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困りごとに特化した授業|通級という選択肢

こんにちは。
今日は「通級」という子どもの発達支援制度についてご紹介します。

みなさんは通級という言葉を聞いたことがありますか?
私は数年前まで全く知りませんでした。

通級は、マイペースな子どもたちを支援する魅力的な制度のひとつです。
ぜひなんとなくでも知っていただけたら嬉しいです。

通級とは

通級は、特別支援学校ではなく通常学級に通う子どもたちが受けられる支援制度です。

通常学級に在籍し、一部の授業を別の学校や教室で行う

通級とは、発達障害などを抱える子どもたちが、普段は通常学級に在籍して学び、一部の授業については別室やほかの学校で指導を受ける「通級指導」を指します。

通級では、国語や算数といった科目の学習を行うのではなく、生活の困りごとを改善するための「自立活動」を行います。
読み書きや対人関係が苦手な子ども、体幹ができておらず椅子に座り続けることが困難な子どもなど、個々の苦手を軽減する目的があります。

指導は子ども一人ひとりに合わせたカリキュラムをもとに行われ、教員ひとりに対して子どもがひとり、または4~5人の少人数で授業が開かれます。

特別支援学校や特別支援学級とは異なる

通級は、障害のある子どもたちに向けた「特別支援学校」や、基本的に全ての授業を通常学級とは異なる教室で受ける「特別支援学級」とは別の仕組みです。

支援学級についてはこちらの記事で紹介しておりますので、よろしければご覧ください。

通級の魅力と課題

日常の困りごとを軽減するカリキュラムが充実

例えば、集中することが苦手で、気になることがあると思いのまま話してしまう子どもには、最初に今日の授業で勉強することを説明し、集中を促します。授業の中で休日の出来事を思い出し、お話してもらうことで、順序立てて話す練習を行います。

また、対人関係が苦手な子どもたちには、小集団学習を行い、ミニゲームなどを通してルールを守ることの大切さや気持ちの折り合いをつける力を育みます。

送迎や教員不足がネック

通級学級は、周辺の学校の子どもたちが集まって行います。普段通っている学校で通級が開かれている場合は移動の必要がありませんが、そうでない場合は近隣の学校へ保護者が送迎を行うのが一般的です。

そのため、おとうさん・おかあさんの時間が拘束され、仕事に支障が出てしまうこともあるのです。

また、通級の教員不足も深刻化しています。発達障害に関する専門的な知識を持たない先生が、通級指導を担当する場合もあります。

まとめ|よりハードルの低い通級制度となるように

通級は、学校現場でその子どもに必要な学びを提供できる、とても魅力的な場です。

しかし、保護者の昼間の支援が不可欠であることや、より専門的な指導者の必要性など、今後も改善が求められる支援制度でもあります。

一般的な公立学校に通う場合、【発達支援を求めるなら「特別支援学級」】というイメージがまだまだ強いかと思われます。しかし一方で、国語や算数など教科ではなく、生活の困りごとに特化した学びを必要とする場合は、通級指導が適しています。

通級指導がよりハードルの低い選択肢となるよう、国や自治体の工夫が求められています。


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