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就職・転職で有利になる資格って何?

就職や転職の時って資格があると有利って聞きますよね?

それって本当だと思いますか(・_・;)??

ハローワーク(HW)や地域の就職支援センターから資格を取るように言われた、という話をよく聞きますが、私はあまり賛成派ではありません。

確かに資格は無いより、合った方が良いというのが結論です。

ただし、何よりも重視されるのは実務経験です。

資格を持ったからといって就職・転職が有利になるとは言い切れません。
争う候補者との兼ね合いでのケースバイケースになるでしょう。

1.資格があると有利と言われるのはなぜか?

多くの求職者が、就職・転職の準備として資格の取得にこだわります。

なぜでしょうか??

そして、ハローワーク(HW)や地域の就職支援センターの方々もなぜ資格を取った方が良いというのでしょうか?

結論としては、以下3点に凝縮されていると考えます。

【1】求職者に紹介できる求人がないから
率直に言うと、

求職者に実務経験がなく、その割にこだわり条件が多かったり、性格に偏りがあるために紹介できる仕事が無いんです!!!!

だから、担当者としては日々頼られても困るので資格をまず取ることが先決。という流れになっているのがほとんどでしょう。。。

求職者の方は良く勘違いしているのですが、公的機関や民間企業問わず、「仕事を紹介するのが仕事」「万人に平等」と思い込んでいるのですが、ありえません。

仕事紹介した結果、就職を決定させるのを仕事としているので、就職・転職しやすい人に手厚く、難しそうな人には薄く対応するのが当然と言えます。

そもそも論ですが、本来就職・転職は自力で探して決めるものです。
自分自身の人生なので。

外部に頼るということは外部の都合で判断されるのは当然のこと。

これはぜひ念頭に置いて欲しいと思っています。

【2】担当者(HWや転職エージェント)の経験不足
資格を進めて来る人は、得てして仕事紹介の経験値が不足しています。
経験値を持たないと人は知識で補おうとします。
その結果、書店で書物を漁れば漁るほど、資格に目が行ってしまう。
なぜなら、自分自身も経験値を補うために勉強をして自信を得ているので資格が優位性を持っていると勘違いしてしまうのでしょう。

HW等の公的機関の職員の方も民間企業経験のある方は少ないので、本などで目にする有利な資格を参考にしながら話している可能性もあります。

よく聞くPC資格にMOS(マイクロソフトオフィススペシャリスト)というものがありますが、公的機関の職員で持っている人の方が少ないと思いますし、職員の方が40代、50代の方が多く、果たしてPCスキルがあるのかどうかも疑問に思います。

【3】資格の専門学校の戦略
それでは、なぜ世の中に資格を取ると有利になるという意識が根付いているのでしょうか?
これは明らかに資格取得を展開する専門学校の戦略に国民全体がはまっているということでしょう。
10年以上の転職エージェントの経験値をもとに断言できるのは、絶対的に資格より実務経験です。
資格が必要な時は、資格がないと着任できない業務の時だけ、実務より資格が優先されます。

■例
弁護士、税理士、中小企業診断士、通関士、看護師、介護士など

簿記を取ってから就職をした人より、配属先が決まってから実務経験を通して学び、さらに理論や仕組みの理解を深めるために、後々勉強をした人の方が圧倒的に多いことを知っておくと良いでしょう。

2.就職・転職における2段階キャリアパスとは?

資格の有無ではなく、実務経験が重要ということを念頭に置いて上で、就職・転職において大切なことは以下2つです。

【1】相談する担当者(HW・転職エージェント)の経歴を把握すること
就職・転職は総合的スキルにより、有利・不利が決定します。
企業が見る優先順位としては、

【年齢=職歴数>実務経験 > 希望年収 > 学歴 > 資格】

あくまでも上記条件の総合的なバランスを見て判断しているということに留意ください。

現在、私は企業の経営・人事コンサルや人事担当も担っていますので確信を持っています。

転職エージェントのように多種多様な業界や企業に通じ、直接細かい要件をヒアリングしていたり、実務者としての経験があれば、有利・不利の判断が付きますが、民間企業での経験がない担当者に民間企業への就職相談をしても効果的とは言えません。

公的機関への受験方法のアドバイスを受けるとすれば最適ですが。

つまり、個別学歴も職歴も違うので、自分自身で適した相談者を見つけることが理想的な就職・転職への第一歩と言えるでしょう。

【2】2段階キャリアパスを念頭におくこと
2段階キャリアパスとは、2社転職することを前提に1社目をどこにするかを検討すること。
※2段階キャリアパスは私の造語です。

1社目では実務経験を積むために転職をする。
希望条件を落として、契約社員・派遣社員・パート・アルバイトなど期間を決めて柔軟さを維持して転職活動することを前提とする。

2社目で当初予定していた理想のキャリアと条件で転職活動をする。

もちろん転職時点で職歴数を刻み過ぎていたり、年齢が40歳以上だとこの戦略は検討が必要ですが、あくまでも市場のニーズは実務経験にあるということを抑えておくべきでしょう。

資格取得を優先した結果、職歴のブランクが長くなり、結局、就職・転職できず、元々の実務経験がある仕事に就くという人が山のように存在しています。

キャリアは1社で完結するとは限りません。

むしろ2回以上の転職を経験する人が50%以上でしょう。

長期的なキャリアプランを前提として、逆算して今何を学ぶべきか、どんな経験値を付けるべきかを検討してみましょう。

とはいえ、資格は持っていて損はありませんし、自信に繋がることも事実です!!

