やっぱりバスケが好きという話。

つい先日からバスケットボールのBリーグが開幕して、日本のバスケ界がまた盛り上がっていますね。昨シーズンはコロナの影響でリーグ終盤は中止になったりしましたが、私が応援している広島ドラゴンフライズは無事今シーズンからB1に昇格していてとてもうれしいです。

昨日今日は強豪アルパルク東京と試合でしたが、2日間とも接戦で観ていてとても楽しかったです。王者はなかなか白星を与えてはくれませんでしたが、それでも白熱した闘いでした。

こんなにバスケを楽しめたのは久しぶりで、今とても気持ちが充実しています。


私は小中と8年間バスケをしていました。正直あまり楽しかった思い出はなくて、怒られ続けた8年だったなぁと思っています。

もともとは友達とバスケというスポーツができるんだ楽しいんだ、という認識で入ったのですが、スポーツチームがどういう場所かわからず入ってしまったのでひたすら辛かったです。なんでこんなに怒られてスポーツしなければいけないんだと子供の頃は思ってました(笑)

それでも小学校の頃のコーチはとてもいい人で、卒業するまで一人一人と向き合ってバスケをしてくれました。今でもバスケが好きだと思えるのは当時のコーチのおかげです。


中学も部活が少なくてバスケしかできるものがなかったのでバスケ部に入りましたが、この3年間がめちゃくちゃ辛かった。頑張ってもミスすれば怒られる。とにかく怒られる日々で、本当にやめたかったです。何をしても怒られるし失敗しなくて当たり前だから褒められない。それだけ期待されていたということだと理解していますが、それでも辛かった。

その中でも苦い思い出は、地域で選抜チームに参加して試合をした時のこと。選抜選手を2チームに分けて試合をしました。チーム分けをした指導者たちは互角のチーム力になるように分けたというのですが、生徒たちからしたらどう考えても偏りがありました。案の定、試合はアンバランスになり私が参加したチームはボロ負け。互角にしたはずなのに負けていることに納得がいかないチームの監督が試合中に言った言葉が「もう知らん、誰でもいいから好きに出て勝手にしろ」でした。

自分でチームを分けて指導しておいてそれはないよなと、今でも思います。地獄でした。しかもプロの前座試合だったので余計に辛かったです。


こんなことがありつつもなんとか3年間やり通したのですが、もうバスケが嫌いになってしまって二度とバスケはしないと卒業したときに決めました。


それからはバスケを見るのも嫌になってしまいました。辛いことから逃げた自分を自覚するのが嫌だったし、昔の複雑な思い出ばかり思い出されてしんどかったからです。心のどこかにバスケが好きだという気持ちは残っているのはわかるのですが、それよりもネガティブな気持ちが勝ってしまいました。


それから10年経ち…

(え、もう10年も経つのかと文章うちながら驚いています…)

それから10年経ち、数年前から地元広島にプロバスケチームができていたことを知りました。少し興味はありましたが、まだバスケに対する敬遠の気持ちが強かったので試合を見ることはありませんでした。

しかし今年からB1に昇格し、テレビ中継や特番が組まれることも増えて目にする機会が多くなりました。少しずつ力をつけていっているチームを見て、素直に尊敬しました。バスケというものを経験している分、選手に対するリスペクトが強くなっている自分に気づきました。そしてある日たまたまテレビをつけると試合中継が放送されていたので、そのまま見てみることにしました。

最初は眺めているだけだったのですが、次第に試合運びや選手のプレーに心が突き動かされて夢中になっていきました。また他のスポーツ観戦と違って私の中でルールなどの細かい知識がある分、さらに集中していました。

数年前に発足したチームがB1に昇格したばかりなのに、強豪と互角の闘いをしていることに驚きました。強い相手にどんどん立ち向かったり冷静にプレーする姿にも魅了されました。見ているうちにどんどん愛着がわいてきて、終わりごろには一人テレビの前で「いけー!決めろ!」などと叫んでいる自分が居ました。


こんなにバスケに夢中になったのは久しぶりでした。


バスケが楽しいと思えたのはおそらく小学校以来だと思います。本当にこの10年以上、バスケに対するネガティブな感情が抜けなくて苦しかったのです。バスケが好きな気持ちは確かに私の中にあるのに、過去の経験がその感情をふさぎ込むように思い出されるのが本当につらかったです。

でも10年という時間が経ったのもひとつあるのでしょうか、きっと少しずつ自分のなかで過去を許せるようになったのかもしれません。広島ドラゴンフライズの試合は、そんな私の背中を押してくれたようにも感じます。


ただバスケの試合を楽しんで観戦した。それだけなのですが、私にとっては長い長い呪縛から少し解き放たれたような気持ちになれたのです。好きなものを思う存分楽しめた喜びが、いまの私には溢れています。

私は辛くてバスケから逃げましたが、こうして極め続けて第一線で活躍している選手たちを見ると本当に尊敬します。応援したいと思えます。ここまで応援の気持ちが持てるのも、8年バスケを頑張ってきたからこそだとも思えます。

これからもドラゴンフライズを応援し続けます。そして、ドラゴンフライズを介して私もバスケを楽しみたいなと思っています。


ぱんなこった

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