「政府や地方自治体がコロナ対策に専念するため」として一時停戦が実現していた。
とはいえ、停戦中も小競り合いやテロは頻発し、犠牲者も出る事態が続いていたが、8月に発生した爆弾テロを最後に情勢は比較的安定していた。その安定を崩すことになった今回の爆弾テロ事件は、専門家の間からは遅々として進まないタイ政府との和平交渉への不満やコロナ感染拡大防止を名目にした治安当局のテロ組織やメンバーへの締め付けが背景にあるのではないかとの見方も強まっている。」
2.タイ、コロナ禍で移動はできるの?
2021年6月時点で、タイ全土が「レベル3 渡航中止勧告(感染症)」に指定されています。
各県によって、ロックダウンや隔離期間がバラバラで、また、一時期「越県禁止」がなされた地域があるなど、旅行がしやすい環境とはいいがたいです。
旅行をする人もほとんどいません。
旅行中にも、ロックダウン情報を見たり聞いたりして、何度か冷や汗をかきました。
たとえば⋯
①「バンコク→ハジャイ」の飛行機のチェックイン時、「ハジャイのあるソンクラー県がロックダウン中だから、2週間の隔離が必要。最悪、ホテルで過ごして終わりになるよ?」と言われる。インターネットには情報なし。
→→飛行機到着時に何やらQRコードで登録させられることになるが、そのまま隔離ホテルに案内されることなく、普通に外出。。
②ヤラー県がちょうど1か月間のロックダウン中だった。
→→店内飲食ができず、テイクアウトのみだった。とはいえ、それ以外は、割と自由に動けた。
→→パタニ(パッターニー)県からヤラー県への帰路、入境の検問で30分待ち。タクシー(というか乗り合いバスをチャーター)運転手の嫁のふり?をして、なんとか通過。
③スンガイコーロク駅では何やら書類を記入された。
→「ヤラー県からナラーティワート県に来た」という書類ですが、タイ語なので、よくわかりませんでした汗
④旅行が終わって一週間後、深南部はヤラー県以外も、店内飲食が禁止となった。建設労働者が感染を広めている、ということらしい。
これから、体験談等をアップいたします。
3.コロナ禍なのに旅行とはけしからんというご批判について。。
「コロナ禍なのに旅行とはけしからん!」という批判はもちろんもっともです。ただ、それよりも、「深南部にいまこそ行きたい!」という気持ちが買ってしまいました。そして、深南部について知ってもらいたいなと思い記事を書きました。
コロナ感染対策は日々しっかりとし、また、旅行中は基本的にしゃべらずにジェスチャーのみ、結果的にコロナに感染もしなかった、ということで、ご容赦ください。m(__)m
※参考
ヤラー県のロックダウン 2021年6月15日~7月7日 Yala province goes into lockdown 20210614 Bangkokpost
According to the CCSA in Yala, movement in and out of the province is restricted from tomorrow until July 7. People who must visit the province out of necessity must utilise the "Yala Safe Alert" QR code and inform disease control officials before travelling, it said.
All restaurants will only be permitted to offer takeaway services until 10pm, and they are required to place hand sanitising gels, it said. Customers are required to wear a face mask and keep a distance of two metres from each other, it said.
Friday prayers at all mosques are suspended, and there is a ban on religious gatherings until the end of the month, it said. Students will continue to study online until the end of the month, it said.
Dr Songkran Maichum, a provincial public health official, yesterday said face-to-face interactions in communities resulted in a spike in new cases. Some Muslim worshippers were seen washing their body parts at mosques during Friday prayers despite an order to do so at home, he said.
"We must be ready to contain the virus as next month will [see] three huge activities, including the reopening of the new school term, the opening of a major fruit market and the Muslim festival Hari Raya Haji [Eid al-Adha]," Dr Songkran said. "If we don't deal with the current clusters, there could be another [new cluster]."
店内飲食禁止など厳格な規制、バンコクと周辺5県と南部4県で6月28日(月)より 20210627 タイランドハイパーリンクス
6月28日(月)から30日間、首都バンコクと⋯南部国境の県(ヤラー県、ナラティワート県、パッタニー県、ソンクラー県)では、厳格な規制が実施されます。規制では、建設労働者キャンプを30日間に渡って閉鎖する他、レストランでの店内飲食は禁止となり、ショッピングモールなどの営業時間は午後9時までとなります。また20人以上が集まる活動も禁止されるとのことです。さらに⋯マレーシアと国境を接する南部4県にも検問所が設置されるとのことです。
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