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リーダーとマネージャー、必要なのはどちら

 物事の整理の仕方として、相反する2項を挙げて、対比させることが多い。例えば、アジャイルと、ウォーターフォール。デザイン思考と、ロジカル思考。今回のように、リーダーと、マネージャーも。

 古典的な定義として、

「正しい物事」を行うのがリーダーで「物事を正しく行う」のがマネジャー

という比較が挙げられる。典型的な二項対立による解釈の仕方。

 正しい物事を行う、つまり、その状況に最も適したこととは何かを見定め、前提や制約に囚われず、実行に移すのがリーダー。一方、マネージャーは、ある決められた物事が期待どおり完遂されるように働きかける役割。

 こうした対比を行い、どちらが求められるか?を問うと前者を挙げたくなる。わかりやすい正解を挙げにくくなった社会において、状況を突破するのはマネジメントではなく、リーダーシップというわけだ。

 こうした単純な二項対立による罠からそろそろ脱しないといけない

 確かに、リーダーシップ無きマネージャーでは、これまでの延長線上での思考、意思決定、行動しか取られず、状況に適した成果を挙げることは難しい。一方、マネジメント無きリーダーもまた、方向性は打ち出すもののどのようにしてそれをやりきるかの算段が弱く、情報が錯綜し、意思決定の変化にチームがついていけず、現場は混沌へと向かい帰って来られなくなる。

 つまり、どちらも成り立たない。どう考えても状況に応じて、リーダーシップを強めるところと、マネジメントを強化するところと、臨機に対応できる方が望ましい。われわれが直面する仕事が、頭から終わりまで単純に流せば済むようなものではないとしたら、なおさらだ。

 このイメージが、二項動態。

 もちろん、容易いことではない。相反する2つの概念を同時にあるいは刹那で切り替えながら実行していくというのだから。

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