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何度も挑戦するからこそ見えてくるもの - 生はちみつ食パン

先週日曜日は、1年半ぶり3度目となる食パン作りに挑戦。

パン作りを始めて1年9か月、そのうちの最初の半年に2回作ったっきり食パンにチャレンジしてこなかったのには訳がある。

最近は、作業場が売り場から見えるような作りのベーカリーも増えてきているので見たことがある人もいるかもしれないが、食パンを作るには専用の四角い型が必要だ。

「焼成」と呼ばれる最後の工程で、パン生地をその型に押し込めてオーブンの中で焼き上げる。型に押し込めて焼くということは、外から焼け具合を確認できないということだ。

レシピに従ってオーブンの温度を設定してタイマーをセットすれば、あとはただただうまく焼けていることを祈るばかり。

これまでの2回は、1回目は型から露出している山型の部分が焦げる寸前、2回目は型の中の部分の焼きが甘くて生焼けに近いような状態で、型から出したらへなへなに。

そういえば普段食パンはあまり買わないからな、と妙な屁理屈をこねて、それ以来食パンを作ることをやめてしまっていた。

それなのになぜまた食パンを作ろうと思ったのか。

それは、あるテレビ番組で特集されていた会社が経営しているベーカリーで作っている「生はちみつ食パン」がおいしそうだから作るように、との妻の命令。

命令されれば作るしかないと、あっさり屁理屈をふところに収め、そのベーカリーの公式サイトを探して原材料をチェック、似たような材料のレシピを探して食パン作りに再挑戦、というわけ。

わざわざ「はちみつ」食パンと命名しているということは、はちみつの配合量がかなり多いのだろうという予測のもと、家庭での手ごねパンの限界にちかい、小麦粉に対して30%の分量のはちみつを使うことにしてみた。

はちみつが増えると、生地がベタついてなかなかまとまらない上に、膨らみ方も弱くなり、さらに焼き色が強くつきすぎる可能性があるので、なかなか難易度が高いレシピだ。

ただ、最初の2回に比べると知識や経験もわずかながら増えているので、食パンをうまく焼くコツなどもいくつか押さえて焼いてみたところ、はたして自分史上最高の仕上がりとなった。

あまりの仕上がりの良さに、型を外した時にはちょっとした感動を覚えた

残念ながらはちみつの風味はあまり感じられなかったが、深い甘みがありしっとりした生地は、トーストせずに生で食べてもおいしい、高級生食パンに匹敵する味わいとなった。

これで食パン作りはマスターした、と言えるわけではもちろんなく、たまたま3回目はうまく行った、ということに過ぎない。

型を使わない他のパンなら焼き具合を見ながらある程度は調整できる。それと比べると、焼き上がるまで状況がわからない食パンは失敗する確率がどうしても高くなる。だからこそ、何度もチャレンジして勘所を押さえ、腕を上げていくしかないのだな、と感じた。

数回の失敗でチャレンジをやめてしまうのではなく、失敗を恐れずに何度も何度も挑戦することだけが、成功への近道。

まさか食パン作りを通して、人間にとってとても大事な成長の秘訣を思い出させられるとは思わなかった。


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