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「まだまだ若いな」


年上の人と話をしているとき、「若いから何でもできる」と言われることがある。または、「まだまだ若いから」と。

その人たちはわたしより倍以上長く生きてきて、それぞれが異なる道を経験して、いま目の前のわたしと会話している。

年齢の差は、どうしたって埋められない。その人からしたら、わたしの言動に「まだまだ若いな」と感じることもあるだろう。「若い」という言葉をどう受け止めたらよいのだろう。何を伝えたくて、話の中に若さを出してくるのだろう。それはわたしを時々ひどく悩ませる。


経験からものを言う。わたしもそうだ。経験してきたことだから話せる。でもその経験は、生き方の正解ではない。誰かにとっては参考になっても、誰かにとっては鬱陶しいものになる。

わたしがひねくれているからだろうか。若さを理由に出されると、ずるいと思ってしまう。埋められないものと分かっていながら、わたしがまだ経験したことがないと知りながら、その人たちは自分の経験を語る。素直に聞けばいいのかもしれない。わたしのこれからの参考にしようと。なのにどうしても聞き流せない「若いな」という言葉を投げられることがある。言われたらもう何も言えない。


これから生きるわたしの未来。わたしはこれからその人も生きた年齢を生きていく。わたしがこの先何十年か生きたとして、その時にいまの自分の年齢の人と話をしたとする。「若いな」と思うかもしれない。それでもかける言葉は考えたい。若いその時だから出てくる言葉はきっとあって、その人が年齢を重ねた何十年後かに、若かった自分を振り返ればいい。「あの頃の自分は若かったな」と。それは他人が決めることではないと思うから。



最後までお読みいただき、ありがとうございます! 泣いたり笑ったりしながらゆっくりと進んでいたら、またどこかで会えるかも...。そのときを楽しみにしています。