見出し画像

"組織のアジャイル化" を答え合わせする5つの質問

 「組織のアジャイル化」を実績として語れるというのは実に大したもので、人様にそう言ってのけるには相応の勇気というか、背負っているものがないと言えたものではない。

 そもそも、組織という言葉自体が既に範囲不明確(1チームでも組織)で、「アジャイル化」という分かっていそうでたぶん分かってない言葉で表現してしまっていたりすると首を傾げざるを得ない。

 というわけで、Validationのための質問を考えてみた。

「アジャイルとは何か?」

 どの切り口でのアジャイルの話をしているのか。プロセスとしてのアジャイル、チーム活動としてのアジャイル、組織としてのアジャイル、価値観としてのアジャイル。様々なレベルのアジャイルという言葉が用いられる。そもそも、あなたの言っているアジャイルとは何か。どこかの本の引用ではなくて。どんな言葉でアジャイルを表現するか。最初から実は難しい問い。

「"組織のアジャイル化"として、何をしたのか?」

 研修しただけなのか、1つのチームのアジャイルについてなのか、部門単位なのかそれとも組織まるごとなのか。「組織」という言葉で表す範囲、規模感は不明確になりやすい。

 加えて、「組織のアジャイル化」という言葉自体が表現としてあっているのか。とにかく何かやれば良いわけではない。クライアントは何を期待していて、だから何をしたのか、その合目的性。本読んだら分かるレベルの内容の研修は誰でもできる。

「どんな結果が出たのか?」

 "組織のアジャイル化" なる働きかけでどんな効果、成果が得られたのか。具体的にどういう人達がどう変わったのか。それは今も続いているのか。まさか、"組織のアジャイル化"を働きかけの行為側から語っているだけではあるまい。

 その後直面している課題とは何か? Be agileのジャーニーに「課題がきれいに無くなりました!」なんてことはありえない。組織が自律的に課題に挑み続けている、という状態が存在するか。

「どうやって広げたのか?」

 "組織のアジャイル化" なるものを広げるためにどんな手を取ったか。全員集合研修?1チーム伴走してあとはクライアント任せ? 組織に広げていく際の課題は何か。そのための作戦は何か。そして、実際に広がっているのか。どうやって「広がっている」ことを測っているか。

「そして、あなたは何をしたのか?」

 どういう役割を果たしたのか。苦労話の1つや2つ聞かせて欲しい。もちろん、会社の実績と、個人の実績は違うから、あなたの経験を話して欲しい。この質問は最初の「何をしたのか?」という質問とつながっている。自分は何をする者なのか、という問いの答えになっていたか。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?