21本目「デューン 砂の惑星 PART2」【ネタバレなしの方】
※本文は全て無料です。
映画についての基本情報
公開日:2024/3/15(筆者が見たのは先行上映)
監督:ドゥニ・ビルヌーブ(アメリカ)
まえがき
突然だが、読者の皆様は「IMAX」というものをご存じであろうか。
簡単に言えば、「映画館の中でも特にデカくて、鮮やかなスクリーンの規格」である。ただデカいだけでなく、専用のカメラを用いるために縦横比も普通のスクリーンと異なる。縦に長いため、普通のスクリーンではカットされてしまう部分まで映像が見えるのだ。
今回筆者が観に行ったのは、そのIMAXスクリーンの中でもさらにデカく情報量が多い、「IMAXレーザーGT」版の「デューン 砂の惑星 PART2」である。
「IMAXレーザーGT」スクリーンは日本に2ヵ所しかない。まさに最大にして最高の環境で観に行くことができたと言えよう。
なお、今作の視聴後に原作小説であるフランク・ハーバート著、酒井昭伸訳の「デューン 砂の惑星〔新訳版〕」を読んだ。そちらとの差分やネタバレを含む感想は、別記事にまとめたいと思う。多分まとめると思う。まとめるんじゃないかな。
※本作は2021年に公開された「Dune 砂の惑星」の続編である。
「前回までのあらすじ」等もなく、それなりの量の登場人物がなんの説明もなく出てくるので、前作の視聴はマストだと思ってほしい。
感想など
さすがに圧巻の映像であった。
壁一面のスクリーンに、どこまでも延々と広がる砂丘。林立する兵士の群れ。闘技場の大観衆。とにかく情報量がすごい。この映画は最低でも映画館で観るべき作品であろう。自宅の画面では見えないものが多すぎるよ。主人公を演じるティモシー・シャラメも相変わらず「美少年」という概念の化身といってよい美しさであった。
半面、ストーリーは「?」が浮かんだり、何なら嫌悪感を持つような描写が多かった。この世界、敵も味方も倫理観が本当にない。
前作では主人公が属するアトレイデス家がほぼ族滅の憂き目にあい、主人公と母親だけが砂漠で生き延び、捲土重来を期すところで終わった。
今作ではその復讐がなされようとする部分なのだ。スター・ウォーズで言えばエピソード6「ジェダイの復讐」に当たる部分のはずだった。
しかし、見た後の印象やいかに。もはや「帝国の逆襲」である。
ここで「帝国」を感じさせるのは主人公側。
手段を択ばず砂漠の民を掌握し、その戦闘力を以て復讐を成し遂げるのだ。
この「手段を択ばず」という点には全く誇張がない。
砂漠の民の信仰を利用し、本当に悪辣な方法をつかう。
前作の「ザ・主人公」といった趣のポールを気に入っていた人は辛い時間になるだろう。
※念のため書いておくが、原作での主人公たちの書かれ方は相当批判的である。映画ではまだヒロイックに寄せて改変されてるが、それでもなお、倫理的に不味いのだ。
ペーパーお勧め度
★2or★5。
映画館で観るなら★5。
自宅で観れるのを待つなら★2。
映像美は素晴らしいが、ストーリーに嫌悪感を抱く人は結構多いと思う。
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