もし資格取得を目指すのであれば、今後の市場にあった内容を選ぶべきでしょう。

3.障害者の就職・転職時にあるとオススメな資格

「働いたことがない」「離職してから何年もたってしまった」「前職とは違う職種に挑戦したい」という障害者のために、国や自治体で、就職・転職に有利な資格が取れる機関が全国あります。

職業能力開発促進法に基づいて、国が設置し各県が管理運営している「障害者職業能力開発校」「地域障害者職業センター「国立職業リハビリセンター」などがあります。

提供しているカリキュラムは、障害の種類や程度にもよりますが、医療リハビリテーションと連携をはかりながら、職業訓練を行っているところもあります。希望職種によって様々な資格が得られますが、将来を見据えると下記資格の取得はオススメできます。

【一般事務系】
MOS(マイクロソフトオフィススペシャリスト)試験
サーティファイWord/Excel/PowerPoint/Access
サーティファイ ビジネス能力認定

【デザイン・印刷系】
サーティファイWebクリエイター
2級技能検定(広告美術仕上げ制作)
DTP技能検定

【情報システム系】
初級システムアドミニストレーター
サーティファイ シスアド技能者能力認定試験/ネットワークアドミニストレータ能力認定

事務職を希望している人は、事務経験のある・なしにかかわらず持っておくといい資格はMOSです。マイクロソフトオフィス製品の操作スキルを証明する国際規格なので、どこの企業に行っても通用する信頼性の高い資格です。

MOSには「スペシャリストレベル」と「エキスパートレベル」があり、「スペシャリストレベル」が一般的です。特に、エクセルとワードは職場でよく使われるソフトです。

MOSの検定は障害者受験のための特別対応があるので、障害の種類や程度にもよりますが、職業訓練機関で学ばなくても独学で取得することも可能です。

今後、より重宝される資格としては、【デザイン・印刷系】【情報システム系】になります。
日本ではエンジニアが特に不足しているために、取得していることで転職時の武器に変わる可能性もあります。
また、【デザイン・印刷系】【情報システム系】を勉強することで自然とITリテラシーも高まり、MOSスキルも向上させることが可能になるため、専門性を高めていくためにはオススメです。

4.障害者の就職・転職先が希望する人材とは


資格を持つことは自信になり、努力の証でもあるため書類選考でも評価のポイントになることがあります。

また、面接のときも、資格を取った動機などエピソードに転じることも多いので、様々な部分で少しずつ効果が表れてきます。

しかしながら、障害者雇用に資格が必要かといえば、必ずしもそうではありません。
障害者の就職・転職の場合、どんな職種に有効な能力があるのかを最初から問われることが多くないからです。

一般枠の採用では、企業のニーズに合った人材が求められるのに対して、障害者枠ではこれまでの経歴に関わらず、「オープンポジション」での募集が多くなっています。「オープンポジション」とは、採用する人の職種を決めずに選考の過程で配属先を決める方法です。

企業には法定雇用率達成の目的があるので、職種にかかわらず障害者の雇用をする必要があります。障害者にとっても、未経験の職種でもポテンシャル(可能性)をみて採用してもらえるので、「オープンポジション」での採用はお互いにメリットがあるといえます。

また、いかに高度な資格を持っていても、突然休んだり、職場で孤立したりすると業務に支障が出てしまいます。企業側からすると、「休まずに毎日出社できる」「職場でコミュニケーションがうまくとれる」といったことができる人材を必要としています。

まずは就職して安定して働けること、その結果として信頼関係が気付けたとすれば、資格を活かした機会を与えてくれる可能性も高まります。

5.障害者の就職・転職を成功させるには 


障害特性によっては、企業側の理解が不可欠な場合があります。障害者枠では、企業側もそれなりに受け入れの姿勢をみせていますが、どうしても企業にとって雇いやすい人の採用が優先されます。

「仕事を続けていく体力や気力に自信がない」「職場の人間関係に不安がある」「どんな仕事が自分に合うのかわからない」といった場合は、企業への就職活動の前に、就労移行支援を受けてみましょう。

就労移行支援が受けられる事業所は、民間企業やNPO法人、社会福祉法人などが運営しおり、スキルアップや職場に適応するためのトレーニングが受けられ、自分に合った企業の紹介をしてくれるところもあります。

さらに、前職での専門知識が豊富、やりたい職種があって新たに資格も取ったなど、能力も意欲もあるのに障害特性によってなかなか採用されないという人は、自分の障害特性を受け入れてくれる企業を探してくれるエージェントに依頼する方法もあります。

つらつらと文章を書いてしまいましたが、

資格は必ずしも有利になるというわけではありません。
ただし、持っていて損はないという事実と達成感や自身に繋がるものであり、いかに実務経験とリンクさせていくかということが重要になります。

そのことを理解した上で、障害者の就職をサポートしてくれる機関を利用するなどし、自分の希望に合った就職・転職に繋がる有益な資格を獲得することができたとすれば、その資格はまさに武器と言えるでしょう。

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