マガジンのカバー画像

短編連作小説『透目町の日常』まとめ

15
短編連作シリーズ『透目町の日常』をまとめました。基本的には一話完結なので、気になった作品からご覧いただければ幸いです。
運営しているクリエイター

#足音

短編連作シリーズ『透目町の日常』を紹介する

はじめまして、四十九院紙縞と申します。 この記事では、唐突に投稿を開始した短編連作シリーズ『透目町の日常』についての話をしていこうと思います。 通りすがりに偶然この記事を見かけたかたに興味を持っていただければ幸いです。 やんわりと世界観の話と、現時点で投稿している作品の紹介をしていきますが、この記事を読まないとこのシリーズの世界観がわからなくなるということは決してありませんので、ご安心ください。 「透目町」とは 物語の舞台となる「透目町」とは、架空の町です。 町の名前

【短編小説】葬式のときに稀に現れる『沙汰袈裟さん』に遭遇した「私」の話

『沙汰袈裟さん』  十月某日、私は義母の葬儀に参列する為、妻と共に透目町を訪れていた。  妻である詠未の実家がある透目町は、普段私達が暮らしている場所からは、飛行機や新幹線を使わなければならないほど遠方にあり、盆と正月に帰省できれば良いほうだった。  詠未の地元は、とても穏やかな空気が流れているように感じる。今回は、平時であれば帰省しない秋口ということもあって、余計にそう思うのかもしれない。  まるで、全て赦されていくような。  或いは、全て飲み込んでいくような。  私の乏し