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するりと

人見知りはしないが愛想がいいわけでもない。
そんな曖昧なところをすり抜けて、今に至る。

一度全てを分かっているつもりで相手に寄り添い痛い目にあった。とても、幼い頃に。いつも、何をやっても、どうなっても、この記憶に体験にすべてが重なっていく。
どれだけ信じても無駄なように、だけど淡い期待をどこかに感じていたくて。

壁があるといわれるならいくらでも取っ払いたいし嘘はつかない。なのに、そう思われない。近付かれれば怖いし離れるのは悲しい。
その曖昧さを、落ち着く場所を、もうずっとずっと探している。辛抱強く付き合ってくれていても、差し出された手を断っていたらいつまでもこのままなこと、もう十分に分かっているはずなのに。

また、冬がきてしまう。

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