市谷 聡啓 (papanda)
うちも冷やし中華はじめました的DX
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うちも冷やし中華はじめました的DX

市谷 聡啓 (papanda)

 中小企業から超大企業まで。地方から首都圏まで。業界も金融、小売、製造業など幅広く、DXに挑もうとする方々と日々をともにしている。

 DXとは「組織の作り変えへの挑戦」に他ならないから、この試みに居合わせてもらえるのは役割冥利に尽きるというもの。専門家として支援をしながら、それでいて、その姿勢、思いの強さ、組織のこれまでの歴史ともいうべき営みから学ばせていただくことも多い。

 その一方で、至極残念な取り組み方にも遭遇をすることがある。

 なるほど、これは上手くいかんだろうなと思うDXは、「組織がやるっていうもんで、はじめましたDX」。成功事例を追い求め、そんなものが無いということに突き当たったのちに、最終的に外部に戦略づくりを丸投げ。一休さんの屏風のトラDX(絵に書いただけのDXで進めようがない)まっしぐら。

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 この手のDXはいわば1周目。1周目を終えてから、またお会いしましょうになる。

 もう一つは、トランスフォーメーションと言いつつ、これまでの経験と判断を拠り所にしたDX。実はこちらのほうもかなり厄介。良かれと思って取り組み、また考え方ややりようが「正しい」ものだから修整が入ることがない。

 もちろん、ここでいう「正しい」とは、あくまでこれまでの考え方、やりようと一致しているという点での「正しさ」だ。これまでの経験と判断基準が通用するならば、なんで今までトランスフォームが進まなかったのか? このパラドックスにどうか気づいてほしい。

 まじめにこれまでの経験に基づいて、これまでと同様の妥当な判断を行おうとするほどに、「うちも冷やし中華はじめました」みたいなDXが成り立つのである(最初の「組織がやるっていうもんで、はじめましたDX」に戻る)。「組織の作り変え」なんて遠い世界。これまでの仕事の延長線でしかない。

 DXとは、組織的な学び直しに他ならないこれまでの、ではなく、これからの判断基準と考え方とやりようと手に入れるために、仮説を立て検証し学びを得ていく活動なのだ。まず、真っ先に自分の判断とふるまいが本当にトランスフォームに繋がるのか、むきなおった方がいい。

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