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A型・B型事業所、特例子会社って何?メリット・デメリットは?

A型・B型事業所、特例子会社の違いって知っていますか?

障害者の方が働く場を求める場合、障害の度合いによりますが、健常者と比べると就労のチャンスが十分にあるとは言えません。

そこで、行政機関や一般企業では障害者雇用枠が設けられており、法定雇用率も定められています。

選考基準も、一般枠とは違った方法が用いられています。

障害者雇用促進のために作られた、特例の会社・就労支援事業所もあります。

今後、障害者の方も積極的に就労し、自立できる社会にすることが、解決すべき課題の1つであると言えるでしょう。

雇用形態にはさまざまな形があります。ここでは障害者雇用形態の種類と、そのメリット・デメリットを紹介します。


1.雇用形態の種類

一般的な雇用形態には、正社員と非正規社員があります。

正社員は、企業と直接雇用契約を結び雇用期間は決められておらず、労働時間はフルタイムです。

非正規社員には、契約社員・派遣社員・パート・アルバイトがあります。

このうち契約社員とパート・アルバイトは、企業と直接雇用契約を結び、雇用期間が決められています。

派遣社員は、契約した派遣会社から企業に派遣されて働きます。

2.就労形態の種類

1)公的機関・民間企業(一般枠・障害者雇用枠)
障害者が企業で正社員・契約社員として働く場合は、一般枠か障害者雇用枠のどちらかで採用されます。

一般枠の場合は、職種、待遇など健常者と同じ条件で働くことができるので、昇進や昇給のチャンスもあります。

障害者手帳を持っている方が応募できる障害者枠の場合は、障害に応じた業務内容に就くことができて、環境や設備が整備されています。

ただ、職種には制限がある場合もあり、給与も低い傾向にあります。

2)特例子会社
特例子会社の社員として働く方法もあります。

特例子会社とは、企業が障害者の雇用促進のために設立した会社のことで、障害者が働きやすい環境・設備・人的なサポート体制が整備されています。

障害の程度を問わず働くことができます。

3)福祉的就労(就労継続的支援)
企業や社会福祉法人が運営している障害者支援事業所で働きます。

福祉と就労の中間的サービスとして位置づけられており、一般企業や社会福祉法人が運営しています。事業所には、A型とB型があります。

【A型事業所】
A型は、一般企業で働くことが困難な18歳以上65歳未満の障害者・難病患者が対象で、事業所と雇用契約を結び、一定の支援を受けながら働くことができます(1日の実働時間4~8時間)。

事業所と直接雇用契約を結ぶので、最低賃金は保証されています。

設備基準を満たした事業所で、スタッフのサポートを受けながら、例えば、飲食店のホールスタッフ、パソコンのデータ入力代行、ご当地商品のパッキング、インターネットオークション代行、部品の加工などの作業をします。

【B型事業所】
B型は、就労の機会を通して生産活動の知識や能力の向上を見込める方、過去に一般企業で就労経験がある方で年齢や体力面の問題で雇用が困難になった方が対象になります(就労移行支援やA型事業所に雇用されない方)。

1日1時間、週1回など、自分のペースに合わせて働くことができます。

事業所とは雇用契約を結ばないため、報酬は給与ではなく「工賃」が支払われます。工賃は成果報酬なので、最低賃金を下回ることが多くなっています。

作業内容は、例えば、農作業、部品加工、手工芸、調理・製菓作業、クリーニング、WEBサイトの作成などです。

3.就労形態別の特徴とメリット・デメリット

【公的機関・民間企業の正社員・契約社員(一般枠)】
職種や待遇など、一般社員と全く同じ条件で働くことができます。

昇進や昇給のチャンスもありますが、障害があることを伝えないで採用になっているので、体調や環境、得手不得手などへの配慮は期待できません。

【公的機関・民間企業の正社員・契約社員(障害者雇用枠)】
障害に応じた職種・業務内容に就くことができ、環境面や体調面での配慮がされます。

しかし、職種や業務内容の幅が狭く、給与が低い場合も少なくありません。

【特例子会社】
障害者雇用促進が目的で、親会社が設立しているので、障害者への配慮がされていて、障害の程度を問わず、働きやすい環境が整備されています。

ただ給与は安く、仕事内容はもの足りないと思われるものが多く、スキルを培うことはあまり期待できないようです。

【A型事業所】
事業所の設備や環境、スタッフなどのサポート体制が充実しているので、仕事の知識やスキルを磨くことができます。

働きながら、このままここで働くのか、一般企業への就職を目指すのか、あるいはB型事業所に移って自分のペースで働くのか、将来への道を考えることもできます。

給与は最低賃金以上になりますが、一般企業に比べると低く、労働時間も短くなります。

また、前年度収入により利用料を支払わなければいけないケースもあります。

【B型事業所】
A型事業所と同様にサポート体制が充実しており、個々の体調に合わせて自分のペースで安心して働くことができます。

体調と仕事のバランスを考えて働くことで、継続的に働けるようになる可能性があります。

給与面では、仕事の成果による報酬として工賃が支払われるので、最低賃金よりは低くなってしまいます。

また、利用料を支払わなければいけないケースもあります。

4.まとめ

障害のある方の就労は、障害の程度や症状により制限があり、また体調面が不安な場合もあることなどから、難しいことが多いかも知れませんが、ハローワークや転職エージェントなどで相談してみましょう。

職場の雰囲気や給与の適正さ、仕事内容などをよく見て決めるとよいでしょう。

ほとんどの事業所が見学も可能なので、実際に働く現場を見て決めることも大切です。

転職ピークに合わせて具体的な面接対策に入る方はこちらをチェックください。

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