33本目「タイガー 裏切りのスパイ」【ネタバレあり】



新宿ピカデリーにて

※本文は全て無料です。

映画についての基本情報

公開日:2024/5/3
監督:マニーシュ・シャルマ(インド・ボリウッド)

インドの国家諜報機関RAWのエージェントであるタイガーは、アフガニスタンでの任務中に危機に陥った仲間のゴーピーを救出に向かうが、ゴーピーはタイガーの妻であるゾヤが二重スパイだという言葉を残し、命を落とす。妻への疑念を抱いたまま日常生活に戻ったタイガーだったが、次の任務でロシアに赴いた際、ゾヤがタイガーに襲いかかってくる。

タイガー 裏切りのスパイ : 作品情報 - 映画.com (eiga.com)

まえがき

以前、別の映画のnoteで「インド映画はボリウッドが好き」と書いた気がする。

ざっと再びおさらいすると、私が好きなボリウッドはヒンドゥー語映画。日本で話題になった「RRR」とか「バーフバリ」は「トリウッド」と呼ばれるテルグ語映画だ。ぶっちゃけ、言語的な違いはあんまり気にならない。
だって両方分からないもの…。

ではなぜ私が「ボリウッドが好き」と言うのか。それは、ボリウッドがより「ハリウッド的」なハチャメチャアクションを提供してくれるからだ。
あんまり郷土性を感じさせないというか…そんな感じだ。
もちろん、地政学的なお約束はあるのだが。パキスタン人は絶対一人は味方になるし。

その「ボリウッド好き」に昨年火をつけたのが、シャー・ルク・カーン主演の「PATHAAN」である。還暦近いとは思えぬ圧倒的に美しい腹筋と色気を見せつけるSRK、そして愛国的ベタベタなストーリーと「そうはならんやろ」と言いたくなるアクションに私はすっかり参ってしまった。

その「PATHAAN」は制作会社であるヤシュ・ラージ・フィルムズから、「YRF SPY UNIVERSE」の始まりとして打ち出された。
過去に同社が作成したスパイアクション映画、「タイガー」、「WAR」を束ねてシェアード・ユニバースを展開しようというのだ。

そう、「タイガー」である。
本作は「タイガー」シリーズの三作目となっているが、時系列的には「PATHAAN」の後に続く話となっている。「PATHAAN」の続編ともいえる
本作を、観ない選択肢があろうか。ないのだ。

私は劇場へと向かった。

※「タイガー」シリーズの一作目は当時日本で上映されたが、現在は配信なし、DVD絶版。二作目は日本未公開。公開してくれー!

感想など

余りに高い期待値をもって挑んだのでどうなるかと思ったが、それを裏切らぬハチャメチャ・アクション・ムービーであった。満足じゃ。

ストーリー自体はベタベタなのだが、インド映画特有のツメコミによって映画二本分くらいの展開を見せるダイナミックさ。

過去作の登場人物が登場しては退場していくのも、ファンサービスとしてよいのだろうか?(疑問形なのは、退場の仕方が「死ぬ」がほとんどのため)

待ちかねていたパターンことシャー・ルク・カーンの登場シーンもド派手で大満足。「PATHAAN」の時はパターンの脱獄をタイガーが助ける形だったが、今回はその逆をいくのもアツい。
YRFのユニバースでは、タイガーが腕力担当、パターンが知力担当らしい。
知力?そんな描写あったっけ?

本作ではほとんど、妻の母国であるパキスタンの和平派のために戦うことになる。その動機を聞かれて「妻の実家を婿が助けるのは当然だ」とニヤニヤ嘯くタイガー。このダサ格好良さ。これだよ、俺が求めているものは!
昨今のオシャレ・リアル路線・ハリウッドから失われつつあるもの、それがこのボリウッドには生きている!タイガーは生きている!

唯一の心残りはダンスシーンがマジで少ないこと。
歌のかかるシーンは劇中にもあったけど、本格的なダンスシーンはエンドロールだけ。最近インド映画慣れしてきた身としては、これはちょっと寂しい。

ペーパーお勧め度

★4.5。
インド映画であることを抜きにしても、十分満足できるド派手・アクション映画の良作。

過去作の登場人物やパターンの登場に多少戸惑うかも知れないが、「過去作の人」くらいに思ってれば大丈夫!

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