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長編小説『陽炎、稲妻、月の影』まとめ【完結済】

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記憶喪失の地縛霊と霊能力者の女子高生が、校内の心霊現象を解決していく物語です。
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#霊能力者

【長編小説】陽炎、稲妻、月の影 #1

第1話 揺らめきの邂逅――(1)  僅かに初夏の空気を含み始めた春風が、ふわりと廊下を吹き…

四十九院紙縞
6か月前
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【長編小説】陽炎、稲妻、月の影 #2

第1話 揺らめきの邂逅――(2)  ほどなくして到着したのは、第二特別教室棟一階にある第…

四十九院紙縞
6か月前
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【長編小説】陽炎、稲妻、月の影 #8

第2話 延長線上の哀歌――(6) 「よう、戻ったぜ」  小脇に小さな箱を抱えたアサカゲさん…

四十九院紙縞
5か月前
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【長編小説】陽炎、稲妻、月の影 #10

第2話 延長線上の哀歌――(8) 「なんだ、居るじゃねえか、大桃先輩。来いよ、あんたに話…

四十九院紙縞
5か月前
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【長編小説】陽炎、稲妻、月の影 #12

第2話 延長線上の哀歌――(10)  朝からいろいろとあったが、気を取り直し、放課後――…

四十九院紙縞
5か月前

【長編小説】陽炎、稲妻、月の影 #13

第2話 延長線上の哀歌――(11)  それから期日まで、ピアノの練習は滞りなく行われた。 …

四十九院紙縞
5か月前

【長編小説】陽炎、稲妻、月の影 #14

第3話 死神の見識――(1)  旧校舎音楽室の一件から二週間が経ち、衣替え移行期間が始まったことで、校内で夏服の生徒を見かけることが多くなってきた。  それ以外の変化といえば、俺がほぼ毎日、遅くとも放課後には意識が浮上するようになったということだろうか。  仕組みは全くわからないが、この間のように、気がついたら一週間も経っていたというのは、ただただ恐怖しかない。今日がアサカゲさんたちと会える最後の日になるかもしれないと怯えながら一日を終える可能性が低くなるのではれば、俺とし

【長編小説】陽炎、稲妻、月の影 #15

第3話 死神の見識――(2)  校内の要所要所に護符を貼り、結界を補強する。  言葉にして…

四十九院紙縞
5か月前

【長編小説】陽炎、稲妻、月の影 #16

第3話 死神の見識――(3)  結界の補強作業を始めて、一週間が経過した。  進捗は順調だ…

四十九院紙縞
5か月前

【長編小説】陽炎、稲妻、月の影 #17

第3話 死神の見識――(4)  第一図書室で発生していた怪奇現象は、幽霊不在のポルターガ…

四十九院紙縞
5か月前
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【長編小説】陽炎、稲妻、月の影 #18

第3話 死神の見識――(5)  ハギノモリ先生から詳しく話を聞き出したかったが、ほどなく…

四十九院紙縞
5か月前

【長編小説】陽炎、稲妻、月の影 #19

第3話 死神の見識――(6)  とうの昔に止まった心臓の鼓動がばくばくと跳ね上がる錯覚を…

四十九院紙縞
5か月前
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【長編小説】陽炎、稲妻、月の影 #20

第4話 天秤に掛けるもの――(1) 「ん? なんだあいつ、あんなところに蹲って。おーい!…

四十九院紙縞
5か月前

【長編小説】陽炎、稲妻、月の影 #21

第4話 天秤に掛けるもの――(2)  翌日。  普段、特別に呼び出しがかからなければ、放課後近くに出現している俺が、自発的に十時半には出てくることに成功した。アサカゲさんが可能な限り授業を受けられるよう、早起きできたら良いと念じてはいたが、まさか成功するとは思わなかった。生前の記憶は一向に戻らないが、最近、なんだか身体の調子は良い気がする。  さて、と一息ついて、俺は行動を開始する。  アサカゲさんやハギノモリ先生と違い、俺は校内の異変には気づけない。それを補う為には、とに