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君の心を満たすパンを焼こう

いくつになっても、親にとって、娘は娘なんだ。

人生の岐路に立って悩み、苦しんでいると聞けば、自分のことのように心は千々ちぢに乱れる。

でも、親にしてあげられることは、大してないんだ。

人生は自分のものだからね。

親が君にかわってその人生を生きてあげることはできないからね。

できることといえば、せいぜい話を聞いてあげることぐらい。

といっても、ママがね。

君はどうして私には話してくれないんだろう。

いや、父親に話してくれないうちは、まだことはそれほど重大ではないんだ、ということにしておこう。


ひとりでいるのがつらければ、落ち着くまで帰ってくればいいさ。

帰ってきて、ゆっくり心のエネルギーを回復すればいい。

心のエネルギーが復活したら、またひとりで自分の人生に漕ぎ出していけばいいんだ。


そういえば、君は、どんなパンが好きなんだろう。

聞いたことがなかったな。

帰ってきたら、焼いてあげるよ。

心を満たす手作りのパンを。

だから、それだけでいいから、話してくれないかな。

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