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結婚していても不幸な人はいる

私が10年の婚活中に、当時勤務していた会社の女性上司から
「○さん、そんなに婚活を頑張らなくってもいいんじゃない?結婚してたって不幸な人はたくさんいるのよ。あなたが今、幸せなら無理して結婚しなくてもいいんじゃない?」と言われた。
上司曰く、私は傍目からは『幸せそう』に見えるらしい。
うん。
確かに一人でも幸せと言えば、幸せかも。
なぜなら、夫を亡くしてから義理の父や母が
旅行に連れて行ってくれたり、子供たちの世話をしてくれたりと、とてもよくしてくれた。
夫を亡くして落ち込んでいる私を元気づけてくれた。
おかげで毎日、笑顔の絶えない日々だった。
泣いている暇などないほどだった。
だから、そう見えたのかもしれない。

「結婚していても不幸な人はいる」
まさに私の両親がそうだった。
私が幼いころ、両親は毎日毎日喧嘩をしていた。
朝起きると、母親の目の下が青くなっていたこともある。
怒鳴り声と食器や電球の割れる音にビクビクしながら
私は兄弟と隣の部屋で耳をふさいでかたまっていた。
そうしているうちに、私が小学3年生の夏休みに両親は離婚した。

そういう光景を目の当たりにして育ったからこそ、幼いころからの私の夢は『明るく温かい家庭を持ちたい』だった。
お金よりも何よりも普通の家庭が欲しかった。
でも、その夢は夫が亡くなった34歳で断たれてしまった。

「そんなに焦って婚活しなくても…」と苦笑してきた人もいた。
何も知らない人は、簡単にそんなことを言ってくる。
「あなたに何がわかるの?」と思った。
私の幸せは私自身が決めるのだから。
周りのことなど気にしなかった。

10年かかってしまったが、やっと私の一番欲しかった『明るく温かい家庭』を持つことが出来た。
今では、長男に子どもが生まれ、私もおばあちゃんになった。
あと何年生きられるのかわからないけど
このまま、幸せなまま
愛する夫と家族のそばで一生を終えたいと思う。



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