28本目「貴公子」【ネタバレなし】


※本文は全て無料です。

新宿ピカデリーにて

映画についての基本情報

公開日:2024/4/17
監督:パク・フンジョン(韓国)

フィリピンで暮らす貧しい青年マルコは病気の母のため、地下格闘で日銭を稼いでいた。ある日、マルコはこれまで一度も会ったことのない韓国人の父が自分を捜していると聞き、韓国へ向けて旅立つ。マルコは飛行機の機内で、自らを「友達(チング)」と呼ぶ怪しい男「貴公子」と出会う。美しい顔立ちで不気味に笑う貴公子に恐怖を感じて逃げ出すマルコだったが、執拗に追われ徐々に追い詰められていく。

貴公子 : 作品情報 - 映画.com (eiga.com)

まえがき

今でこそ当たり前に韓国映画を観る私であるが、ほんの3~4年前は全くそうではなかった。とかくハリウッド一辺倒だったのである。
ハリウッド映画に出ている韓国俳優(当時で言うならイ・ビョンホンとか)は知ってたし、「ええ身体してはるわー」と思ってたのだが、それだけ。

そんなある日、Netflixである映画を観かけたのである。「THE WITCH 魔女」。若い女性が拳銃を構えているバナー、今にして思えばネタバレ100%のそのバナーを何の気なしに押してみた映画が、韓国映画を本格的に観る様になる初めの一本となったのであった。

「え?なんで関係ない映画の話してるん?」と思ったそこの貴方。
関係なくはないのだ。このnoteで紹介しようとしている「貴公子」の監督は「THE WITCH 魔女」と同じ。「THE WITCH」の二作目こそちょっとアレな感じだったものの、アクション映画を撮らせたら間違いない監督であろう。

こんな感じの期待を胸に、ペーパーは劇場に向かった。

感想など

結論から言うと、期待を裏切られることはなかった。

主人公は、ボクサーとして生計を立てている、ええ身体(劇中でも結構驚かれてる)している青年だ。ええ身体をしているし、実際身体能力も高いのに、アクション映画の主人公とは思えないほど肝が据わってない。めっちゃ逃げる。

そして追うのが三つ揃いに身を包んだイケメン。
こいつがまぁ、よくしゃべるよくしゃべる。身なりも車も高級そうなのに、どこか小市民なボヤキをよくするのだ。「僕はプロだから…」とめっちゃ連呼するおしゃれ殺し屋である。笑顔が「ニコっ」って感じではなく、「ニッ」と片方の口角を引き上げる感じなのがクール。

他にも、ひげが薄いワルの金持ちとか、表情が硬いその妹とか、多種多様の濃キャラたちが軽口を叩きあいながら殺伐とした立ち回りを演じるのである。

「THE WITCH 魔女」もそうだったが、ストーリー上のどんでん返し自体は大したものではない。観てれば途中で「まぁ、そういうことね」と理解できるレベルだ。真相なんかも、驚くほどバッサリ割り切られている。
思うに、この監督は多少意外性があってアクションが取れれば、ストーリーはそこまで重視しないのであろう。


ペーパーお勧め度

★5。
アクションは少々控えめだが、アクの強い登場人物を観てるだけでスカッとするであろう。三つ揃いのスーツが欲しくなるぜ。


ここから先は

0字

¥ 100

この記事が参加している募集

映画感想文

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?