【長編小説】陽炎、稲妻、月の影 #14
第3話 死神の見識――(1)
旧校舎音楽室の一件から二週間が経ち、衣替え移行期間が始まったことで、校内で夏服の生徒を見かけることが多くなってきた。
それ以外の変化といえば、俺がほぼ毎日、遅くとも放課後には意識が浮上するようになったということだろうか。
仕組みは全くわからないが、この間のように、気がついたら一週間も経っていたというのは、ただただ恐怖しかない。今日がアサカゲさんたちと会える最後の日になるかもしれないと怯えながら一日を終える可能性が低くなるのではれば、俺とし