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次の段階へ行くときの見極め方

 「なるほど。しかし、この取り組みの実績はあるのですか?」

 新しい取り組みに挑む際に、必ずと遭遇する言葉。事例、実績はあるのか。この手の言葉と20年くらい戦っている気がする。それだけ、挑戦を繰り返しているのだ、と言えばそうだが、現実に進まないことには実りも少ない。

 だから、物事を進められるように、少なくとも最初の一歩を踏むための「語れる何か」が必要になる。アジャイルもそう、仮説検証もそうだった。最初の頃が特に正念場になる。

 ただし、ある一定のトラックレコードが出せると、指数関数的な曲線を描くにように、受け入れられるようになる(この手の極端さがまた次の危うさを生むことになる)。

 ゆえに、「話を聞いてくれる人を相手に選ぶ作戦」に走ることになる。いわゆるアーリーアダプター。物事は進むし、トラックレコードにもなる。一方で、コンフォートゾーンにはまる可能性もある。面倒な話をしなくても、前に進められるなら、そこでやっていれば良いじゃないか、と。

 やがて、その取り組みはニッチ化へと進む。知る人ぞ知る、というかほとんど誰も知らない。世の中には我々が気づいていないだけで、独自の方法論なるものやフレームワーク、技術を背負っている人がごまんといる。個人のレベルでは、それでも満たされるのだから、問題ない。

 でも、そういうことで良かったのだっけ? 

 おそらく思いあふれるWHYがあって取り組み始めたことだったのに、HOWが理解できる小集団で満足してしまう罠に名前はついているのだろうか。すべてのジャンルはマニアが潰す問題。

 一定の抵抗感を感じなくなってきたら、その場所の安らぎは手放した方が良いのかもしれない。もう、一定の人が理解できるようになったのだ。あなたは次に行く段階なのだ。

 DX方面では、アジャイルへの抵抗はずいぶん小さくなっている。仮説検証も、数年前に比べると小さくなったと感じる。私もそろそろ次の段階へ行くことにするよ。

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