ファシリテーションの教科書を読んで

出典は以下になります。あくまで個人的な解釈からこの記事は書かれています。

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はじめに

複雑化する社会で意思決定と実行のスピードが求められます。
その中で重要な課題に取り組む必要があります。
その時にするべきは一方的な伝達のトップダウン型の決定だけでなくプロセスの調整が必要になります。
必要なのは仕込みと捌きです。議論で問題になる対立と感情への対処をこれにより行います。
そのプロセスの調整の仕方をこの本からは学ぶことができます。

①議論の進み方

議論は出発点、課題の理由の合意、アクションの選択と合意、コミットメントの確認、到達点の5段階に分かれます。
これを時間内に導くことがファシリテーターの役割です。

②仕込み

新しい課題やよく知らないメンバーとの議論では背景を知らないため、議論が発散しやすいです。
一方でよく知っているメンバーとよく知っている課題では結論の押し付けを誘発しやすいです。そこで大事になるのが仕込みです。
仕込みとは準備のことです。
議論の収束先への地図のようなものです。注意が必要なのはあくまで仮置きの状態で、その後議論が良い方向に向かうのも議論としては成功なことです。
最終的に必要なのは「行動の決定」です。これに導くことがファシリテーターに必要なことです。
そのためには納得感の醸成と決定の合理性です。
仕込みで必要なことは出発点と到達点の具体的な明示と参加者の状況把握です。

②-a 出発点と到達点の具体的な明示

あくまで仮置きですが議論の収束先を具体的に示さない限り、議論がどこに向かっていいか参加者にはわかりません。
出発点と到達点を仮置きすることで方向性を示します。
その結果議論の前提、議論の中身、議論の場をファシリテーターが示します。そのための準備になります。
最終的に決定される方向性がどうなっているか?、その決定に違和感がないか?それをプロセスに落としてファシリテーターが整理する必要があります。

②-b 参加者の状況を把握

議論では必ず対立構造や議論が発散します。
主要因は参加者の立場や認識、考え方の傾向です。
想定される対立構造、議論の課題の論点を整理する必要があります。

③捌き

やることは論点や課題、解決策の洗い出しと絞ることになります。
ファシリテーターができることは参加者から意見を引き出す、理解する、議論を導く、まとめることです。
最終的に行動の決定に向かえば良いので決定がされることが最重要課題です。その時に問題になるのが、議論する必要がない課題への対処法です。
議論する必要がない中に2種類あります。1つ目はそもそも重要でない。2つ目は今この場で議論する必要がないことです。
1つ目は切りましょう。2つ目はまず発言を論点に転換します。
論点に転換した後ファシリテーターがすることができるのは5種類のアクションです。
STAY、目的の再確認、広げる・深める、後回し、軌道修正です。
STAYはそのまま良い方向に向かいそうなので、進めてもらいます。
目的の再確認は議論の根幹がずれてしまうものが論点の時に切ります。広げるはもっと良い議論をするために引き出す行為です。
後回しはこの場で議論すべきだが、今もっと優先的な議題がある場合です。
軌道修正は議題自体は問題ないが粒度や議論しているポイントがずれた時に行います。これら5つをファシリテーターはやりながら、議論を導きます。
終盤、行動の決定が必要なので、粒度や全体感を見ながら、議論をまとめていきます。
ここで議論の進み方に戻ります。
出発点で前提が固まります。課題の理由でアクションする課題が固まります。アクションの選択でより良いものの評価基準を確認します。コミットメントでこれから何をやっていくべきかの具体化が行われます。到達点で結果どうなっていくかの展望を確認します。
これらがしっかり明確になっているかをファシリテーターは確認して議論を終えます。

まとめ

1つ1つは当たり前のことではありますが、どれが欠けても良い議論にはならないものばかりでした。
その場で処理するものとその前に準備するものを切り分けることがファシリテーターがやるべき仕事なのだろうと思いました。
そしてその場で処理するものもできることには限界があります。自分ができることを整理しておくことが議論を良い方向に進める鍵になりそうです。



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