20本目「ストリートダンサー」【ネタバレなし】
※本文は全て無料です。
映画についての基本情報
公開日:2024/3/1
監督:レモ・デソウザ(インド、ボリウッド?)
まえがき
インド映画を観るようになってさほど日が経ってない私である。
皆さんはどうだろうか?やはりインド映画といえば「ダンス」のイメージが強いのではなかろうか?私は強い。
インド映画を観た後は、Amazon Musicでサントラを聞きながら帰るのが最近のルーティンである。なぜかあるのだ、Amazon Musicには。
先日、「ザ・フェイス」を劇場に見に行った際、この映画の予告編を見た。
世界が懸かったスパイ対決でも踊ることを欠かさないインド映画、さらにテーマをダンスにしたらどれほど踊り狂うのだろうか?そして予告で観るだけでも十二分に満足できそうなダンスのキレ。観に行かない理由はなかった…。
※この映画の現代は「Street Dancer 3D」。つまりシリーズ3作目らしいのだが、シリーズ各作でキャラクターは一新されてるので、今作だけでも問題ないよ!
感想など
一言でいうと「期待通り」。
2時間半強の上映時間中、体感でも60~70%はダンスしてたのではなかろうか?
若者にありがちな粋がりも、意地も、葛藤も、全てダンスと曲に込められている。生意気なガキを黙らせるのもダンス。その技量も素晴らしいが、登場人物の心の動きがダンスの中に込められ、それでいて動きはダレることがない。キレッキレの動きのまま、沈んだ心すらも表現できる表現力は本当に素晴らしい。
かといって、ダンスと音楽でトリップさせるだけの映画かといえば決してそうではない。ストーリーには相応に重いテーマを設けられている。
ボリウッド映画では毎回目にするインド・パキスタン間の確執や、イギリスから帰りたい不法移民の問題を扱いつつも、後味さわやかな王道ストーリーが展開される。
直情径行で目先のことしか見えず、はっきり言ってバカな男性主人公と、ふとしたキッカケで不法移民問題を気に留めるようになった女性主人公の対比も鮮やか。
主人公は二人ともロンドンで何不自由なく暮らす上流階級なのだが、その何も知らない立場から分かれる反応、取るアクションにそれぞれの個性が強く出ているのだ。
特に、不法移民問題に実は当事者としてかかわってしまったのに見ぬふりを続け、兄の期待に応えようとするあまりその兄をすら裏切ってしまう男性主人公の人間としての至らなさ、弱さはかなり身につまされるのではないだろうか。
総じて、「友情・努力・勝利」の王道シナリオが好きな人には刺さるストーリーといえる。
ペーパーお勧め度
★5。
本当に、観に行って全く損はない一作なのだが、上映回数が少なすぎるよ…。
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