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心に響く言葉ってなんだろう?

わたしの主たる肩書きは商品部長ですが、実は、㈱ワシントン靴店、初の商品部長です。商品部もわたしが作りました。
それまでは、入社から何十年もバイヤーひと筋の社員たちが、自分のことを「商品部長」だとか、なら俺は「商品本部長」だ、なんて、名乗っていただけで、組織として機能していたわけではありませんでした。なので、商品部の組織づくり、仕組み作り、役割分担、すべてゼロから構築しました。(いや、ずっと継続中です)
そうしなきゃいけないと、突き動かされたのは、ペガサスクラブとの出会いからです。訳もわからず、手探りでスタートしました。

なので、「前任者」がいないのはもちろん、唯一の「上司」?社長に相談しても、「商品のことは任せた」これだけ。分からないことだらけです。

創業者とか、創業から徐々に企業が大きくなっていくプロセスで生まれる新たな部署や、新しいプロジェクトを任された人とか、きっと世の中には、「前任者」や、なんでも正解を知っていて、すごく相談相手になる「上司」がいない人って、結構、多いのではないか?と、最近思うようになりました。
結局、自分で気づき、自分で解決策を考えて、行動するしかないのです。
もちろん、解決策を考える上で、色々な人に相談はしますけどね。最終的に決めるのは自分です。

なので、決断を迷うこともたくさんあります。
そこで、座右の銘、みたいなものを持っていると、ブレずに、決断できてかっこいいと思うので、欲しいのですが、わたしにはまだ見つかっていません。
キャッチコピーはありました。
大学時代は「いつだって俺流」。
社会人になってからは「人生楽しく!」です。
サントリーの社訓は「やってみなはれ」でした。
いやいや、こういう「モットー」みたいのじゃなくて、すごい人の格言とか、その人の言葉に突き動かされた、とか、そういうのが欲しいのです。
先代の社長(前会長)は、色々な人の格言でいいな、と思う言葉をA4サイズにコピーしては、会社や店の休憩室に貼らせていました。会議で読み上げをしていたこともあります。多すぎて、壁がぎっしり埋まるほどでしたが、わたしには、どれもピンときていませんでした。で、こんな本を買ってみました。

いいことがたくさん書いてあります。しかし、わたしの心は、読んでも全く熱くなりませんでした。心が冷え切っているのでしょうか・・・。
※なので、全然宣伝ではありません。しかも、まだ全部読んでません。

色々と思い出してみると、人の言ったことでも、実際に会って、聞いた話なら、結構覚えている言葉があります。

ペガサスセミナーを受けた後は、社員と討論するのが決まりです。セミナーで教わった内容を、どう自社に置き換えて実行していくか、1人だけでセミナーを受けて分かった気になっていても、実際には、1人では何も始まらないので、ペガサスでも、セミナー後の討論は重要視しています。
カインズの会長、土屋さんがペガサスクラブのセミナー後の懇親会で、おっしゃっていたひとこと。まだ、ペガサスセミナーに通い初めの頃の、セミナー後の社員との会話です。
「分かってるけどさ~、できないよな~。」「無理だよな~。」
です。今やすごい人気のホームセンター「カインズ」さんでも、そういう時期があったんだ~、とめちゃくちゃ勇気をもらいました。
「分かる」ことと、「できる」ことは違うんですよね。
この言葉、今でもちょくちょく思い出します。そのたびに背中を押される言葉です。
う~ん、でも格言じゃないし、単なる愚痴だしな~。座右の銘が、「無理だよな~」じゃ、ちょっとなぁ・・・。

よく思い出す言葉をもう1つ。数年前ですが、銀行さんのセミナーで、登壇してくれた、「アミング」という超人気の雑貨屋さんの、当時専務だった西江さん(現社長)の言葉です。
「不機嫌は、環境破壊」
です。嫌なこととか、困ったことなどがあると、ついつい不機嫌な態度をとってしまうことがありますが、これは、公害レベルで、他の人にすごく悪い影響を与える、というお話でした。なるほど。自身の行動を気をつけるきっかけになりました。
最近では、こんな記事を見て、不機嫌な人への対処法も習得しました。この記事を見たとき、西江さんの言葉をまた思い出しました。これ、まだ読んでいない方は必見です!


最近で、一番感動した言葉は、実際に直接聞いた話ではありませんが、前回のペガサスセミナーのテキストに載っていた言葉です。
「クリエイティブラインのリーダーが語る 私を成長させた「経験」」、と題し、商品部長への、インタビューやアンケート調査の結果が載っていました。その中の、「周囲の人」というテーマに書かれていた言葉です。

「社長が言い続けている、「数で断るな、値段で断れ」の言葉は、絶対的な価値観として、社内に共有されている」

これ、目からウロコでした。素晴らしい社長さんです。わたしはこの会社とは全く関係ありませんし、どこの会社かも存じませんが、その言葉、わたくしが、しっかり引き継いで参ります!!
あまりにも感銘を受けたので、早速、商品部のミーティングで、発表しました。したら、バイヤーたちには、全くと言っていいほど、響いていませんでした。「はぁ」って感じです。

思いました。人の心に響くかどうかって、結局、そのシチュエーションが自分にピッタリはまって、モヤモヤしている気分が、そのひとことで、救われたり、ハっとしたり、納得できたり、すっと軽くなったり、そういう実体験が結びつかないと、感動しないものだ、と分かったのです。
なので、365人の仕事の教科書を読んでも、きっと、座右の銘には出会えないでしょう。
自分で、知識と経験を積んで行く過程で、ふっと降りてくるのを楽しみに待ちたいと思います。そして、悩み多き社員たちには、響く言葉をかけてあげられるような人になりたいと思います。

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