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障害者雇用における面接特徴と具体的な面接対策(回答作成と練習方法、逆質問、身だしなみ)は?

毎年2月~5月が障害者雇用の転職ピークと言われます。

書類は通過するけど、面接で落ちてしまう。

何がダメなんだろう? 障害者雇用に合わせた面接対策はできていますか?

今回は障害者雇用における面接特徴と具体的な対策について書きたいと思います。

1.障害者雇用における法定雇用率とは?

厚生労働省が制定している障害者雇用促進法の障害者雇用率制度では、従業員が一定数以上いる企業は、身体障害者・知的障害者・精神障害者を法定雇用率以上に雇用する義務があると定めています。

民間企業の法定雇用率は2.2%。

従業員が45.5人以上いる企業は障害者を1人以上雇用する義務があります。

今後、2030年をターゲットとした国連サミットで採択されたSDGs(Sustainable Development Goals:持続可能な開発目標)の促進と共に多様性に富んだインクルーシブ社会を目指して、障害者の社会進出が増えるでしょう。

これは非常に喜ばしいことですが、決して障害者だからといって無条件で企業は採用するわけではありません。

障害者であっても健常者同様に、就職活動は必要であり、自己のスキルをアピールすることで希望の就職環境へ近づいていく必要があります。

2.面接から採用までの流れと試験概要

就職への第一歩は面接試験です。
障害者雇用の特徴としては、学歴、職種やスキルありきではなく、応募者の適性を見た上で、マッチングする部署や仕事内容を考え、適切な配属先を探しながら選考していきます。

現時点では多くの企業がこの採用方法を用いています。

面接回数は平均して、2~3回となっています。
一次から三次までの面接の流れとポイントをみていきましょう。

【一次面接】
一次は、採用担当者・人事担当者との面接です。

担当者から障害の状況や経験、希望条件などが聞かれます。

面接をしながら担当者は、適した部署や業務内容があるかどうかを考えます。また、応募者の人となりと障害の程度を見極め、会社として何ができるか、ということも考えています。

【二次面接】
一次でマッチングを考えた部署の担当者と、人事担当者との面接をします。

担当者が業務内容を具体的に説明し、それに対応できるスキルがあるか、当社での業務は可能かどうかを確認します。

長く働いてもらう環境を作るにはどうしたらよいだろうか、ということも考えています。

【三次面接】
部署の担当者や直属の上司など、二次までより上の役職による面接になります。

二次面接と同様に業務内容が適していて、長く働けるかどうかを担当者から確認されます。

また、働ける環境作りなどをより具体的に考え、進めようとしてくれます。

上記の面接に加えて、筆記試験またはWebでの試験を行う企業もあります。

試験内容は、言語、数学、一般常識、適性試験などです。

筆記・Web試験がある場合は、試験対策の本を参考にするとよいでしょう。


3.採用面接試験の事前準備

健常者の就職は、企業が募集している職種の中から希望の職種に応募して試験を受ける、という形になります。

障害者の場合は、企業が障害者に合わせて業務内容や部署を決める、という形が多くなっています。

そのため、面接を受ける企業の分析をしっかり行い、どんな職種・業務内容があり自分はどれに適しているか、どんなスキルを持った人を必要としているか、社風や組織に合うのはどんな人なのか、などをあらかじめ知っておくことが大切です。

それにはまず、企業としての考えや、業務内容・人事・組織などの内部情報を把握することが必要となってきます。

自分で情報収集をすることが難しい場合は、キャリアコンサルタントに依頼して収集してもよいでしょう。そして、客観的な企業分析と戦略のアドバイスをしてもらった上で、準備を整えて自信を持って採用試験に臨みましょう。

自分に自信がなく不安な気持ちで面接を受けると、それは面接官に伝わってしまいます。

「私は御社のことをよく勉強してきました。このようなスキルで御社のお役に立ちたいと思っています」という自信と堂々とした態度は必ず相手に伝わり、好感度がアップします。

では次に、具体的な対策や心構えを述べていきます。


4.事前の具体的な対策と心構え

まず面接で受かりやすい方の特徴は何だと思いますか?

《安心感の持てる人》
・自分一人で通勤が不自由なくできる
・起床、就寝時間や朝・昼・夕などの生活が規則正しくできる
・病院だけでなく、障害者就労・生活支援センターなど第3者機関とも連携している
・両親と同居、または近くに住んでいる
・受け答えが適切である
・アイコンタクトや相槌が適切である
・笑顔が柔らかい
・自然体である
・自身の病気・障害を隠すことなくわかりやすく説明ができる
・配慮してほしい要項が社会通念上の一般論に当てはまっている

採用する側も長期的に一緒に働くことを前提にして、障害者を受け入れることに少なからずの不安感を感じています。

つまり、面接時に安心感を与えることができれば、合格率は高くなります。

そのため、面接では、どうしてもコミュニケーション力が求められてしまいます。

では、具体的にはどんな対策をすれば良いのでしょうか?


【コミュニケーション力を磨く】
面接では人柄や、長く働いてくれるかどうか、活かせるスキルがあるかどうかがポイントになりますが、職場では多くの人と協働して仕事を進めていくため、どうしてもコミュニケーション力が求められてしまいます。

多くの求職者が勘違いをしてしまいますが、

コミュニケーション力とは、饒舌に喋り、臨機応変に対応できること、というわけではありません。

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