アフターコロナ
どうも。Paparazzi PanicのボーカルとART HOUSEブッキングとPAのノリオです。
まず始めに「桜」のPVを購入してくれた方々、"桜大作戦"に御協力して頂いた皆さん本当にありがとうございます。何度言っても足りないので何度でも言います。
自分達の音楽の映像作品に¥500という値段をつけさせて頂いた上に、購入方法も決して簡単では無く、一手間も二手間も掛けさせてしまう仕組みだったにも関わらず本当に多くの人が映像を購入してくれて心より感謝致しております。
御協力して頂いた皆様からの暖かいお言葉や、何よりも素敵な桜の写真でいっぱいな映像を皆さんと共作出来たこと、現在の神戸ART HOUSEスタッフみんなが出演する映像作品が残せたこと、ART HOUSEという一つのライブハウスがどれだけみんなから愛されているか再確認出来る素晴らしいプロジェクトになりました。
"桜大作戦"で皆さんから御支援頂いた金額は、色んなライブハウス支援プロジェクトやアルカラチームが1枚〇千円するTシャツを販売して得られる支援金と比べると、ART HOUSEという一つのライブハウスの経営を太い幹で支え続けられる金額とまではもちろん言えないです。それは僕個人の力不足に他ならないです。もちろん俺がめちゃくちゃ有名人なら、Paparazzi Panicがめちゃくちゃ売れっ子バンドなら支援金の規模が全然違ってたと思います。
ただART HOUSEの通常営業がままならなくなり、何か現段階で自分達に出来る最善の支援策はないかと"桜大作戦"を思いつき、「こういうプロジェクトをやりたいんです」と発表した時の反響と、映像を購入して頂いた方、¥500以上の御支援を頂いた方の数は俺の当初の予想を何倍も何百倍も上回っていました。
自分達らしいプロジェクトが作れた事、人間味のある支援が皆様のおかげで出来ました。ありがとうございます。
もちろん引き続き御支援頂きたいですし、このプロジェクトをまだ知らなかった方にはこれを機に、素敵な映像作品に仕上がりましたので、是非Paparazzi Panicの「桜」という曲の映像をご購入頂ければと思います。もちろんここから先の売上金も全額ART HOUSEに全額寄付させて頂きます。下記のリンクから購入出来ます。
https://note.com/paparazzipanic/n/n56d122d8f660
noteの仕組み上、5月末の決済後の6月に皆様には一度途中報告にはなりますが"桜大作戦"で集まった支援金をご報告させて頂こうと思っています。
現在進行形で自分達の大事なライブハウスを守る為に様々な支援活動とプロジェクトが動いています。明らかに兵庫より大変な東京からアルカラチームがART HOUSEを支援して頂けている事には本当に感謝と尊敬の念を抱くしかありません。偉大な先輩です。発言よりも行動が全てです。信じられるのは批判を恐れずかっこいい行動を取る人です。俺も引き続き自分に出来る範囲の事で行動を起こしていこうと思います。
安倍総理が14日に39県における緊急事態宣言の解除を発表したものの「特定警戒都道府県」の中の東京、神奈川、千葉、埼玉、大阪、京都、兵庫、北海道は引き続き緊急事態宣言の対象地域で、外出自粛が要請されるみたい。
あくまで俺の感覚として話すけど、緊急事態宣言が解除されてもコロナの特効薬が存在しない内は「ヤッター!」みたいな感情は産まれない。むしろ緊急事態宣言も自分の中ではさほど意味を成していない。なぜならライブハウス関係者やエンタメ業界は安倍総理が声高々に「緊急事態宣言を発令します」と言う頃にはとっくに緊急事態だったから。
この期間中に"元通りの生活"を望むことを諦めました。希望ばかり抱くよりも絶望を楽しむ事に切り替える事にしました。
緊急事態宣言が解除されてもライブハウスやエンタメ業界は大人数を一箇所に収容してのイベントは当分開催出来ないまま。
生活の基盤となる職場、大事な家族、身近にいる大切な人を守りたいと思うほど、ライブハウスみたいに大人数が集まる場所に行くという行為への罪の意識は増幅します。
"自分がコロナに感染しない事"だけが大切な人と場所を守る唯一の手段。
だから"行ってはいけない"と政府から言われてる場所で感染しましたはシャレになりません。むしろ自分が何年も掛けて築き上げてきた信頼を一瞬で失う結果を産んでしまいます。
ここから先はライブハウス業界のみの話に絞ります。
色んなリスクマネージメントを考えるとどこのライブハウスも当面は配信ライブという方法を選ぶしかなくなります。
バンドマンも以前のように「ライブあるから観に来てよ」と言えないし、言ってはいけない状況のまま。自分が呼んで来てくれたお客さんがコロナに感染した場合に取れる責任はバンドマンにもライブハウスにもありません。
必然的に無観客配信ライブという方法を選ぶしかライブハウスの営業再開の方法はない。もしくはソーシャルディスタンスを保てるギリギリのラインでの人数限定ライブか。
Paparazzi Pasnicはまだ無観客配信ライブをしたことがありません。無観客配信ライブをPAとしてサポートさせて頂いたことはあるけども。
無観客配信ライブは最高だった現場を知るものとしては本当に寂しい。曲終わりの拍手だったり、目の前のお客さんとのMC中のラフな一コマだったり、演奏中のみんなの空気感や現場でしか味わえない緊張感、今まで当たり前だったライブの空気がどこにもないので。
これもあくまで俺個人の意見ですが、ライブ当日にやるセットリストを決める際、当日の対バン相手があの曲好きって言ってくれてからとか、あの人が来てくれるからとか、いつも来てくれるみんなが飽きないように久し振りのあの曲やろうとかそういう決め方とモチベーションでライブを作ってました。もちろん配信だとしても聴いてくれてるみんながいてくれたら全力を出すし、嬉しいよ。
ただ今まで目の前の人に向かって歌って来たし、目の前の人に届くように作って来た曲達なので目に見えない人達に届けようと思うと自分達のライブのやり方やバンドとしての在り方を根本から変えていかんとダメな気がしてます。
ライブめちゃくちゃかっこいいアーティストでもテレビで見るとちょっとダサく見えたりするあの感じ。どっちでもカッコ良くないとあかんやろって言われるかもですが、テレビ向きのやり方とそうじゃないやり方は絶対存在するし、テレビ向きのアーティストとそうじゃないアーティストって絶対存在する。
みんながみんなテレビ向きのアーティストになっていってしまうと音楽の幅ってものすごく狭くなっていってしまう気がします。俺の好きなアーティストでテレビに出てもかっこいいし、ライブでも抜群やしって思うアーティストはもちろんいます。どっちでも最高なライブが出来るそのアーティストもテレビでかっこいいライブが出来るようになるまでものすごく色々試行錯誤して頑張ってたのだと思います(上から目線じゃないよ)。テレビに出るアーティストを批判する気は全くないです。俺も全然Mステ観るし。(笑)
ただ、テレビで観るアーティストのライブやテレビでよく流れる音楽だけで完結して現場(生のLIVE)を知らずに育つ音楽とかバンドで溢れかえるのだけは怖いなと思ってます。(俺の心配なんて無意味でアフターコロナの新しい時代に度肝を抜かれるカッコいい音楽がバンバン産まれるかもしれないですが)
配信ライブの話に戻します。
配信ライブにはメリットももちろんある。今までライブハウスを敬遠してた人や、現実的にライブに遊びに来ることが出来ない遠方の人、身体的な問題でライブハウスに遊びに来ることが出来ない人にも自分達のライブを届けることが出来るし、自分達のライブを見たことがなかった人の目に写ることが出来る。観る側の利点はなにせ自宅からライブが見られるし、交通費も掛からない。ネット環境のある場所なら好きなアーティストのライブをどこからでも楽しめるという点。アーカイブが残らないものなら時間の縛りはあるものの、アーカイブが残るものなら時間の制約もなくその日のライブが観られるという点。
ただ自分達のようなドが付くインディーバンドにとっては配信ライブの日常化はデメリットの方が多い。現場に行かなくても全国津々浦々で行われているメジャーアーティストからインディーアーティストのライブが観られる中で自分達のライブを観てくれる人というのはそもそも自分達のことを知って普段から応援してくれている人の可能性が限りなく高い。
自分達の音楽の良さをアピールする為にその場その場で全力を出す。いつも応援してくれている人達の為にも応援してくれる人の数を増やして大きなバンドになっていこうとする活動がモチベーションであり、自分達の頑張り方なんですが、新規の出会いの可能性が配信ライブ文化の広まりによって限りなく低くなるのではないかという不安に襲われてます。
もちろんそんな状況でもPaparazzi Panicもそうですし、俺の知る強靭なハートの持ち主であるバンドマンのみんなは1%の可能性だとしても精一杯頑張りますし、今まで通りバンドを続けると思います。
ただ政府の人が促してくる配信ライブというリスクマネージメントをしながらのライブハウスの営業再開はバンドマンにとってもライブハウスにとっても精神的にキツイものがあるというのが本当の所です。
アフターコロナというタイトルを付けたのはいよいよ"元通りの生活"ではなく、新しいライブハウスの在り方や、バンドマンとしての在り方を受け入れる覚悟が出来たからでもあります。
Paparazzi PanicとしてもART HOUSEスタッフとしてもみんなにはまだ発表していないここからの新たな試みやライブの予定も決まってます。
絶望から這い上がり"元通りの生活"よりも最高な世界と音楽を創造していけるようにただ今は歯を食いしばって日常を耐えて生きたいと思います。
長々とボヤキのような文章を読んで頂いた皆さんありがとうございました。
また元気に会いましょう!
では。
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